2005年1月29日 ZERO-ONE MAX
大阪府立体育会館第二競技場大会観戦記

投稿者:天笠さん

観衆:1500人


急に思い立ってZERO-ONEMAXにいく。社長橋本が離脱し、プロレス団体としては半死だとも聞きますが、それに負けず「俺たち頑張ってます!」な熱血路線でいくらしい。願わくは、小川直也やプレデター、ガファリで一番盛り上がってた時に行きたかったな。

 お目当てはこないだAWA王者になった大森さん。あとWWEから帰ってきた偽デカプリオ。葛西純は腕の手術で欠場中だって。ある意味ZERO−ONEの中で一番好きな選手なんだけど。

 難波駅から出たらそこら中にダフ屋が溢れてる。新日本のときでも府立周辺でしか見かけなかったのに……って思ってたらWBCフライ級の世界戦があったのね。第一競技場で。ああ、小松負けたそうです。
 とりあえず闘魂ショップによって、相方に頼まれてた酒持って来いTシャツ購入。これ、飲み会できたら完全にマイヨ・グランペール状態だよな。

 売店で代表の大谷自らグッズを手売りしてる。あまり売れてないのか、それとももともとこういうファンサービスが好きなのか。おそらくその両方だろう。
 それにしてもパンフの金のかけなさ具合はほとんど革命的です。呆れるより先に笑っちゃいます。
・選手紹介の写真はゲームの画像のキャプ
・紹介以外は広告しかない
・対戦カードはワードで五分で作ったような紙ペラ一枚
・なのに値段は1000円

 加えて未だに橋本が載ってる……

さて、自分が入ったのは開始三十分前でしたが、当日券で三列目がゲットできました。中に入ってみて納得、座席が五列しかねえ。府立第二でのプロレス興行は、もう必要以上に客を詰め込むのであとでくたくたになるのが嫌でしたが、今日はその心配だけはしないで済みそう。別の部分が心配になってくるけど。

1:佐々木義人 VS 浪口修

 浪口、新人に与えられてる役割をちゃんと理解している。とかくボコボコに攻められて、客に感情移入させりゃそれで結構。俺的には、もうちょっと義人が攻めても良かったような。新人を屈服させられない弱弱しさを感じてしまった。
 第一試合なのに時間切れ引き分け……でも話の流れはともかく、15分もやったのなら浪口が歩いて帰れちゃ駄目な気がする。健闘に客大沸きなのは良かったけどね。

−−−−−

 ここで大谷がMC。喋ってる間、来栖入場に備えて膨らまされてた風船が間抜けな音を立てる。
 タイトルマッチに挑戦するレオナルド・スパンキーが体調不良のため欠場だって。いきなり観戦目的のひとつが消失。そりゃねーよw
 なんかいまいち客がピンときてないところに、さっきやったばかりの浪口が乱入。代打挑戦を表明。協議の結果、ノンタイトルながらカード変更。おいおい。
 さっき義人が変に優しかったのはこういうことかw でもま、新人ながらちゃんとこうしてストーリーに組み込んでいって貰えるのは幸せなことだと思う。

−−−−−

2:来栖正伸 VS 山笠Z゛信介

 えべっさんの師匠の登場。引退したと思ってたら、ジムを閉めただけの話だったらしい。それにしても来栖応援団うるさすぎだw
 来栖といえば椅子と頭突きだけど、それだけで試合を組み立てられるのは本当に凄いと思う。山笠がなにやったって、試合後は椅子と頭突きしか覚えてないし。出すところのツボを完全に知り尽くして、最高のタイミングで繰り出す上、これがまた本当に痛そうなんだよ。
 このおっさん、俺は初めて見たけど、一部でやたら有名な理由がわかった気がする。特技がある人って得だよなあ。
○来栖正伸
(10分06秒 チキンウィングアームロック)

3:崔リョウジ VS 不動力也

 崔がやたら人気がある。やっぱり大阪だから?

 序盤、崔が変に攻められまくって、俺の知らん間に格が逆転したのかと思った。ちゃんと客席の真ん中で場外乱闘もやってくれて、正しい形式のベビーVSヒールなのは嬉しい。不動力也がそれほどヒールに向いてるとは思わないけど、この試合に限ってはああやらないと盛り上がらないし。
 なんかいまいち打撃の説得力がないように感じた崔だけど、最後はきっちりハイキック→バックドロップホールド→アンクルホールドの畳み掛けはスムーズで良かった。あとはもうちょっとキャラ付けの向上の余地ありかな。
○崔リョウジ
(11分14秒 アンクルホールド)

4:田中将斗&日高郁人 VS フベントゥ・ゲレーラ&サンジェイ・ダット

 この日のベストかなあ。面子が面子なので、田中が一人で浮きまくる。でも飛べないわけじゃないし、ジュニアの三人には出せないパワーファイトもやってくれて、メリハリの利いた試合だったと思う。要はバランスよ。
 日高の応援が群を抜いて多かったけど、俺としては初めて見たサンジェイ・ダットなる外人がなかなか衝撃的だった。飛び技もなんかオリジナリティあるムーブだし、ありえない姿勢からDDT敢行したりする。その場飛びシューティングスタープレスなんて初めて見たぞ。
 動きの系統で言えば日高と似てるけど、動きの楽しさはこっちの方が上。筋肉つけて上手く育てりゃロウキー級とは言わないまでも、リッキー・マルビンのように「さりげなく凄い」系統でブレイクしそう。ああいうタイプは団体が落ち着いてきた時には絶対重宝する。
 ただ……ルックスがもうちょっと。

○田中将斗
(12分11秒 コンプリートダスト→片エビ固め)
●サンジェイ・ダット

5:スペル・クレイジー VS 浪口修

 第一試合より強烈に攻められる浪口。何度か丸め込みを敢行するものの、へろへろのところにものすごいパワーボム食らって終了。浪口が受けられるのかちょっと心配になったぐらい。
 サプライズ期待させといて随分まっとうな結果に終わった。勝ち負け云々以前に、浪口がもうちょっとなんか見せてくれたら、今後の興味もひけるんだけど。まだまだ、オリジナル技の解禁は、高岩が認めてくれないのだろうか。
 スパンキー来なくて残念だけど、良いもの見れたな〜とは行かなかった。残念。あれが第一試合なら決して悪い内容じゃないんだけどね。

○スペル・クレイジー
(10分34秒 クレイジーボム→エビ固め)

6:スティーブ・コリノ VS 藤田ミノル VS サイモン・ダイヤモンド

 3WAYマッチなのでそんな気はしてたんだけど、セミでネタ試合を敢行する0−1はある意味凄いと思う。大阪名物世界一決定戦みたいになってる。まあ、コリノだし。
 ちょっと展開がもたついた部分もあったけど、それはそれで笑いのネタになる。日本人にもわかり易い簡単な英語と、片言の日本語を駆使しての試合は、プロレスというよりもセサミストリートでやってるコントみたいな感じ。
 今ある素材をなんとか工夫して客の前に饗しようとする姿勢は好感度大。
 ただ客の中に約一名ほど、趣旨をまったく理解してない馬鹿がいて、
「これじゃショーやないか! ガチンコでやれガチンコで!」
 などとわめき散らしてたのがちょっとアレ。

○スティーブ・コリノ
(13分15秒 ノーザンライトボム→片エビ固め)
●サイモン・ダイヤモンド

7:大谷晋二郎&佐藤耕平 VS 大森隆男&高岩竜一

 大森さん、かっこいいよ! ベルト姿が変に似合ってる。会場の雰囲気が後押ししてるからか、インディー出身者が多いこのリングでも、十分オーラを感じる。まあ、相変わらず試合はいまいちなんだけど。でも、全日本から見てる自分としては、マット界屈指の華麗なドロップキック&アックスボンバーが見れただけで満足。開始10分で両方やっちゃったけどねw
 生え抜きの人たちに関しては、火祭り優勝にもかかわらず、耕平の格があまりあがってないように感じるんですけど。まだまだもうちょっとの我慢かなあ。面子的には現状のトップ4がそろってるので、そうそうつまらない試合にはなりそうもない。ある意味安心して見られる。
 勝負が決まったらノーサイドなのも、仕掛けがなにもない状態なんだからしょうがない。本当の真価が問われるのは、あと三ヵ月ぐらいかかるだろうなあ。それまで、最低限このレベルは維持してもらいたい。

○大谷晋二郎
(17分22秒 スパイラルボム→エビ固め)
●高岩竜一

 試合後、観客全員起立して「プロレスの教科書」の唱和。今ある全団体のお約束の中で、やっぱりこれが一番暑苦しいw
大谷:「俺たちは!」
客:「俺たちは!」
大谷:「絶対にあなたたちを裏切らない!」
客:「絶対にあなたたちを裏切らない!」

 あとでよくよく思い出すと、下手すりゃやばい宗教だw
 最後の〆は地元の崔リョウジ。これもまたプロレスの教科書に劣らず恥ずかしいw MAXになって恥ずかしさもMAXだ。実物はここからどうぞ。大森さん最高!!

 ……ええ、やりましたよ! あの空気じゃやるなというほうが無理だ。

 さて試合後はリングの片づけを客の中から募るという、インディー団体特有の現象を垣間見せる中、ベルトを肩にかけて笑顔でファンにサインを振舞う大森の姿を見かける。もう血迷うなよ〜

 不満点は多々あるんですがw、おおむね満足できる興行だったのはよし。インディーの落ちたとはいえ、選手の自力には他団体とは格段の差がある。橋本ないままどこまで生き残れるかは定かではないけれども、良い意味でプライド捨ててるところもあるし、案外細々ながらしぶとく生き残って生きそう。
 路線変更しだしたらちょっとやばいけど。