2005年7月26日(火)
全日本プロレス 代々木体育館第2競技場大会観戦記


投稿者:KEIさん
観衆:5300人

 本日は台風。朝からとても強い雨が降っています。
平日興行、更に雨、台風など好ましくない条件が揃いぶみの代々木大会ですが、
それこそお客さんが来て良かったと思ってくれる試合を提供してくれる事に期待です。

 本来なら19時開始となる訳ですが、どうやら第0試合が組まれているらしく
18時40分からリング上で試合が行われました。自分が入館したのと同時に試合開始!

  
  第0試合 負けたら即、全日本追放マッチ 時間無制限1本勝負
 ●NOSAWA論外対○MAZADA

 
 一体どういう経緯があって第0試合で全日追放マッチなのかは
分かりませんが、試合はたんたんと進みます。論外は序盤SW、RODなどの
大技を出しますが、MAZADAも正田落としで反撃。
最後は互いに丸め込み合った末にMAZADAが勝利。
それなりの試合はしているのでしょうが、お客さんがまだ入り切っていないので
多少声援があるものの何とも寂しい試合。もっと普通にやらせてあげればイイのに..。

 勝者のMAZADAはマイクで論外に共闘を持ち掛けますが、
論外はそれを拒否してファンに別れを告げます。次の展開があるのでしょうかね。
試合も試合後も少々緊迫感に欠けたかな。取りあえず観客のいる前でやりましょう。 



  第1試合 荒谷、平井、●菊タロー対○本間、土方、雷陣

 ほとんど菊タローがメインの試合。菊タローは背中に「ファミ通」の文字が
プリントされたシャツを着て、メイドを引き連れて入場。ゲームの企画か何かでしょうか?
試合でも菊タローはSWを放ってLOVEポーズを決めたりと観客からまずまずの笑いを取ります。

 そして三人掛かりの連携プレーの場面、まず最初に平井が対角線攻撃。
続けて荒谷が対角線攻撃に転じますが、相手にキックで迎撃されます。取り残された菊タローは
突っ込んだら蹴られる事が分かり切っているので、二の足を踏みまくりでしたが、
観客の声援に後押しされて対角線攻撃へ。結果は言うまでもありません。
菊タローは再度SWを決め反撃しようとするも、敢えなく敗れ去ります。
5分程度の試合だったので少し勿体ないなかったかな。

  
  第2試合 ○嵐対●ブキャナン

 第2試合目にしては結構豪華なカード。もっと上で組まれるようなって欲しいですね。
試合は序盤からブキャナンがアイアンクロー攻撃を駆使。アイアンクロー式大外刈りの2連発で
嵐を追い込みます。しかしアイアンクロースラムに固執し過ぎたブキャナンは、嵐に裏投げ→
ラリアット3連発と畳みこまれ、ダイビングボディプレスに3カウントを許します。

 かなり大味で唐突な幕切れでした。まあ前座の試合は短時間で終わってくれる方がありがたいので
自分としてはこれで良しですが、もっと短時間なりにも濃密な試合ができるようにした方が良いかも知れませんね。


  第3試合 ○カズ対●石森

 試合序盤はスピーディなグラウンドの展開。そして中盤では石森が三角飛びのケブラータ、
カズがトペコンヒーローと互いに華麗な飛び技を披露し観客を魅了します。

 終盤、石森はアサイDDT、スーパースターエルボー、バイソンテニエル、雪崩式フランケンシュタイナーと
勝負をかけるもカズはカウント2でクリアします。反撃の狼煙としてカズはWA4を放ちますが、
抑え込まれた石森はそれを切り返して逆に3カウントを狙う。それを皮切りに互いに目まぐるしい丸め込み合戦を展開。
会場もその速い展開に拍手喝采です。石森が再度アサイDDTを狙った所をカズは抱え込み、ツームストンへ。
石森をすぐさま起き上がらせたカズは磐石の体勢でファイナルカット、カズが凱歌をあげます。

少々ミスも目立ちましたが良い試合でした。キャリアが物を言ったのか、カズの完勝だったと思います。

  
  第4試合 ○川田対●宮本

 宮本に関してはあんまり知りません。何度か試合を見た事ありますが、これと言って印象なし。
海外修行に行ってたようですが、その成果を見せられるかどうか、な所でしょうか。

 宮本入場、結構良い身体をしています。何処となく大森の身体に似ている感じ。
試合序盤から川田と打撃合戦をしますが、重い技と軽い技が混在していますね。
見ている感じだと少し頼りなげな印象を持ちました。なので川田の反撃を受けると簡単に劣勢に追いやられる。

 宮本はSW、シュミット式バックブリーカー→ムーンサルトプレスなど武藤ムーブを見せますが、
打撃合戦の末、川田の左右エルボー→右ハイキックにダウン。川田にフォールされると
そのまま3カウントを奪われてしまいました。観客も期待外れと言った感じ。

 宮本の元を知らないので何とも言い様がないんですが、まあ素材は良さそうに見えました。
体格も良いし、今後に期待できる気がしますが、如何でしょうかね?

 第5試合 近藤、●YASSHI対佐々木、○中嶋

 試合前のビジョン、健介ファミリーとVMの因縁を映像で流します。
どうやら健介の目の前で北斗が痛め付けられたようです。
この試合がチーム対抗戦も兼ねている事を、流れを把握し切れていない自分や
他の観客にも分かりやすく伝えられていたのはGoog jobです!

 試合開始前にTARUが奇襲、しかしこの試合のレフェリーではない和田京平が
必死になって場外に連れ出し会場も大歓声!いざこざがありながらも試合開始。

 中嶋の蹴り、YASSHIのラフファイト、近藤、健介のパワー攻撃と
序盤戦はほぼ五分の展開。その後しばらく中嶋が劣勢に立たされます。
しかし健介にタッチ後は、逆水平、フェースクラッシャー、ストラングルホールドと
健介がこれまでの観客の鬱憤を晴らすという理想的な流れで試合が進みます。
逆に優勢に立つ事で観客に鬱憤を感じさせるVMあってこその流れとも言えますね。

 続いて健介対VMの逆水平チョップ対決へ。一週間前の東京ドームで
逆水平チョップ・フェスティバル2005を開催した健介に
チョップで立ち向かったVMはある意味、ロトの勇者級の戦士です。
YASSHI→健介→近藤→健介→....の順番で逆水平合戦へ。 
しかし2人掛りと言えども健介に打ち勝つ事など出来る訳もなく
次第にVM側にダメージが蓄積されて行きますが、途中健介が打ち疲れたように
動きが止まる。余力を振り絞って尚も逆水平を打ち込むVMですが
健介が急に蘇生、どっちが悪者か分からないような擬態を駆使してまたも逆水平へ。
結果、逆水平チョップ対決を制したのは健介、会場も拍手喝采で声援を贈ります。

 そして中嶋登場、蹴りで攻め込みますがVMの連携プレーにまたもや劣勢に。
YASSHIのジャーマン、続いて近藤のキングコングラリアットを喰らいますが
これは健介がカット。更にラリアットを狙う近藤ですが中嶋に避けられると
その先にいた健介に強烈なタックルをお見舞いされ戦線離脱。
残ったYASSHIに対して健介のラリアットを絡めつつ、
合体技のトルネードボム&スクリューハイキック、新兵器の家長殺しを炸裂させる。
虫の息のYASSHIに満を持した中嶋がジャーマンSP!
会場大爆発の3カウントを宿敵から奪う事に成功。新王者の誕生となりました。

 本日の私的ベストバウト。これまでの両チームの絡みが
全て布石となって活かされたような試合。新しい技、ド派手な技など
なくても、因縁の作り方でいくらでも面白い試合ができる事を見せつけられた感じですね。
この試合が全日の目指す所じゃないでしょうか。欲を言えばこれを自団体の選手で
できるようになれば言う事ないんですがね。それはもう少し先の話かな。


  第6試合 蝶野、TAKA、○ケア、ジャマール対TARU、バーナード、●パルンボ、スタンボリー

 第1試合開始前、恒例のRO&Dの選手紹介の際、待ちきれない観客からは「蝶野」コールが起こりました。
しかしTAKAが言うには諸般の事情でまだ来場していないかったらしいです。
観客の反応からもこの試合への期待感の大きさが伺い知れた一幕でした。

 さて、まず先に入場するのはVM勢。TARUとか普通に客席に向かって鞭を振るいます。
このような嫌われたり怖がられたりする1つ1つの行為が、この試合を熱くする火力となるのでドンドンやって下さい。
そしてRO&D勢の入場、蝶野がいない事にTARUが突っ込むとTAKAが蝶野の入場曲を要請します。
途端に鳴り響くCLASH、観客大喜びです。蝶野はリングインすると真っ先にTARUと睨合う。試合前から良い具合です。

 試合開始、VM勢とRO&D勢が順に戦っていき、遂に試合権利はTARUと蝶野に。
TAARUは唾を吐いたりと蝶野を挑発。反撃に転じる蝶野は序盤からシャイニングケンカキックを繰り出す。
コーナーでダウンした相手にもシャイニングケンカキック、そしてジャマールのヒップアタックと
RO&D勢との連携プレーも披露。ダブルの蝶野ポーズを決めると会場からも大歓声。

 中盤戦、一人軽量のTAKAが捕まり始めます。この間にもTARUはアリーナ席に水を撒き散らしたりなど
徹底的にブーイングを誘います。まあスタンド席の自分には全く無問題。
長々と捕まったTAKAでしたが蝶野とようやくタッチ、蝶野はケンカキックで反撃。
RO&D勢との連携ではVM勢4人をコーナーに追いやり、リング中央から掛け声と共に四方向へチームアタック。
蝶野は珍しくトペを見せるなど終始張り切っていましたね。観客の後押しもきっと彼を動かしたのでしょうね。

 最後はケアがパルンボをTKOで撃破。試合後は花道で中西を交え写真撮影。
面白い試合でした。蝶野を100%活かした入場の演出など見事だったと思いますね。



  第7試合 ○小島対●武藤

 最後に迎えた三冠戦、観客に疲れは見えず良い状態で盛り上がっていたと思われます。
武藤、小島と入場、小島コールは一際大きく聞こえたような気がします。

 試合開始、唐突にドロップキックを小島に見舞う武藤、続けて
スペースローリングエルボーと最近では出さなくなった技を披露します。
小島も負けじとSWやダイビングエルボードロップを繰り出しますが、
序盤戦は比較的スローテンポな展開でありました。

 試合の流れが変わったのは武藤のドラゴンスクリュー。小島が場外から
リングインする際にロープを半分跨いだ状態で放ったその技は小島に
受け身を取る事を許しませんでした。右足を痛めた小島に武藤は
怒濤のドラゴンスクリュー、低空ドロップキックで膝を攻める。
充分に痛めつけた段階で武藤は4の字固めへ。会場からは
小島コールは当然として武藤コールも巻き起こります。

 尚も武藤はミサイルキック、雪崩式フランケンシュタイナー、
SWと技を畳みこみますが小島はカウント2でクリア。
ムーンサルトを狙う武藤へ小島は後頭部ラリアット、エプロンに出て
横殴り気味のラリアット、ローリングエルボーを打つ。
更に起き上がりこぼし式のDDT2連発→やや崩れ気味の垂直落下式DDTへ。

 しかし3カウントを奪わせない武藤は正面、後頭部、正面からのSW→
ムーンサルトプレスとスーパーコンボを発動。それでも尚、小島は返し
SWに来た武藤をカウンターのラリアット、更に助走を付けたラリアットへ。
カウント2でクリアする武藤。再度小島はラリアット!再度武藤はカウント2でクリア!
観客も行き場のない興奮を地団駄と拍手と言葉にならない声でしか表現できない状態です。
この時、台風や雨を気にしていた人はいなかったのではないでしょうか..。
そんな激戦を制したのは、もう一度鞘から豪刀を抜いた小島の一太刀。
観客大歓声の中、小島の王者防衛となりました。
 
 良い試合でしたね。前半のスローテンポが後半のスピディーな展開を
より激しく見せてくれた気がしました。中盤の膝攻めで転調したのも良い感じ。
それを作り上げていたのは武藤だったような気もしますが、
王者としてしっかり受けて立った小島も上出来かと。

 試合後は両選手とも握手。武藤は颯爽と退場。小島がマイクで、台風の中
集まったファンに感謝の気持ちを伝えて興行を締めました。



  感想

 とても良い興行でした。観客は満員。プロレスファンの辞書に台風と言う文字はないんですねw
最後の3試合は文句無しだったと思います。ただ相変わらず前座の選手はもうチョイ頑張るべきです。