2005年4月20日(水)
全日本プロレス 代々木体育館第二競技場大会観戦記


投稿者:KEIさん
観衆:5300人

 今宵はCCカーニバルの決勝戦という事で代々木第2体育館大会の方へ観戦に向かいました。
全日本観戦は昨年の10月の両国大会以来となります。
本日は生憎の曇り空、雨も少々降りつつあります。客足を鈍らせることが無ければ良いのですが..。
代々木第2体育館は円形の作りとなっており、どの席でも非常に見やすく盛り上がりやすい
優良な会場だと言えるでしょう。よって無理に高い席を買わなくてもOK!

 簡単に会場の風景を説明します。立派な入場ゲートが設けられ、
東側と西側のB席辺りに小さいながらもビジョンが設置されていました。
試合によっては開始前にこれまでの経緯を映像で流すなど程良い活躍ぶり。
やはり平日興行だということもあってか開始間近となってもガラガラ状態。
しかしお客さんは試合開始を待ち望む高揚感に溢れていたと思われます。

 試合開始前、木原リングアナが来場感謝のマイク、続けてRO&D勢が登場。
選手紹介をしてRO&Dポーズで締めようとした瞬間に今度はVM勢が登場。
今はこのようになっているんですね..。暫く観戦しないと流れから取り残されてしまうなぁ(汗)
マイクの音量が小さかったので、あまり聞き取れませんでしたが、
なんだかんだ言い合ってVM退場、RO&Dが毎度のポーズで会場を温めます。



  第1試合 渕、●雷陣、石狩対嵐、筑前、歳三○

 試合開始前、渕がマイクで全日本プロレスの躍進を誓います。
嵐は持ち前のパワーを活かしたタックル、裏なげを披露。渕はボディスラムで相手を投げる度に
疲弊した様子を見せて観客から笑いを取ります。石狩&筑前はあまり目立たず、雷陣は動きの見栄えが少々悪いです。
その中で動きの良さを見せていたのが歳三だったでしょうか。蹴りのキレは中々のもの、
ミドルキック・サッカーボールキックのラッシュからジャンピング・フィッシャーマンズバスターで雷陣を撃破。
変にダラダラ長引かせず、5分程度で終わらせていたのは妥当だったと思います。



  第2試合 Aブロック1位 小島●対 Bブロック2位 ジャマール○

 ここから急に会場の興奮度も上昇します。両者大人気!先に入場したのはジャマール、
途端に自分の左後方から「Wao!!」「Hoo〜!!」と言う
明らかに日本人のモノではない声援が飛び出します!なるほど、ある意味学生時代以来となる異文化交流です。
後から入場するのは小島、王者となって多少は風格が増したのではないでしょうか?

 試合開始。微動だにしない両雄、しばらくしてから腕の取り合いという静かな立ち上がりを見せます。
次第にチョップ、エルボーなど各種の打撃を出し合いますが、ジャマールの攻撃が当たる度に
後方の外人さんから「Yes!」「Once more〜!」「come on!」なる声援が..。
惑わされるな、自分!ここは日本、東京、代々木第2体育館!
こうなれば大和魂全開で小島を応援する事にしよう!

 右肩を負傷しているジャマールはエルボードロップの自爆から小島の右腕攻めに苦戦します。
小島はローリングエルボー、エプロンに立ったジャマールにエルボーを打つなど優勢に試合を進めますが
プランチャをパンチで反撃されると一転、ダイビングショルダーを喰らい大きなダメージを被る。

 小島をリング上に戻すと、ジャマールは観客からの手拍子付きのヒップアタックを連発、
しかし小島もコジコジカッター2連発で逆襲!リング上の攻防が激化するに連れて、
こちらの異文化交流も急激化!次第に自分の意識も浸食され始め、声援が西洋被れへとなって行く始末。
(事例・小島頑張れ!→小島Fight〜! 休むな!小島〜→Don’t stop!小島〜)

 小島は変形肩固め、ブレンバスターでジャマールを追いつめるが、ジャマールは会場大爆発の
ニールキックを小島の後頭部へ放つ。ここで一気に会場がヒートアップ!
ジャマールは超高角度パワーボム、フライングソーセージのスーパーコンボを発動!
しかし3カウントを許さない小島はムーンサルトの体勢に入ったジャマールをパワーボム、ラリアット連打!
然れどもジャマールも3カウントを奪わせない。小島は止めのラリアットを撃とうとするが
ジャマールはカウンターのリフトアップ式ブロックバスター、フライングソーセージのエアリアルコンボへ!!
小島は返す術無く敗れ去る結果となりました。でも腑甲斐無さはほぼ皆無。本日の私的ベストバウト!


  第3試合 Bブロック1位 川田●対Aブロック2位 健介○

 さあ、そしてもう一方の準決勝戦。闘志を漲らせる健介、
いつもと変わりなく落ち着き払っている川田の試合です。

 序盤戦、両者逆水平の打ち合いですが健介イイ音鳴らします。
負けじと川田は各種蹴り技で応戦、そして右腕攻めへと移行。

 しばらく右腕攻めに苦戦を強いられる健介ですが、ココナッツクラッシュ・河津落とし・
ランニングネックブリーカードロップと馬場ムーブで劣勢を撥ね除けようと奮闘。

 続けざまのストラングルホールドを蹴りで回避する川田、再度得意な蹴り技で健介を攻め立てますが、
要所で健介は手で蹴りをブロック→ラリアットで試合の流れを引き戻します。
川田は中盤から終盤にかけて顔面蹴り、バックドロップ、STOと大技を繰り出しはしますが、
どうにも断続的。逆にパワーボムを凌がれると健介のフォールを挟んだ
ラリアット4連発→ノーザンライトボムに沈む結果となりました。
 
 この試合は残念ながら開始15分まではダラダラとした展開でしたね。
小島対ジャマールの好勝負の影響があったとは言え、一定のテンポではなく、
メリハリを付けた試合をすればもう少しお客さんも沸いた筈。
リーグ戦を勝ち抜いて来た代償でしょうが、特に川田は本調子ではなかったように見えました。

 と言う事で決勝戦はジャマール対健介に決定!
 


  第4試合 荒谷●、平井対太陽ケア、○ブキャナン

 RO&D入場、後ろの外人さんがまた騒ぎ始めました。RO&Dファンなのかw
そして、この日本人コンビは確か最弱チームなんでしたっけ?
まあ弱いって事でも注目してもらえる分だけ良いです、これは全日本の上手い所かな。

 試合はRO&Dの奇襲によってスタート。開始直後、攻勢に出ていたのも束の間、
ケアは最弱チームの合体攻撃などにより防戦一方に陥ります。
 しかし交代して出て来たブキャナンの活躍によって一気に形成逆転!
ケアがニールキックコンボでサポートする中、ブキャナンの
急角度アイアンクロースラムで試合終了!あまりの技の迫力に観客も驚いていたのが印象的。
 
 この試合も5分程度で終了、まあ妥当と言えば妥当なんですけど、
第1試合や第4試合の、特に日本人選手のファンは満足できるんですかね。
下位選手の奮闘も興行の楽しみの1つだと思うのですが、如何なんでしょ?
今回はCCカーニバルの試合がメインですし、サッと終わるのは私的には全く無問題。
まあ後楽園や地方大会で彼等がファンをそれなりに満足させてれば何も言いはしませんが、
もっと見せ場があっても..、と思った次第です。


  第5試合 世界ジュニアヘビー級選手権 王者 TAKA○対 挑戦者 中嶋●

 この試合は北斗がレフェリー。中嶋、TAKAとコール後、「レフェリー北斗晶」のコールに
会場全体で大北斗コール!京平並ですな、ある意味全日本の一員と認められている証拠かも知れません。

 序盤戦は腕の取り合い、グラウンドの攻防が展開されます。
(南側の熱い中嶋ファンが「勝彦、1分経過〜!」「2分経過だよ〜!」と試合時間を丁重に報告(笑))
そしてロープブレイクに逃げる中嶋、しかし攻撃を解かないTAKA。
北斗の取る反則カウントもほとんど聞く耳持たず状態、
更には「うるせぇー!」と威嚇する光景に観客からはTAKAへ大ブーイング!
最初は冷静に対応していた北斗もそれが2、3度続くとTAKAのお尻を叩いたり、
遂にはストンピングを繰り出します。と言っても中嶋フォールの際にも
普通のスピードでフォールカウントを取るなど、試合全般に渡って公平なレフェリングに徹してました。

 試合中盤、TAKAの左腕に的を絞る中嶋はキック・アームロック・脇固めで優勢に立つ。
(脇固めの際、南側の客「折れ!折れ!折れ!」と声援。ダメだってw)
TAKAも一瞬の隙を突くジャストフェースロックで反撃。
ここから脇固めとジャストフェースロックをメインとした攻防がしばらく継続されます。

 試合終盤、パンチとキックに光明を見出そうとする中嶋、右ハイキック→リアル竜巻旋風脚→ジャーマンSPで
勝負に出るもTAKAは2カウントでクリア。(南側の観客「惜しい〜!!」と大絶叫)
手持ちのカードを失った中嶋はハイキックを乱打するが余力を残していた
TAKAのみちのくドライバー2で轟沈!やはりまだまだ地力の差があるように感じましたね。
 
 試合後、中嶋と握手、北斗にも勝ち名乗りを挙げさせるなど素の状態を見せるTAKAに
Hi69が唐突にタイトルへの挑戦表明。続けてカズ、論外、近藤、YASSHI、歳三、石狩がリングイン!
論外、YASSHI、歳三などが個性的なマイクアピールをすると歳三がマイクをTAKAへ返却。
TAKAが喋ろうとすると何もアピールしていない石狩が静かに挙手(会場笑)
TAKAにマイクを貸してもらい、いざ話そうとするとTAKAのテーマが鳴り響き、皆退場。
石狩は仕方なしにトロフィーを携えて観客にアピールし、これにて終了です。

 この試合は北斗のレフェリングか中嶋の奮闘、どちらか1つに意識を
集中させた方が良かったように思いますね。まあ両方楽しめて良いという
意見もあるかも知れませんが微妙に観客の楽しみ方が散漫だったと思いました。
良い試合だっただけに勿体ないかな、と。


  第6試合 武藤、カズ、本間、諏訪間、論外●対 TARU、○バーナードパルンボ、近藤、YASSHI

 入場時、武藤大人気です!今大会一番の声援。そして次に論外が声援を
もらっていたのが意外でした。人気者なんですな。
 試合前に、TARUがカズ、本間を指差し「こいつらは分かるけど、
お前(論外)は全日本と関係ないやろ!?」とマイク。
憤慨した論外が「俺はな〜....」と言いかけた瞬間に奇襲を受けて試合開始(会場笑)

 試合は中盤戦まで主にJr.選手が戦う展開。そして登場した武藤は
バーナードを除くVMメンバーをドラゴンスクリューで次々に蹴散らしていきます。
会場を盛り上げるシーンを要所で演出するのは流石武藤と言った所でしょうか。

 試合権利はバーナードと論外へ。Jr選手のドロップキック2発→3人掛かりの
ドロップキックで漸くバーナードを倒すと、武藤のSWが炸裂!しかしクリアするバーナード。
中腰のバーナードに全日軍総動員で順にSW!最後のトリは武藤のSW!
がしかし試合は決まらず、一斉にカットに入って来たVMに全日軍はリング外へ。
残った論外がバーナードの串刺しタックル→ネックハンギングボムで逆転負け。
チーム構成が分かりやすくて良いですね。日本人側も2チームぐらいあると尚更面白くなると思います。
 
 

  第7試合 2005チャンピオン・カーニバル優勝戦 健介○対ジャマール●

 互いにチームとファミリーをセコンドにしてリングイン。
両者とも気迫の籠った良い表情をしています。

 試合開始、至近距離で睨合う二人。互いに声を張り上げロープに
走ってラリアットで衝突し合います。これだけで物凄い大迫力!
しばらくすると、互いに痛めている相手の右腕を攻め合う展開となる。

 先に試合を動かそうとしたジャマールはヒップアタック2連発、更にトップコーナーに
登るものの逆に雪崩式ブレンバスターを喰らってしまう。健介はラリアット、トルネードボム
という自身の技、裏投げという友の技、ランニングネックブリーカーという
今は亡き元祖全日本プロレスの象徴の技でジャマールを追いつめる。

 しかしジャマールはニールキック→パワーボムで反撃!続けて
フライングソーセージの体勢に入るが、一旦ここでムーンサルトの体勢に移る。
しかし躊躇したのかもう一度体勢を立て直してフライングソーセージへ。
間を作ってしまった一瞬の躊躇いが仇となったか、健介はこれを何とかカウント2で返す。
再びムーンサルトの体勢に入ったジャマールを健介は投げ落とし、ラリアット!
そして自身が最も愛する妻の技、ノーザンライトボムを放つ。ここで敢えてフォールにいかず、
ジャマールを引き起こしてもう1度乾坤一擲のノーザンライトボムへ!

2005年、復権を果たした「王者の祭典」の幕は、
四冠王者の右腕でも、(元)象徴の蹴りでも、巨躯の肉圧でもなく、
日ノ本の国から失われつつある家族の絆によって降ろされました。

試合後はファミリー総出で写真撮影、会場もお祝いムードで終了です!


  感想
 
 良い興行でした。平日、雨天の悪条件ではありましたが、観客動員は最終的に9割少し。
団体にとってもファンにとっても土日にやらせて上げたいと言うのが正直な気持ちです。
 かなり陣容が揃ってきたと思うので、このまま頑張っていって欲しいです。
CC決勝戦にはある程度ブランドが付加された筈ですから参加選手の質を
維持できるのなら来年は両国でやっても構わないかも知れませんね。