2005年1月16日(日)
全日本プロレス 
大阪府立体育会館大会観戦記


投稿者:天笠さん
観衆:4500人

 毎度バカバカしい話をひとつ。

 前回見たのは川田VS武藤の三冠挑戦者決定戦だったか。二年強程全日本のライブは行ってないので、地方のお約束事はパンフから推測するしかないのが悲しい。RO&Dが入ったのもケアが戻ってきたのもその後なんだよなあ。

 試合前にTAKAがMCでもって「前回までのあらすじ」をやってくれるのは大変ありがたいです。こっちは地上波ないもんで(笑)。
 展開や選手の顔を覚えてもらう意味でも、こういう地道な宣伝は見習うべき部分だと思う。
 客入りはさすがにこのカード、アリーナ満席スタンド7割は大健闘ですが、序盤はとにかく寒い。売店でワンカップでも売って欲しいよ。



1:渕&雷神VS荒谷&平井

 渕がパンフに連載している小説がツボです。
 なんか序盤のムーブにスピードがないのがいきなり気になるんですが、そういうものなのだろうか? 雷神はともかくとして、次々代のエースを担うべき荒谷がこの位置、しかもネタ試合とは言え黒星がつくのはちょっと可哀想。あまり調子よくないの?
評価:2

2:えべっさん VS NOSAWA論外

 そう言えば、大阪以外でえびすが出る時って、松井レフリーも帯同してるんですか?
 ネタ試合としては普通の出来。NOSAWAがクリーンファイトで来るのは予想外でした。定番ネタもちゃんと織り交ぜて安心です。
 大阪プロ危機説が囁かれてるし、きっと概ねにおいて事実なんでしょうが、えべっさんに限ればある程度どこでもやっていけるんじゃないかと思う。逆は成立しそうにないけど。
評価:3

3:TAKA&MAZADA VS ラブマシンズ

 マシンズって絶対飲み屋で考案されたはず。ラブとSSの二つのマシン、どっちもかなり今更感漂ってるし。
 試合は普通。嵐……サンのパワーに圧倒された二人がいい様に引っかきまわされた挙句、MAZADAが浜田のおっさんに捕まって雪崩式DDT葬。
 でもそんなことはどうでも良いw マイク合戦楽しいし、必要以上に塩分取りすぎなければ、代々木のつなぎとしては十分です。
 ただ、せっかく浜田の挑戦が決まったのに静まり返る客席。やっぱり、前座には厳しい町だなあ。
評価:3

4:カズ&石狩VS歳三&中嶋

 石狩捕まり過ぎ。中嶋がヒールに見えます。マスクマン土方はん〜〜なんかなあってところ。とりあえず椅子使えよ、悪者やるんなら。
 内容は決して悪くないんだけど、カズがいまいち試合をひっぱり切れなかったか。ちょっと耐える石狩の時間が長すぎたんじゃないかと思います。大空中戦とは言わずとも、スピード感のあるジュニアらしい試合を期待していたんですが。
 試合後、歳三がマイク。お通夜の会場も佳境に達し、痛々しいことこの上ない。カズのベルトが移った直後の間の悪さもあるけど、すまんねえ。盛り上がらない会場で。
評価:3

5:武藤&本間VS ブードゥーマーダーズ

 社長入場時から会場のテンションがガラリと変わる。ようやくプロレス会場に来たという実感が沸いてきました。休憩時間中、俺ら以外の客がごっそり入れ替わったのかと。

 さて、スタンボリー&TARU組のチーム名が決まったようで、今日はそのお披露目マッチです。うん、ビジュアルも見るからに「俺ら、悪役です」って主張してて良いんじゃないだろうか。何事も形は重要ですから。
 まあ、バット振り回すわけだからそんなに面白い試合にはならないのは当たり前。先はまだ見えてこないけど、ただの悪役で終わらないことを祈ってます。


6:小島VS諏訪間

 客が怒るのもわかるw 新人に好き勝手に攻められる次代のエースなんて、誰が期待をかけられる? 試合中、何度も客から「1で返せ!」って野次が飛んでましたがまさしくその通り。相手を引き出しただけで終わっちゃったような小島でした。あわや3カウントの場面を作るのは1度きりで良い。
 確かに諏訪間は良い。出来過ぎの新人としては中嶋以上ですよ。ネクストジャンボの肩書きも伊達じゃない。ただ相手の小島がアレ過ぎたのが悔やまれる。
評価:1

7:太陽ケア&ジャマール VS 棚橋&吉江

 普段デブが嫌いな相方が認めるぐらい、吉江が輝いてました……ショッキングピンクに。中盤まで棚橋が受けまくって、攻撃面を吉江に任せてたのも大きいけど。本大会のベストバウト。
 TAKAが言うところの「動けるデブ・カッコいいデブ・スーパーデブ」のジャマールとの対決が見ものでしたが、期待にたがわず迫力の肉弾戦なのは嬉しい。終盤はいつもより三倍の粘りを見せる吉江と、それを断ち切るジャマールの畳掛けは見事に尽きる。
 棚橋とケアがちょっと引いてたのも味方してたか。でも軽い方は受けでしっかり魅せたし、時折のスープレックスはしっかり切れてた。今度は代々木でシングルを組むらしいですが、こいつら絶対タッグの方が面白い。
評価:5

 ……吉江に5か。


8:川田VS健介

 実券で入った客の8割はこれを見に来た。四年越しの決着戦ですからねえ。このころになると空気が熱い。冬に軽く汗ばむくらい。

 まあこの二人ですから展開は推して知るべし、正面からのど付き合い投げ合い以外になにがあろうか。
 中盤に場外マット剥がし北斗ボム食らって川田の動きが落ちたのが気になったぐらい。それ以外は実に基本に忠実な文字通り、「いつもの川田の三冠戦」。その「いつもの」をやれる人材もあらかた消費されつくして、今後この手の試合は滅多に見れなくなりそうです。
 健介もボルケノを残してたあたり、どうもネクストを睨んだ気がしないでもないが、今日のところは出せなかったととっておこう。

 最後の顔面ローについて……まあ、川田らしいっちゃ川田らしい技ですが、見た目が地味なのに加えて、「出るぞ出るぞ……きた!」ってタメが無いのが、カタルシスを感じない要因なのかも。あれで燃えるには客の修練もまた必要なのかも知れない。でもやっぱりパワーボムで決めて欲しかった。

 さて試合後ですが、健介との世界タッグ獲りのインパクトで、小島の存在が客の意識からきれいに飛んでしまった。代々木に向けてあと一ヶ月……小島がどうであれ、また盛り上げるのには苦労が必至(笑)。

 二つのビッグマッチが良かったので満足。コテコテの全日本ファン以外、どんなスタイルが好みでもある程度満足できるはずです。多方面に向けた興行作りを一貫して続けられるなら、この時代には強そうですねw

 しかし前半後半の温度差は一体なんだったのか。いまだに謎。