2003年7月13日
全日本 2003サマーアクションシリーズ
大阪府立体育会館大会観戦記

投稿者:天笠さん

観衆:3800人


今日はラスト3試合以外はいまいち。あまり印象に残らないマッチメイクは確信犯だろうか。

1:土方・渕VS浜田・太一

 序盤は土方のものすごい張り手がファンの度肝を誘う。で、太一も新人らしく単純な技でガツンガツン向かっていく。逆に言えば、それ以外に大きな見せ場はなし。ベテラン二人は気迫という柄じゃなし、第一試合としてはあんなもんだろうか。ラストは土方のフィッシャーマンバスターで太一が沈んでゲームセット。
評価:3

2:ぬるま湯VSカシン・Hi69

 平井と奥村の見分けがつかなくていきなり焦る。終盤に色白のほうが平井という判別法判明。Hi69は……丸藤のような天性を持っているのは伺えるも、ウェイトその他で他の三人にはやはり見劣りがする。
 ん〜〜ともっとガンガンやってくれるのかと思ったら、なんか展開の間が悪い。沸いた後に気まずい沈黙が流れるような試合。ぬるま湯の二人も全試合の土方・太一に比べると気迫をあまり感じない。
 Hi69がフェニックススプラッシュ、不知火(!)を見せたところでカシンが奥村と場外へ。乱闘に夢中になってるうちにヒライエンドで決着。もっと感情をむき出しにしてもいいだろう。
評価:2

3:テンタVS河野

 リング上の時の流れが逆行する。これは馬場時間だ!! 悠久の大河を思わせるゆったりとした時の流れで、新人河野がぼっこぼこにやられていた。なんとテンタがテイクダウンしたのは一度のみ。これは河野が悪いんじゃない。大人気ないテンタに全責任がある。ちょっとぐらい受けてやらんかい。
 レッグドロップからアースクエイクドロップという身もふたもない攻撃の前に河野、なす術もなく。でもドロップキックやフロントハイキック等の攻撃には若手ならではの表情が見れたからま、いいか。
評価:2

4:ターメリックVSエンブレム

 エンブレムといっても保坂と和牛太。晋ちゃん将ちゃんではない。当然保坂にはすさまじいブーイングが飛ぶ。だが、本間宮本も、お世辞にも良い仕事をしてるとは言えず。気だるい空気に覚えがあると思ったら、W2誕生前の1.13大阪、力皇VS森嶋にそっくりだった。欠伸交じりで試合が続く空間は眠気を誘うのに十分すぎた。
 久々の摩周を出すも、本間はカットを抑える素振りすら見せない。会場はそれなりに沸いていたが……「本間! ぬるいぞ!」等の野次が飛び交うのも無理はない。
 結局、両者決め手がないまま30分引き分け。「カクトウギのテーマ」もむなしい限り。
評価:1

5:嵐VS荒谷

 荒谷は椅子を持って入場。京平が止めに入るも嵐をいきなり奇襲。ゴング後も椅子攻撃を続ける。荒谷なりに勝ちにこだわった結果だろうが、開始わずか1分でムーンサルトを決める。これで嵐が怒った。つーか先だって王道マットを去った「あの方」が乗り移った(笑)
 まずは顔面を思い切り蹴り上げると、場外から椅子を持ってきて荒谷の脳天を一撃。高らかな音を立てて抜ける椅子の底。間髪いれずにレフトハンドでのナックルの連打、連打、連打!! いや、ここはあえてグーパンチと呼ぶべきだろうか。荒谷の額が割れた。立てない荒谷になおもつま先で顔面をけりつけていく。
 無理やりコーナー付近まで引きずっていって投げ捨てパワーボムからフラッグスプラッシュの定番コースでわずか5分で荒谷を潰してしまった。短時間でも、こういう殺気がある試合は大歓迎である。
評価:4

6:小島・ハヤシ・ヤンVSギガンテス・ハインズ・ブルックサイド

 これは素直に面白かった。6選手が入れ替わり立ち代りの技の競演。初めて見るギガンテスは往年のノートンのような単純なパワーの誇示が良い。リング下のハヤシ・ヤンを二人まとめてリング内に引きずり込んだり、ネックハンギングから前方に放り投げたり。
 ジョージも相変わらずの人気だし、小島も陽性の明るいプロレスで会場を盛り上げる。会場空気を暖めるという意味では、これ以上ないセミなんじゃなかっただろうか。
 外人組の連携ミスをジュニアの二人がうまくアシストして場外へ、残ったブルックウッドに小島のラリアットで大団円だった。少々ブルックウッドのラリアット受身が下手な気がしたがそれはそれでよし(苦笑)
評価:4

7:川田利明VS武藤敬司

 武藤の徹底した膝攻めに一時は渕ストップ発動寸前に。なんとかエプロンの渕を押しとどめてロープにたどり着くも社イニングウィザード、ドラゴンスクリュー(もう今日は何度撃ったかわからない)と立て続けに受ける。ムーンサルトの目測を誤って膝を強打した武藤。そのおかげでわずかながら回復を果たした川田の鬼のラッシュがスタート。バックドロップ、顔面蹴り、垂直落下ブレンバスター、ワンツーエルボー(!)からの顔面蹴り、さらにもう一度。そして満を持してパワーボム。これをカウント2で返されるととどめの二発目を入れてゴング。大阪のリングは爆発でした。
 試合後、握手を求めにいく武藤とがっちり握手を交わすと、感極まったようにガッツポーズ。

 

 ま、こんなところかな。実は先々週から三週続けてのプロレス観戦になるんですが、やっぱりビッグマッチの雰囲気は良いです。でも、もっと下位打線の精度を上げていかないと全日本に未来はないでしょう。「外れ」を二試合も三試合も続けて見せられるとさすがに辟易する。