2003年2月10日
全日本 2003エキサイトシリーズ
愛知・名古屋国際会議場 イベントホール 大会観戦記

投稿者:ダイナミックTさん

観衆:1500人


<当観戦記における注意事項>
特定の選手への強い思い入れによる偏った表現が多々あるかも?笑って見逃してやってください。

第1試合 ○渕−石狩×
13分31秒キーロック
今回、初めて石狩を目にしました。流石に線の細さは否めませんが闘志を前面にだして向かっていく姿に好感を持ちました。試合の方は、前半ヘッドロックで十分絞り上げ、中盤から終了まで徹底した左腕攻撃を続けた渕が余裕の勝利。久々に渕のシングル戦を見ましたが、キーロックをはじめとする基本に忠実な攻めにはあらためて感心しました。新人相手なのでやむを得ないですが、コーナーでのエグイ攻めも見たかったなぁ。

第2試合 高木・宮本・○本間−土方・×平井・荒谷
19分17秒 雁之助クラッチ
酒人さん報告の通り、試合開始前から熱い面々達。その中でも、ひときわ目を引いたのが宮本・本間。全般的にターメリックは攻め込まれる事が多かったものの、意地で食らいついていき、勝機を得た感じでした。対する平井、土方も試合内容はターメリックを上回っていたと思います。ただ、欲を言えば6人タッグなので早いタッチワークも悪くないが、もう少しじっくり攻め込む姿勢が欲しいところ。唯一、不満に感じたのは荒谷。負い込まれる場面も無く、危なげない試合運びでしたが、恵まれた体格を生かしきれていない。他の選手と比べると印象が薄いです、残念ながら。頑張れ、アジアタッグ選手権者!

第3試合 ○スプリガン・EXブレイド−カシン・×スーパードラゴン
12分42秒 片エビ固め(シューティングスタープレスから)
カシン以外全て初めて見る選手ばかり。一見したところ、体格・コスチューム共にスプリガンにひ弱さを感じたのですが、試合が始まった途端、良い意味で予想を裏切られました。スピーディーな動き、数々の飛び技、技・攻めの的確さ、コンビネーション等パーフェクト!EXブレードもスプリガンには無いパワーの要素が加わり、非常に魅力的なタッグでした。カシンも見せ場は少なかったものの、大技がなくても説得力のあるチャンピオンらしい試合運びでした。最後にスーパードラゴン。スプリガンのあまりの良さに、あまり印象残らず。ただ、久々にドラゴン・スープレックスが見られたので良しとしましょう(笑)。

第4試合 G浜田・○ギガンテス・テンタ−相島・×奥村・小島
13分45秒 体固め(喉輪落としから)
この試合は、休憩前の3試合とは全く趣きが異なる試合でした。多くの人々が小島を中心に観戦するようですが、私が注目したのは初めて目にするテンタ。先日敗れはしたものの、MLW王者・小島への挑戦を果たし、16日にはギガンテスと組んでアジアタッグ挑戦も控えるテンタこそ本来最も注目すべきなのかも?(まあ、実際のところは大きいどっしり、ゆったりした選手が好きなだけなのですが)
試合内容については、特筆すべき事はなかったです。(つまらなかった訳ではないです。念の為。)小島組は中盤、G浜田を比較的早いタッチワークで集中攻撃。時には「口撃」も加わり、小島が担当する「明るく」の演出に一役買っているという感じでした。
テンタについては期待通りのスローモーな動作(笑)恵まれた体格を十分に利用した攻めは、技の数こそ少ないものの説得力十分でした。エルボードロップもテンタがやると、特別な技に見えましたから。
最後にギガンテス。悪くはないと思います。この先、シリーズを通してどんなスタイルを見せてくれるか楽しみ。特に、身長「2m」は無条件で気に入りました。決め技の喉輪も、私の大好きな田上には及ばないもののなかなかのものだったと思います。
後ほど触れることになるであろうグラジも含め、今シリーズの外国人選手は良い選手ばかりです。ただ、以前から全日本を見続けているファンとしては、スミスやウィリアムス(最近は精彩を欠いてますが)が参戦していればもっと面白かったのに…と思いました。
いつも観戦していて感じるのですが、なぜ小島はあんなに人気があるの?私は特に興味がないので、あの盛り上がりが異様にすら感じられました。

第5試合 「王道伝授七番勝負」○天龍−保坂×
3分23秒 アバラ折り(拷問コブラでギブアップ)
天龍のファンである私としましては、この試合は期待してました。まず入場。天龍のテーマ「サンダーストーム」が流れるだけで嬉しかった。ちなみにコスチュームも微妙に変わっていたような…。(右胸あたりに大きく「天龍」と刺繍?されていました。)
さて、試合ですが、天龍のリングコールが終わるや否や保坂が急襲。しかし、天龍はラリアットで迎撃。そのまま場外に放り出し、フェンスに叩きつけ仕上げは机の投げつけ。この間わずか1分足らずで、しかも机はしっかり保坂にヒット。天龍の攻めに動きの止まった保坂、グーパンチで抵抗するシーンもあったが、返す刀で天龍にしっかりグーパンチの洗礼を受けた。あとは起き上がり小法師ラリアット連打でこてんぱんにやられ、コブラツイストでフィニッシュ。
この試合については、やはり保坂に問題有りと思う。試合開始前の急襲も良いけど、あの迎撃のされ方は新人レスラーレベルで、とても10年戦士とは思えず、もう少し考えて攻めてほしかった。
保坂からターメリックのようなやる気は伝わらず、今回の試合では「王道伝授」されなかったと私は感じました。頑張れ、保坂!

第6試合 884%マシン・200%マシン・武藤−ヤン・嵐・グラジエーター
17分24秒 片エビ固め
武藤組に比べて、何だかアンバランスなグラジ組。でも、私は個人的には「こういうのも有りかな」と思いました。試合開始直後から、グラジがかなり意気込んでいましたが、新年早々三冠戦に敗れているのでやや?という感じ。勿論、外国人トップレスラーとして武藤に敵対心を抱くのは大いに結構。ただ、次の三冠戦が橋本、仮にどちらが勝っても次期挑戦者にグラジという線は限りなく0に近いでしょうから、意気込みも空回りして見えてしまうのは私だけでしょうか?もしかしたらグラジの三冠戦、早過ぎたかな?新たなテーマを求めて必死になっているのかもしれませんね。そういえば、個人的には嬉しいですが、テンタのMLWヘビー・アジアタッグ挑戦も唐突な感は否めないですし。次に、天龍以外で私が密かに注目しているのが嵐。特別な技・攻めを見せる訳でもなく予想通りのスローモーな展開でしたが、ファンにとってはその存在だけで許せてしまう(笑)何となく私が応援し続けている田上のイメージと重なる部分もありますし。ヤンも目立たないですが、嵐とは対照的に軽やかな良い動きを見せてくれました。
対する武藤組はこの団体のテーマの「明るく」を意識した試合運びでした。コーナーに控える武藤は、リング内にいる884%マシンに何度も「カズ!」「ハヤシ」と声を掛け、和田京平レフェリーに度々注意される始末。200%マシンにいたっては、リングインする度に「安生!」というファンからの掛け声があちこちに響き渡っていました。試合を決めたのも、相手チームに捕まったヤンが884%マシンのマスクを被せられ、グラジに敵と勘違いされランニング式アッサム・ボムを食らう。それを884%マシンがフォール。試合後には、グラジとヤンがもめているのを嵐が仲裁に入るという微笑ましい光景も見られました。「グラジ、(ヤンだと)わからなかった(気づかなかった)かなあ?」という気もしましたが、これも有りでしょう。そう言えば、武藤・カズハヤシ・ハインズがスキンヘッドで同じタイツを履いてきた事もありましたし。

総評:前回の全日本観戦は、昨年10月の名古屋大会。WAR軍と武藤軍のシングルマッチ5試合が組まれていました。(天龍−武藤、嵐−小島他)あまりにも前回の組み合わせ凄かったので、今回は観戦を見合わせようと思っていましたが、良い意味で予想を裏切られました。普段、プロレスを全然見ない会社の同僚を誘って観戦しましたが、「試合展開がなかなか読めなくて面白い」「また観戦したい」と言ってくれました。やはり、良い試合内容であればプロレスに興味が無い人にも良さは伝わる。そうすれば、徐々にではありますがファンは増えていくはずですよね、皆さん。