武道館前の最後の試合になったこの日、観客席の埋まり具合は1階が半分くらい、2階は4分の1くらいだったでしょうか?公式発表は2500人となっていましたが、毎度のごとく大嘘です(笑)。そんなに入ったら1階は満席くらいでないとおかしい。実際は1000人もいなかったような気がします。まあ、地方ならこれでも入ってる方でしょうけど(ちなみに成田市の人口は約9万5千人。東京からは電車で70〜90分くらいです)。
ちなみに街宣車は何日か前から周辺を回ってましたが、いかんせんポスターの貼り出し枚数が少ない。事情は色々あるのかもしれないけど、もうちょい目に付かせないと気づかないよ。
ロビーではウイリアムズとバートンが売店の後ろでTシャツにサインをしていました。Tシャツを買った人に向けてサインをしていたようです。
さて早速試合のほうを。
<第1試合>トリプルスレッドマッチ 浪花VSウラノVS土方
トリプルスレッドって初めて見たんですが、これって3人一緒に戦って、誰かが一本取った時点で終了という形式なんですね。どこでもやってる形式じゃないんだから、試合前に説明が欲しかったところです。
入場は土方のテーマらしき曲で3人一斉に入場。カラーボール投げをこの3人が行いました。受け取った人は後で売店で記念品贈呈だったそうですが、どんな記念品だったんでしょうね。
というわけで試合開始したんですが、最初は3人揃ってお見合い状態で、試合が動きません。そこで土方がウラノに話しかけ、協力態勢をとることに。それでウラノが浪花に向かっていこうとした瞬間、土方からウラノの背中に張り手が。ひざまづくウラノ。今度は浪花がウラノに手を差し伸べて、同じようにウラノが土方に向かっていきますが、お約束通り今度は浪花からの張り手がウラノの背中に(笑)。結局最初に標的にされたのがウラノで、浪花と土方が迫って前から後ろからエルボーのサンドバック。崩れ落ちるウラノに浪花と土方、交互にエルボードロップの雨あられ。そしてカバーに行きますが、浪花がフォールに行くと土方がカットし、土方がフォールに行くと浪花がカット。きりがありません(笑)。ここまで完全にネタな展開です。
あとは…といきたいところですが、実はよく憶えていないんですね。浪花が比較的早い時間にカニ歩き→エルボードロップの動きを見せたのと、ウラノが何かのスワンダイブ技を見せようとして、思いっきりトップロープから滑り落ちた(当然、場内失笑)くらいしか記憶になかったりします。
最後はウラノが場外に蹴落とされて浪花と土方の一騎打ちになり、土方がフィッシャーマンズ・バスターで浪花を仕留めて終了。ウラノは内容に納得いかなかったのか、試合後マットを叩いて悔しがっていました。
<第2試合>宮本 VS Hi69(ヒロキ)
この試合もテーマ曲1つでまず宮本、次にHi69が入場。どっちのテーマ曲だったんでしょうか。
Hi69は衣装が派手だけどちょっと細すぎ。宮本は結構いい胸板してますね。将来はおそらくヘビーで行くんでしょう。
さて試合開始。宮本が徹底的にHi69の腕を痛めつけます。Hi69、ほとんど手が出ません。
その後も終始試合は宮本ペース。相手が正直格下とはいえ、宮本は態度からして全然新人らしくありません。Hi69をスリーパーに捕らえてぶんぶんスイングする宮本、余裕です。
Hi69もスワンダイブ式のムーンサルトでなんとか見せ場をつくり、その後場外に落ちた宮本にスライディングキックからスワンダイブ・プランチャを敢行しようとしますが、Hi69はロープに跳び乗ったもののバランスを崩してあたふた(笑)。何とか体勢を立て直して飛んだものの、そこには宮本はおらず膝から床に落ちて自爆。かっこ悪いぞ、Hi69。
一方の宮本は、飛行姿勢が非常に綺麗なボディプレス、カシンを意識したのか飛びつき腕ひしぎも披露し(さすがにカシンと比べると不恰好だが)、最後はローリングソバットからブリティッシュフォールで締め。ダメージの大きいHi69は自分で起き上がれず、セコンドに背負われて帰っていきました。
正直のところ、宮本も良かったけどそれ以上にHi69の不甲斐なさが目立った試合でした。しかしそれを差し引いても、宮本はキャリアを考えると頑張ってると思います。態度だけは既に新人離れしてますしね。
<第3試合>荒谷 VS 保坂
先に保坂がリングインして荒谷を待ちますが、WARに戻った荒谷はTシャツ姿でリングインするや、その格好のままでいきなり保坂に襲い掛かります。あわててゴングが鳴らされ、選手紹介のアナウンスがされる中、観客に向かって吼える荒谷。
2人とも体が大きいということで、試合内容はとにかく力と力のぶつかり合い。良く言えばパワーにものを言わせた、悪く言えば大味な展開になります。
保坂は荒谷の左膝(確か怪我してましたよね)を攻めて動きを止め、雪崩式フランケンシュタイナーからラリアット連発で勝負を賭けますが、フィニッシュを予告して繰り出した3発目は荒谷がカット。今度は荒谷がラリアットを連発し、最後はショートレンジのラリアットで保坂から3カウント。
プロレス関連の掲示板では評判の良くないことが多い荒谷ですが、今日に限って言えばそんなに悪くはなかったように思います。ただ今日はたまたまだったのかもしれませんが、見せた技数が少ないのが気になりますね。今日の組み立てがぶちかましにエルボーにラリアット、ほとんどこれだけ。じっくりレスリングで勝負されると苦しいかもしれません。
ここで休憩。NOAHに比べると時間が余裕があります。売店では今度は川田のサイン会があるというので、早速行くことに。Tシャツを買うとサインしてくれるというので、思わず買ってしまいました。『出陣』Tシャツを買うと、係の人が後ろにいる川田選手にTシャツを持っていき、サインしてもらってこちらに持ってきました。お値段2100円。黒地に黄色のデザインのシャツの中で、鼻と口の無い三頭身川田が青筋立てて三白眼で向こうを睨んでおります(笑)サインはその下に書かれていました。なおTシャツさえ買えば、シャツではなく色紙にサインでもOKだったようです。
休憩終了。ここから後半に入ります。
<第4試合>長井・本間 VS ウイリアムズ・ロトンド
最近目立った活躍がないとはいえ、一昨年最強タッグ優勝のバーシティがあろうことか休憩後の試合に。なかなか厳しい現状です。
しかし声援は結構多いんですね、ウイリアムズは。存在感はまだまだある選手です。
試合は本間とロトンドが先発。しかし自分の席の上のほう(つまり2階席)からはなぜか「スティープ〜!」の声が。こいつら試合中、終始こんな感じ。この後の試合も野次ばっか。やかましいわ。本人たちは楽しいんだろうけど、じっくり試合を見たい僕には邪魔でしかありません。
それはさておき、この試合で予想以上に良かったのが本間。デスマッチファイターのイメージが強い彼ですが、もう一皮剥ければ全日でも印象に残れるレスラーになれそうな気がします。今のところエルボーで試合を組み立て、ダイビングヘッドバットで見せ場を作るって感じのようですが、さらにこれ!という技がもう1つ欲しい。
長井は気迫の伝わる試合ぶりですね。しばらくバーシティに捕まっていた本間から、ようやくタッチを受けたときの気合の入りようといったら(笑)。こちらは左足から繰り出すミドルキックと、ジャンピングニーを中心に試合を組み立てていました。自分の見せ場がどこにあるのかよくわかっている選手だなと思います。もっともパートナーの川田に少しでも近づくためには、さらに幅の広さが求められると思いますが。
対してバーシティはパワーとコンビネーションで、チーム力は1枚も2枚も上。でもウイリアムズは顔面グーパンチと場外で机を持ち出した以外はあまり印象に残らなかったなあ。最後はロトンドがエアプレーン・スピン、そしてバックフリップ(公式ではブロックバスターになってました。多分公式の方が正しい(笑))で本間を仕留めました。試合後はエプロンサイドのウイリアムズに長井がエルボーかまして小競り合いになっていました。
<第5試合>ケア VS 田中
この位置でさりげなく組まれていますが、何気に好カードでは?実はこの日、一番注目していた試合です。
ちょっと残念だったのは、田中選手が入場する時に音響の不調で、テーマ曲がぶちぶち途切れていたこと。トラブルだから仕方ないけど、全日の場合NOAHと違って大層な演出があるわけでもないので、曲くらいはちゃんと流れないと選手が可哀想ですね。
試合はケアが田中の腕を、田中がケアの足をそれぞれ狙っていきます。ケアの蹴りと田中のエルボーを、お互いがそれぞれ意識しあった結果でしょう。ここではケアが田中の腕攻めに成功。中でも田中の右腕上腕あたりに放ったドロップキックが相当効いたようです。何度も腕を押さえる田中、かなり痛そうです。
それでも意地でエルボーを放ち、正面から攻めていく田中ですが、やはり威力が弱っているのか3カウントを奪うには至りません。終盤に左ミドルキック→右ローキックのコンビネーション(これ、何ていうんでしたっけ)を見せたりしたケアが、最後はハワイアンスマッシャーで決着をつけました。
これをリング下で見ていた長井、エプロンまで上がって今度はケアとひと悶着。武道館での対戦が楽しみです。ケアは田中とは今度は握手。田中は清清しいくらい真っ向ファイトな人ですね。この人もぜひ上に食い込んで欲しい。
<第6試合>天龍・嵐・平井 VS D・I・S1号・2号・ハインズ
さて、この日一番のハイライトが試合前に。
普通なら余所からレスラーが試合を見に来る場合、試合の合間に乱入もしくは黙って入ってくるケースが多いと思うのですが、今回は違いました。木原リングアナの紹介で、テーマ曲が鳴り響く中、小島聡堂々の入場!!観客半分以上は立ち上がり、大小島コールが起こる!
小島はリングインするや早速マイクで話し出します。以下、こんな感じで。
「2月24日、日本武道館で天龍選手と対戦することになりました、小島と申します!」
「天龍選手との対戦が決まってから、毎日のように夢の中に天龍選手が出てきます。
今日は天龍選手の試合が見たくて、ここにやってきました。
皆さんよろしくお願いします!」
ここで小島は一旦リングを降ります。
この後WARの面々が入場してくるわけですが、当然ここには大将の天龍が。何かの花束贈呈が終わった後に、小島再びリングイン。そしてマイク。
「天龍選手、俺の挑戦受けて下さい」
そして握手を求めるべく手を差し出す小島。
そこへすいっと出てきた天龍、
バチン!
小島にビンタ一閃。当然ながら目を剥いて天龍に突っかかる小島。止めるセコンド。
「オイ天龍!テメーこっちが下手に出りゃいい気になりやがって!」
マイクで叫ぶ小島。これで開戦準備完了といったところでしょうか。小島はセコンドに引きずられるようにしてリングを降りていきました。
で、この後ハインズとD・I・S(ダブル・アイアンシーク)が入場。しかしこのD・I・S、どっちが1号でどっちが2号か、遠目では見分けがつきません(笑)。せめてコールするときに、1号と2号は別にコールして欲しかった。「ダブルアイアンシーク、1号、2号〜!」って、一緒にコールされたらどっちがどっちかわからんやん(笑)。一方のハインズ、後楽園あたりでは物凄い人気らしいですが、ここではそうでもありません。まあ、客層が違いますからね。
試合自体は6人タッグということで結構めまぐるしく、細かいことは憶えていません。WARは試合を嵐と平井に任せたような感じで、天龍の出番は少なかったです。でも調子は結構良さそうでしたね。逆水平はいい音が鳴っていました。
対するD・I・Sは結構ごつい体をしてますが、攻めるときに比べて攻められたときのもろさがちょっと目に付いたような。タッグ屋らしくコンビネーションはいい感じなんですけどね。ハインズは実は結構ベテランなのに、動きは若々しいですね。ただ今日見た限りでは印象は今ひとつ。まるで腕立て伏せのような(笑)連続倒れこみヘッドバットと、二段蹴りくらいしか記憶にないです。しかも二段蹴りは一度空振りしてますし。
フィニッシュは平井のロックボトム。沈んだのはD・I・Sの2号のようです(笑)(だから、どっちが何号なのかわからないんだってば(笑))。ただ、ロックボトムって平井にはどうなんだろう?ヘビーの割りに体が小さく見える平井には、説得力のあるフィニッシュとして見せるという意味であまり似合わない技のような気がするんですが。スピードは結構あるので、それを生かした技を考えたほうが面白い気がします。
そういえば平井、「いっちゃうぞ、バカヤロー!」のダイビングエルボーもやってたな。小島を意識したんだろうなあ。
<第7試合(メイン)>川田・奥村 VS バートン・スティール
先にスティールがリングイン。赤毛の短髪になったスティール、遠目にはなんとなく、マグナムTOKYOがゴツくなったような感じに見えます(笑)。しかし本当に凄い体だな、スティールは。鋼(steel)の肉体とはこのことか。
その後を追ってバートン。最前列のお客さんと次々にハイタッチ。爽やかですな(笑)
続いて奥村、そして川田の入場。川田はさすがに一番人気。自分が買ったのと同じTシャツを着てました。
さて試合。川田とバートン、スティールの絡みはさすがに見ごたえがありました。見た目にも痛みが伝わるシバキ合い、わかりやすくていいですね。三冠戦という大一番を控えた川田は、調子は良さそうです。後ろ蹴りもすぱっと飛び出してましたしね。
欲を言えば川田の顔面蹴り、スティールのターボドロップ2が見たかったんですが、どっちも出ませんでした。残念。
唯一このペースについてこれなかったのが奥村。意気込みは伝わってくるんですがほとんどやられっぱなし。目に付いた技がラリアット(半分以上空振りしてましたが)とエクスプロイダーだけでは…。エクスプロイダーも比べたら可哀想なんですが、本家と比べると切れ味もいまいちだし。金山さんが別スレで奥村選手を取り上げてましたが、ちょっと今回だけではどんな選手かわかりませんでした。申し訳ない。
試合を決めたのはバートン。ゴールデンレフト2発からラストライドで、沈んだのは奥村。ラストライドは体育館の床の高さで見ていると、とてつもない落差で落ちますね。フィニッシュとしては十分過ぎるくらいの説得力がある技です。
実は今回初めて全日の試合を観戦したのですが、なかなか面白かったですね。途中の小島登場でうまいことテンションが続いたせいもありますが。
ただ、選手の出来の当たり外れがちょっと大きいかもしれない。KAIENTAI DOJOの2人(ヤス・ウラノ、Hi69)はキャリアが浅いので仕方ないですが、他はもっと頑張れって感じの選手もいました。
ともあれ、あとは武道館を待つのみ。楽しみであります。
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