2004年10月30日(土) 新日本プロレス
京都市体育館大会観戦記 |
観衆:4000人
一週間前にNOAH大阪行ったばかりで二週間連続プロレス。個人的に、新日本の地方興行はあまり外さない印象があります。ビッグマッチはちょっとリスク高すぎですが。NOAHオタの弟はうっちゃって新日ファンの相方と観戦。こいつも随分とプロレスに染まってきやがりました。
前週の神戸の余韻もあってかあまり当日券が売れてない様子。加えてこの日の京都は大雨で、券売所に行ったら二階席最前列がラクショーでゲットできました。複雑……。1:サムライVS安沢
なんかなあ〜安沢の位置が徐々に定着しつつあるんだけど。いつか真壁がぼろくそに貶してたように思いますが、仮にもヘビーなのにサムライさんが余りに余裕綽々で試合してるのが妙に気になりました。
適当に受け流したサムライがリバDDTからチキンウィングであっさりと。流してない?評価:2
2:中邑&田口VS柴田&後藤
この日、U−30タッグトーナメントなる企画物やってたんですよね。賞金は10万円!……町内会の福引かよ。
いやでもこれなかなか面白かったっすよ。試合時間の大半、田口が捕まってたようなもんですが、次食らったらやばいって時に中邑が絶妙にフォローしてて。そういう意味じゃ、一番目立たなかったのは後藤かな?
新三銃士の中で、子供さんの人気は中邑が担当してるみたい。野郎人気は勿論柴田、女性人気は棚橋ってのが今日の印象。
ちょっかい出しにきた田口に切れた柴田が、場外でぼこってる間に、中邑の足取りパワーボム→シャイニングトライアングル→裏十字の必勝パターンが決まってゴング。
関節技もかっこいいし、ラリアット一回転受身もできる中邑なんだけど、心の琴線をくすぐるにはもう一味欲しいなあ。評価:4
3:棚橋&石森VSウルフ&中嶋中嶋君、最近試合しすぎだと思うんですけど(笑)。全日本にも出てたし、こないだは大阪プロにも上がってたし。健介とセットで売ってるにしても、今は身体作りに専念した方がいいんじゃないの?
で、初めて見たのが石森。あーあれは確かに人気でそうな選手だわ。動き自体はぶっちゃけ、大阪見てりゃ特に驚きのないルチャなんだけど、なによりまずルックスがよろし。一番良かったのは受けっぷり。B・ウルフの鬼のような攻めを受けまくって、なおかつバミューダやる余力も残してる。ちょっと背が低すぎるかなあ。かなり頑張ってた中嶋君を、延髄からジャーマンで棚橋が仕留めて勝利したんですが、こいつが一番目立ってなかったと思う。まあ、この手の企画は格上が一歩退いてしかるべきですが。
B・ウルフも加えて四天王と呼んでも差し支えないかな?評価:3
4:飯塚&吉江&長尾VS矢野&後藤&ヒロ
この試合は完全に矢野のコミック劇場。矢野って一応レスリングじゃかなりの実績持ってるのになあ(笑)。飯塚弄って遊んでるのを見ると、こっちの道の方が性にあってるんじゃないかとさえ思う。ファミ悪が担ってるような、箸休めみたいな位置づけながらも、これはこれで結構研究してるような印象があるし。
傘振り回したり塩まいたり日本酒飲ませたり……怒った飯塚に追い回されたり。一通りのネタを披露した後、レフェリーに抗議してるところを飯塚スリーパー食らって光速タップ。
殺伐としてるのが新日本の味だけど、こういう選手を包含できるのも器量ってもの。なんか吉江さんもそこに入りそうな勢いなのが、見守る会お茶汲みの自分としては由々しき事態です。評価:3
>2今日は両国大会ですね。ちょっと最近プロレスで休日出勤回避し過ぎたので、流石に大阪ドームは見送りとなりそうです。
5:鈴木&井上&タイガーVS邪道&外道&竹村
鈴木みのるの扱いにちょっと困ってるのか? 位置づけはCTUにおされ気味の正規軍に強力な助っ人!ってところ。うちの相方、井上の魅力にメロメロです。まあ、最近の役回りは美味しいけど。
基本はタイガーのマスク剥ぎネタ。鈴木にびびりまくる邪道・外道が楽しい。やっぱり悪役は極悪非道を尽くし、思い切り惨めたらしくやられるのが美学ですよ。
攻められまくって最後は逆転勝ちの古典的な内容ながら、鈴木が良いアクセントになって最後まで飽きずに見ることができたような。
攻められまくったタイガーが誤爆からの後方回転エビ固めで外道をフォール。試合後、二人から求められた握手を拒否して、テーマ曲どおりまさに風のように去っていった鈴木。一応体重はジュニアなんだよなあ……ハイブリッドさんだし。評価:3
6:棚橋&石森VS中邑&田口
そう、一回戦から準決勝なんですよねえ(笑)。
とりあえず決勝なんですが、またまた石森が受けまくる展開。肩を負傷してるようだし、しょうがないことなんだけど。棚橋は前と同じく、良く言えば石森に任せる、悪く言えばあまり働かない様相なり。
棚橋VS中邑、石森VS田口が多くなるんですが、これって考えてみれば大阪ドームの前哨戦なんですね。入場の時にも盛んに宣伝してましたが。
終盤ほとんどカット屋に徹していた棚橋、石森の雪崩式フランケンを回転エビ固めに切って取った田口に、おもむろにシャイニングウィザード発射。固めてる最中だから顔面にもろ。えげつないことしやがります(笑)。ここから石森が得意のSSエルボーで駄目押しをかけて優勝。
あの技、生では初めて見ましたがまあ良く回る回る(笑)。棚橋曰く、賞金の十万円は受難の中越新潟の被災地に義援金として寄付するそうな。まあそれが一番妥当な使い道。レスラーなら一晩飲んだら消える程度の金額でもあるし。
神戸の1000万だってタイミングが遅ければ寄付すべきだったな。評価:4
7:天山VSライガー地元の星天山登場。
見てて思ったんですが、流石ライガーぐらいのキャリアがあると、ヒールだろうがベビーフェイスだろうが、客が何を求めているか完全に理解してるのが良く分かる。客を煽るのが上手い。ちょうどNOAHに出てた時みたいに客と喧嘩し出すし(笑)。
で、天山ですが。地元ということもあってやりやすかったんじゃないでしょうかね。最近G1覇者としては随分扱いが悪いように思いますが……相手が相手ですから「受けてから逆転」を十分に見せることができたのではと。
終盤、お約束のセコンド介入で「反則裁定」をちょっと危惧したんですが、掌底カウンターのチョークスラムからアナコンダバイスで危なげなく勝利。まあ、川田とやるんだし幾らなんでも躓いてはられない……そういうところで躓くのが天山なんだよね。
客と喧嘩するライガーの唾が永源並みに飛んでたのがいとおかし。ベテランながら、色んなものを吸収する姿は業界は違えど見習いたい部分ではあるな。評価:4
8:天龍&健介VS中西&ノートン
うちの彼女が一言。
「……なんかNOAHみたいで辛気臭い」
なるほどね。動きに乏しいプロレスではあるな、確かに。面子が面子だから、試合を律するキーワードは「逆水平」。これしかない。そりゃ今までの試合からすれば毛色の違う展開です。
噂の中西&ノートン組。未だに新日最強外人として君臨し続けるノートンって凄い。全日でいうハンセンみたいな地位になりつつあるか。中西はいつもの通りだなあ。ホー!で沸くのは地方だけだと分かっていれば良いんですが。
あとショックだったのは天龍! 前回の新日本が初めての天龍だったもので、個人的に幻想を抱いてたんですよね、滅茶苦茶。リビングレジェンドの一人ですから。テレビでは見る機会はあったんですが……今回、完全にその幻想を打ち砕かれた(苦笑)。ええまあ、確かに53歳にしては動いてるけど! ……動いてるけど。
天龍が延々と捕まり続けるも、最後はラリアット合戦を制した健介が〆。ノートンの巨体を見事にノーザンで担ぎ上げて勝利。
うん、最後だけは面白かったな。その前はグダグダだけど。評価:3
9:永田&金本VS蝶野&田中メイン。正規軍VSCTU第二段ですが、とりあえず永田さんもうちょっと動いてくれという試合でした。基本路線は攻める悪者、耐える金本。
どんなにストーリー上は険悪でも、やっぱり金本VS田中は手が合うと言うか。どっちがヒールでも最低限の仕事はやってのけてくれます。その点では安心。ヘビーの方の不利益は十分カバー……永田さん(笑)。
新日本でも、ヘビー級+ジュニアヘビー級の組み合わせが多くなってきたように思います。仕事をより分化してるというか。なかなか勝敗の読みづらい試合も増えてきたし。これは良い傾向だと思います。
試合は金本がファルコンアローからアンクルホールドで田中を捕獲。入ってきた蝶野を永田ナガタロックで封印。二人呼吸を合わせてグラウンドに移行するのは今日のハイライト。脱出不可能を悟った田中が、悔しがるかのようにでタップアウト。一応、やられっぱなしのCTUに一矢報いた形になるのかな。試合後はマイク合戦。蝶野も天山も永田も滑舌悪すぎ。もうちょっと、客に分かるように喋ってくれないと困ります(笑)。
「俺たちは! 戦って! 生き抜いて! このリングにいるんだ!」
でもマイクやるなら、ジュニスタメインの方が良かったな。評価:4
総評:NOAHはビッグマッチが毎回大当たりですが、新日本はこういう草の根活動になると強い……と、今までの経験では思います。名勝負は出さずとも、ある程度の好勝負は頻発する。それが新日の底力なんだろうな。
しかしなんであんなにビッグマッチは外そう、外そうとするのか。普段の試合を普段のまま見せてくれればいいものを。MVPもワーストも特になし。エキセントリックを売りにしている割に、地方では実に無難なのが興味深し。