2004年2月21日
SUPER J-CUP 4th STAGE 〜大阪ハリケーン2004〜 大阪城ホール大会観戦記 |
観衆:6800人
まずはいきなり雑感。良いように言えば期待通り。悪く言えば期待以上のものではなし。私的にはもっと甘く採点したいところですが、去年が去年だけに想像を越えたものを見せて当たり前だと思ってました。そういう意味では、ちょっとがっかりした部分もあります。
客入りに関しては、開始十五分前でスタンドにかなり空席が目立つ状態で、試合直前の伸びがない。同じ城ホールでプライド・WWEと怪物興行が行われた直後とは言え、去年より数段上のカードを使ってこの結果。これは主催者の営業不足がもろに影響しているように感じられました。発表も急でしたし、カードが年始までなかなか決まらないことを思えば、健闘した方かもしれませんが。そして試合について。去年より1.5倍の試合数で、去年と同じ時間に終わらせた進行はさすが。トーナメントも一回戦は巻きが入ったのか十分以内の短い試合でしたが、それでも選手の持ち味はちゃんと発揮させての結果ですから、内容自体に不満を持つ人は少ないんじゃないかと思います。
どうも大阪のビッグマッチとしては、四月頭の代々木大会が本格的なものになる見通しですが、だったら城ホールはもっと大阪色を排しても良かったんじゃないでしょうかね。
試合前のセレモニーには、デルに選挙で応援してもらった太田知事が開会宣言&挨拶。相撲協会にまたまた断られたらしいが、リングの上でもいまいち人気がなく、「俺はえもやんの方が好きや〜!!」なんて野次が飛ぶ。大阪が慈善事業に力を入れてることは知ってたが、今度試合に行ったら小銭を募金箱に入れても良いかな、なんて思わせる。1:丸藤VS葛西
オープニングマッチにはこれ以上望めない好カード。試合を見に行ってもこれを見逃した奴は確実に損してます。横で見てた相方がかなり葛西を気に入った様子。なんでこいつは、不細工ばかりに目が行くんだろうか。
序盤は葛西優勢、長椅子上への場外ダイブで動きを止めておいて、ぶち割れた机で丸藤の脳天を一撃。毎回涼しい顔で試合をする丸藤が、ハードコアな攻めを受けてるのもなんか新鮮に感じます。流血ご法度の大阪でなければ、或いは……なんて思っても見ましたが。
しかし葛西は良いですね。なにより客を乗せるのが上手い。攻められてる時間帯も一瞬のバックスライドであわやの場面を作るし、パールハーバーは終盤丸藤が掟破りをするぐらい、一見の客のハートをがっちり掴んでました。今はなんか0−1でも不遇のようですが、もう一度生で見たいと思わせる力を持ってますね。
ラストは、トラースキックから一度はかわされた不知火をばっちり決めた丸藤が、順当に準決勝進出。あの短い勝負タイムで、まあ楽しませてくれたものだ。評価:4
2:ゴアVSガルーダ今のところ一押しのゴアなんですが、今回は持ち味を完全に発揮するところまではいけなかったようだ。ガルーダも決して本調子とは言えないように見えたのですが、ちょっと技と技の繋ぎが雑だったんじゃないかなあ。終盤、怒涛のように畳み込む大技のラッシュがゴアの良いところなんですが。
ほぼ一方的に攻め込みつつも、ジャックハマーをファルコンアローで切り返されたのがけちのつけはじめ。スプラッシュ・シャイニングウィザードと得意技を連発するも、フィッシャーマンバスター、投げ捨てドラゴンからのウラカンラナでピンフォール。直前のドラゴンがかなりやばい角度で決まったのでもしやと思いましたが、本当に取られてしまいました。
ゴアの快進撃も、ちょっと足踏みを余儀なくされましたね。ガルーダに上がるリングがないなら、大阪のリングで借りを返して欲しいところ。評価:3
3:湯浅VS井上これ、開始前はあまり期待してないカードだったんですな。井上はしばらく見てなかったし、湯浅はあまり知らないし。でも、複雑な技を一切使わない気迫で勝負する試合は、華麗なジュニアからしたら良い意味で異質で、二転三転する好試合だったと思います。なにより、入場からダッシュするのが良いね(笑)。キャリアは他の選手より多いはずなのに……今大会、もっとも感情移入を感じさせる選手でした。
間接技・打撃主体のねちっこい試合にも関わらず、まったく飽きる場面がない。湯浅のスタンディングアキレス腱固め・リバーススコーピオンデスロック(?)もあわやを感じさせたし、時折放つノーザンやジャーマン等の大技(と言っても普通はそうは感じませんが)がほど良いアクセントに。
一撃必殺のトライアングルランサーが何時牙を剥くかが最大の焦点でしたが、井上がトライアングルのフォームから意表をつく卍固めに移行したフィニッシュシーンが最大の見せ場でしょうかね。
井上がベルトを巻く姿、僕は見てみたいです。評価:4
4:石狩VS村浜石狩にとってはずいぶんきついカードを組まれたものだ(笑)。空気の読めない(笑)村浜のこと、蹴って極めてブレンバスターの単調な試合でかたが付くかと思ってましたが、たとえ五分で終わったにせよ、そうはさせなかった時点でプロレス的には石狩の勝利かも知れません。
下手に色気を出さずに、自分の持ち技を全部相手にぶつけたのが良かったのかも知れない。全日本で、これを毎回できたら、若手だったら十分及第点だと思いますよ。
悪いのは村浜……K-1やってるんじゃないんだから、もうちょっと試合を作れよ(笑)。村浜の悪いところ、石狩のいいところが全部出た試合でしたね。評価:3
5:お船VSアップルみゆき今回の一番要らんかった試合。アップルみゆき、可愛いんだけど(実物はそうでもなかったが……)、女子プロやるんならせめて文子でも呼べなかったのか?
お船ちゃんのアピールも、知名度のない関西の地ではまったくもって不発。なんかつら〜い雰囲気。評価:1
6:石井・MEN’Sテイオー・MIKAMIVS金村・MA-G-MA・アステカ前の試合で冷め切った空気を一度に暖めた試合。なんせぶりブラの曲ととも会場はいきなり爆発寸前。踊るマグマも見てみたい気もしたんですが、結局は最後のマッスルポーズのみ。それでも断然絵になります。
MVPはMIKAMI・マグマですね、完全に。インディーで一番見たかった選手と、インディーで一番見て欲しかった選手の邂逅はどうやっても興奮するものです。MIKAMIがブーメランを見せれば、マグマはその場跳びムーンサルトで返す理想的な展開。選手層はインディーのみで構成されてましたが、その実力たるやメジャーにもまったく引けを取りません。てゆーか、石井ってあんなに良い動きしてたっけ?(笑)。
ラスト、MIKAMIが空中殺法三重奏からマグマのラリアット・ラストライドと絶体絶命の極地を味わったのですが、それをテイオーが救出して大逆転。アステカをミラクルエクスタシー、ラダーからのスワントーンボム、滞空式垂直落下ブレンバスターと必殺技の畳み込みで沈めてグランドフィナーレでした。ひょっとしたらこの競演、もう見れない?
試合後、石井とマグマが小競り合い、金村が仲裁する珍しい展開。今回、石井がかなり良かったので今後に期待が高まります。マグマVS元祖マグマの対決だ(笑)。評価:4
7:えべっさんVSくいしんぼう仮面ある意味今回一番期待はずれだった一戦。初めて見る人は楽しいだろうが、大阪フリークには既出のムーブが多くて物足りないと思う。新ネタ期待してたんだけどなあ。
しかも、時間が押してたのかえべっさん最大の見せ場である、試合後のマイクパフォーマンスがちょっとあっさりしすぎなのが残念。急に決まったにしては手堅くまとめた印象が強いが、もうちょっとなんとかならないものかなあ。
ここ一年のネタがタッグ戦限定ネタが多いのも痛い。できたら、7月頃に頻繁にやってたテリー・ファンク引退試合の物真似(ふぉ〜えば〜って泣くやつ)をやってほしかった。普段よりプオタの割合が大きいだろうし。
試合は閃光魔術から開運トルネードの黄金連携をしのぎきったくいしんぼう仮面が、まったく同じムーブを決めてフィニッシュ。評価:2
ここで休憩。過半をこなした時点なのに、まだ2時間しか経っていません(笑)。
閑話休題。
今回いまいちだった女子プロとくいえべ、これをやる位なら二つを合わせて、えべっさん得意のミクスドマッチにした方が良かったかも知れません。
お船ちゃんを出さざるを得ないのなら、ここは浜田文子にご登場願って。デルフィンとパイプがある浜田父も引っ張ってきましょうか。えべっさんのセクハラ攻撃も、現役最強の文子絡み、言わずとしれた親父絡みでバリエーションが増えます。
浜田に釣り合うベテラン、さらにコミックマッチもこなせる人材が難しいところですが、ここで我らが副社長を投入!7:百田・えべっさん・お船VS浜田親子・くいしんぼう仮面
どーです? 見たいと思いません?(笑)
今回、トーナメント出場選手の入場時には、オーロラビジョンにイメージ映像が流れてたんですが、これってなんかWWEとかプライドみたいでカッコいいんですよね。
例えば丸藤なんかは、最初のイントロ(ュイゴゥ!!ってやつ)が流れた後に、
天才
イケメン(文字にするとかっこ悪い言葉だなあ)
Mr.Perfect(お前はカート・ヘニングか!?)
NOAHのJr.は最強です
てな具合に、エヴァ調に文字が流れて、最後に「丸藤正道(プロレスリング・ノア)」って写真入でババーンと大写しになる。正面から本人の入場と合わせて見ると、凄く絵になる光景でドームあたりでこの演出ぱくって欲しくなります。8:丸藤VSガルーダ
で、その丸藤とMr.崖っぷちのガルーダです。ガルーダの方は、ようやく身体がほぐれて来た様で、序盤からかなり積極的に飛びに行きます。元来、スロースターターなのかも。
ベビーフェイス同士のクリーンな試合ながらも、ガルーダのこの一戦に賭ける思いが伝わってきて好印象。長身にも関わらず美しく飛べる良い選手なんですけどね〜今は時代が悪かったのかな。
この手の試合の焦点は「巧さ」に尽きるのですが、これはやはり丸藤が一枚上手か。技のキャッチボールをしているに見えて、最終的には常に丸藤優勢に終わったり。それでも食い下がるガルーダ、一回戦と同じくやばい角度のドラゴンからファイアーバードを狙うも、自爆。ここでも最終的に丸藤が勝つ流れ、おそらく不知火は完全にマークしてたのでしょうが……腕を取って丸められてフィニッシュ。
大会中の丸藤は、何が何でも不知火で決めようとしてた印象があるのですが、決め切れなかったのはガルーダだけですね。評価:3
9:井上VS村浜
予選ではベストバウト。個人的に敢闘賞は井上亘に進呈。井上に勝って欲しかったんですけどね……。
序盤いきなりハイキックからブレンバスターかます村浜、ただでさえ少ない技を……(苦笑)。このダメージが響いて序盤はさながらキックミットの如く蹴りまくられる井上。大阪主催なのに、村浜は完全にヒールと化してます。なんとか脱出しようとするも、その度に鋭いソバットで動きを止められて防戦一方。
ここで余裕を見せた村浜が掟破りの卍固め! この技でだけは、負けるわけにはいかないのです! 井上の目が再び光を取り戻し、強引にデスバレーボムで叩きつける! あ〜こういう展開最高だなあ(笑)。
こないだGHCタッグに挑戦した時は完全にヒールの役回りでしたし、なんか迷走してる時期もあった彼にたいした注視はしてなかったわけですが、改めて見ると少ない技でも試合の組み立ては工夫してるし、打撃にも感情と言うか悲壮感こもってるし、なによりガッツ。ちょっとのきっかけで一番化ける可能性があるのでは?
ジャーマン・延髄斬りで追い込んでおいて、必殺のトライアングルランサーで勝負に出ますが、村浜も粘る粘る。ギブアップは無理と判断するや、トライアングルの体勢のまま回転! ローリングクレイドル式なんて聞いてないんですが!(笑)。
これをロープに逃げられ、万事休すと思われた井上に村浜が猛ラッシュ。蹴りと掌打をガードもへったくれもなく高速で回転させるんですが、大阪でもタイトルマッチにしかやらないんですよね。……これをガードを開いて、ノーガードで正面からエルボーを打ち込む井上。打撃のスペシャリストに正面から打ち合いを挑むなんて、まあ馬鹿な戦法には違いない。でも文句なしにカッコいいね。
ガクッと腰が落ちたところに、後頭部に強烈なハイキック。動きが止まったところを捕まえられてとどめのブレンバスター。最後こそ村浜の必勝パターンでしたが、客を沸かせたの間違いなく井上。改めて新日本Jr.の底力を感じた一戦でした。評価:5
10:BKキッド・タイガースマスクVS TAKAみちのく・獅龍
大阪のピープルズチャンプ、THE虎ビリーが伝説の海援隊に如何に挑むか……なんて言ったって、それこそTAKAと獅龍の仲間割れに期待するしかないんですが。
スキットはTAKAが「大阪のベルトは高価そうだから売り払ってやる!」かなんかそんなの。「一万円で売ってくれ〜」なんて野次が飛んでましたが、TAKAが即興でオークションやり出してなんか良い空気。この辺の機転の利かせ方はやはり流石。
さて試合なんですが、やっぱり終始挑戦者が押してました。まあ、仮にも全日本ヒール軍総帥&現世界タッグ王者ですからね。実力・格全てにおいて差がありすぎ。ビリー・タイガースにとっては滅多にない機会ですし、なにかひとつでも吸収して貰わねば困る。ビリケンドライバーやタイガーススープレックスもなんなく返され、延々と王者組の受難が続きます。
結果的には、誤爆からの仲間割れを受けて、ビリーの強引なラ・エスパルダ……をジャストフェイスロックで切り返されたところをさらに切り返しで王者防衛だったんですが、なんかな〜確かに凡戦ではなかったんですが、「お前らもっと出切るだろ」って思いのほうが強かった。いつもならもうあと二、三回は形勢逆転があるんですけどねえ。
まあ、まだこのチームは若いし。他団体相手の防衛戦はこれからも必定(と言うより、もう挑戦するチームがない)なので、そこに期待ですね。評価:4
11:ライガー・人生・デルフィンVSヒート・KENTA・CIMAネット上ではこれがベストバウトでMVPはCIMAなんて意見が多い。まあ、そう言いたくなる気持ちもわかります。他の五人全部食ってましたから。
入場前からCIMAとKENTAに対する声援が多い。闘龍門嫌いな相方はこの辺で早くも機嫌が悪くなります。入場時、ヒートとKENTAはそれぞれ自分が保持するベルトを携えてきたので、「こりゃ手ぶらのCIMAはちょっと目立ちづらいかな」なんて思ってたら、これが俺のベルトだとばかりに、思い切り溜めたクレイジーファッキン!! この瞬間、会場がCIMAの掌の上に乗ったのを実感。
ベテラン組は怒りの獣神で入場。こちらはミュージックスタートから大歓声。金村にも同じことが言えるんですが、入場だけで金がとれる選手って、こういうのを言うんでしょうね。俺なら500円まで出すよ。
試合でも若者組はCIMAが仕切る形になります。最初から最後まで動きっぱなし。J-CUPは祭りであり、目立ったもの勝ちってことを実は一番理解してるように見えます。KENTAもヒートも、あれには勝てないよな。
ベテラン組は試合の急所を人生が締める布陣。この日の人生は若者に乗せられたのか獅子奮迅の活躍を見せ、拝み渡りは二人まとめてやるわ、チョークスラムも二人まとめて投げ捨てるわ。念仏パワーボム、極楽固め、念仏ショルダーアタック……持ち技の大半を注ぎ込んで大暴れ。やっぱり、みちのく有明大会に出場したデルフィンに感謝の意を表してるのかな、って思うと明王も菩薩に見えてきます(笑)。
CIMAと人生が試合を作り、ライガー・デルフィン・KENTAが華を添える。ヒートは……あんまり目立ってなかったなあ。デルフィンのスイングDDT狙いを振り払ってヴィーナスを叩き込むCIMA、続くアイコノクラズムを張り手で迎撃してスイングDDTを決めるデルフィン。こんな攻防見たことないってなもんですよ。
流れの切れ間を見計らったKENTAのブサイクへの膝蹴りでデルフィンの動きが止まると、トラースキックからのシュバインがパーフェクトに炸裂。CIMAが公言通り、デルフィンの首をかっ切った結果でしたが、これぞお祭りと呼ぶに相応しい好試合でした。
もうこの面子じゃ見れないだろうな。評価:5
12:丸藤VS村浜で、決勝戦。セミの盛り上がりを引き継ぐか、それとも比較されてメインはいまいちと思われるか。それだけが心配(笑)。ま、どっちが勝っても何か言われるんだから、良い試合にさえなってくれれば。
村浜はタックルからテイクダウンを狙う総合仕様。丸藤もアマレスの実績あるから、まるっきり対応できないわけではないでしょうが、ここはやはり村浜優位。と思ってたら、五分過ぎの三角締めで丸藤が落ちてしまい、かなり厳しい展開になります。
松井もかなりの動揺が見て取れることから、ここでダウンカウントなりフォールなりされてたら、ひょっとしたら過去最悪の結末になってたかもしれません(笑)。場外にエスケープした丸藤を追う村浜、鉄柱に寄りかかる丸藤めがけてハイキックを放って誤爆。う〜ん、なんだかなあ。
下手すればこれ、村浜の足をひたすら攻め続ける単調な展開になる恐れがあったんですが、丸藤で良かった。攻めの多彩さでは他の追随を許さない彼のこと、足攻めひとつとっても様々な方法で工夫して、観客を見せてくれます。鉄柱に絡めた四の字固め然り、スワンダイブでの低空ドロップキック然り。足に照準を絞るかと思えば、元祖佐山より切れる(笑)バク宙キックを決めてみせたり。
対する村浜は蹴りしかないわけですから、狙われてても蹴るしかないわけで。これで両者一進一退の攻防に持ち込まれますが、明らかに丸藤の功績ですね。
飛び技をキックで打ち落とす村浜、その蹴り足を掴んでドラゴンスクリューで投げ捨てる丸藤。ほとんど両者消耗戦の様相を呈してきます。村浜には決め手が少ないから、ビッグマッチ専用技を数多く持つ丸藤の方が明らかに有利なのですけど。
トラースキックから不知火を狙うところをハイキックで狙い打ち、先にブレンバスターを決めた村浜。カウント2で返した隙を突いき、丸藤は電光石火の不知火。フォールに行く前に跳ね起きた村浜のブレンバスター! お互いのフィニッシュを交換しても勝負は決せず。
ほとんど決め手を欠いた感のある村浜が不用意にバックをとったところ、丸藤はそのまま首をロックしてコーナーを駆け上がる。完全に決まったかと思われましたが、これもカウント2。松井レフェリーが一番驚く(笑)。
この先はそれこそ、「修羅場の差」ってやつでしょう。プロレスの大舞台の経験は丸藤の方が遥かに上です。ありていに言えば引出しの多さ。村浜は良い選手ではあるが、技が尽きるのが余りにも早すぎる。総合ならともかく、プロレスのリングにおいて、これでは観客を魅了することは出来ません。
コーナーTOコーナーで決定的なダメージを与えておいてフィニッシュ。最後に見たのはいつのことかな雪崩式不知火。
これを仮に返されても、丸藤にはシューティングスタープレス、果ては雪崩式裏不知火などの奥の手があったことを思えば、今回の結果は果てしなく妥当と言うことでしょう。村浜も自戒している通り、今のままでは勝ちは許されないと思う。雪辱の機会はぜひNOAHのリングでどうぞ。評価:5
ということで丸藤が優勝です……知ってましたかそうですか。
ど〜でも良いけど、あの優勝者ジャンパー、趣味悪いねえ(笑)。いまどき金色ですってよ。しかもラメ入り。500万円の賞金を見たえべっさんが、丸藤を胴上げに誘う。落とされるのはお約束。怒る丸藤がえべっさんを捕まえて無理やり胴上げ。今度はえべっさんが落とされるのもお約束。痛がるえべっさんをCIMAが「だから止めとけって言ったのに」と言わんばかりの表情で肩を貸す……なんかジャッキー・チェン映画のNG集を見てるようだわ。キャストが豪華すぎるけど。
表彰式、丸藤が喋る時に「あの台詞言って〜!」って叫んでたノアオタらしき方がいたんですが、丸藤は普通にシカト。まあ、それが妥当ですね。
今この大会で優勝してあの台詞を言ったとしても、説得力に欠ける気がします。なんだかんだ言って、今大会の面子が厳しかったのは事実。まだ倒してない選手は沢山いますし、まだNOAHジュニアには成長の余地がある。あり過ぎるくらい。
あの台詞を言ってもらうのは最低でもGHCをライガーから引っぺがしてから。その時こそ胸を張って言ってもらいましょう。
「NOAHのJr.は最強です」って。文責:天笠