2003年11月1日 大阪プロレス
デルフィンアリーナ大会観戦記

投稿者:天笠さん

観衆:345人


 

 でもって二回戦も見てきました。メインとセミの村濱VSタイガース・マグマVSゴアがちょっと見たかったんで。
 今日は頑張って早起きして、10:03に整理券貰いに行ったのに88番。300人も入れば御礼が出るデルアリ。なんかやたら出足早い。
 しょうがないので日本橋の漫画喫茶行って、コーラがぶ飲みしながらワンピース一巻から読破。そして泣きそうになってる25歳男の自分。今ならアレについて熱く語れそう。エネルもどうやら今週で死んだみたいだし。

 で、デルアリ入ったらあんたスシヅメですよ。高濃度のCO2で早くもKO寸前、家族連れはまだしも、女性二人連れがやたら多いのはいったい何事ですか? プロレス会場ってのはもっと殺伐としてるべきなんですよ。
 試合前、えべっさんが選挙について一席打つ。大阪の投票率がワースト1らしい。選管から頼まれたか? とりあえずタバコ吸ってると、試合時間が間近に。

 試合前のお約束(携帯の電源切れ・ビデオ撮るな・場外の時はとっとと逃げろ)のあとはいつも通りリバティとプロレス教室のCM。たまには違うのも流そうぜ(笑)
 今日はバファローが傷心の為欠場とかで、新人的場の試合は無し。ある意味、コンスタントに盛り上がりを取れるだけにちょっと残念だったり。

1:カルトVS福田

 ゴング前に福田が奇襲という、珍しいが目新しくない展開でスタート。まあ、GEN戦はいつもの彼にしては頑張ったので、今日もちょっとは期待したのですが、今日は悪い方の日でしたな。頑張ってるし、ルックスも良いし(マジで)、女性ファンも多いんだけど、試合内容にむらがあったらエースにはなれないよん。
 せめてトーナメントで不発だった新必殺技でも見せてくれるとか、カルトに奥の手を出させるとしてくれたら見方も変わったんですが。パワーボムから逆エビ→逆片エビであっけなくギブアップ。そんな負け方が許されるのは的場だけだぜユタカ君。
評価:1

2:Gamma・えべ・アステカVSデルフィン軍団

 今日のお笑い担当。くいしんぼうのコールの時、前のボンが鳴らしたクラッカーが、隣の坊主の顔面を直撃。怒り狂ったママさんの説教をBGMに、非常に気まずい空気で試合開始。
 内容的にはまあまあ。新ネタもなく、いつものネタをコテコテにやるのは新喜劇の如く。アドリブで間をコントロールしてるのはいつもえべっさんなんで、彼抜きの試合はちょっと考えられないのが難点。えべっさんって実はまだ26歳なので、普通にやったらあと10年は一線でやれるんだが。
 で、ペロは相変わらず。中の人は満足なのか? それとも中途半端に人気が出ちゃったので止められないのか? そんな彼に常連から声援が飛ぶ。
「ペロ〜頑張るワ〜ン」「頑張るワ〜ン」「頑張るワ〜ン!!」
 喧しいわ! ついでのそのマイ応援もやめてくれ(笑)。
 なんやかんややったあと、くいしんぼうがパワーボムの態勢で首かっきり(約一分)やってる間に、えべっさんが閃光魔術をオチに選択して終わり。
 試合後のショートコントは先々週から引っ張ってた2日のガンマ@デルコスチューム着用問題。ま、人生よろしく土下座でもするんだろうなあと思ってたら、本当にやりやがった(爆)。みちプロファンがみたら卒倒しかねないやばいネタですが、場内大爆笑。これって、やっぱり選手間でもデルフィンを諸手をあげて……ってわけじゃないことの証明ですかね。もしくは、総帥精一杯の嫌味だったりして。
評価:3

3:ビリーVSGENTARO

 本日のベストバウト。
 試合前、ビリーのコメント「大阪のリングなんで、GENTAROは自分が止めて見せる!」とのこと。
 で、そのGENなんですが前回よりもファンが増えてる。まあ、ワイルドな風貌だしショーマンシップも心得てるし技も荒削りのようでいて意外に細かいので当然かもしれませんが、ゴング前の挙動はどう見ても怪しい。わかったらちょっとは落ち着け。
 試合の方は両者足首狙いながらも飛んだり跳ねたり切り返したり。ビリーの断崖フランケンは驚いたが、その後のGENのノータッチトペはもっと驚いた。あんた飛びすぎ。
 ビリケンドライバーで勝負を賭けたビリーですが、GENの大技連発にちょっと青色吐息。スワン式のフロッグスプラッシュとダイビングエルボーを挟んでスイートチンミュージック、更には奥の手シューティングスター。まさかこの会場でこれが見れるとは! 自爆したけど!
 結局これで流れが傾いたか、二発目のスイートチンミュージックをかわしたビリーが、蝙蝠吊落しからファイアーバードの必殺パターンを決めて勝利。いや〜ビリーって誰とやろうが高確率で満足させてくれるから良いね。

 書き忘れましたが、試合後はノーサイドで抱擁。ん〜GENの高感度アップ。これからちょっと注意して見ておくか。
評価:4

4:ツバサVSミラクルマン

 最近ツバサが飛ばないんですが、飛ばないツバサはJAROに訴えられてもしかるべきだと思うんですが。
 しかし二人とも会場人気が高い。ミラクルはまあ、一部熱烈なファンがいるようですが、ツバサは特に若い女性に大人気。そんなツバサがインタビュー。「ミラクル、お前も通過点だ!」 そんな悪役めいた台詞で優勝した人は皆無……(笑)。
 ぶっちゃけた話、試合の面白さについてはあまり期待してなかったんですが期待通りという。お互い正規軍で話題的には退いた立場、序盤はオーソドックスにグラウンドをたっぷりこってりという、初心者やお子様には辛い時間が続きます。
 かと思ってたら、中盤にツバサが唯一の飛び技ラ・ケプラーダ。その際、しこたま膝を床に打ったらしくて動きが止まります。一回戦の浜田戦と言い、ミラクルマンの奇跡がこういうのを指すのはちょっと洒落にならん。何かの呪いですか、これは? その上、ツバサの見せ場のウラカンラナ連発が使えなくなったのは、試合の完成度で言えば非常に痛いです。
 こうなると展開は一辺倒。膝攻めを繰り返してから大技連発。飛竜原爆固め、みちドラ二連発は良いとしても、エクスプロイダー、リストクラッチエクスプロイダーまで出して勝てないのは、NOAHオタに喧嘩売ってるとしか思えないのですが(笑)。
 とどめのミラクルツイスターもカウント2。ここからツバサが残り少ない技を一気に注ぎ込みます。ジャーマンからファルコンアローを二連発、そして得意の変形飛竜裸締め、そこからストレッチプラムよろしく捻る! 逃げられたらすかさずクロスアームジャーマン。これを凌がれたらすぐさまブレンバスターと見せかけて後転、よくわからん態勢で丸め込んでカウント3。
 まあ、一番冷めて見てた試合なんですが、それを差っ引いても出来はいまいち。あれだけ攻めてたミラクルマンなのに、本気でツバサがやばいと思った場面が一度もないし。ミラクルとが飛んじゃうと別の意味でやばいって思っちゃうし。場外なら特に。
評価:2

5:マグマVSゴア

 試合前はもうお決まり「大阪で一番強いのは俺やぞ!」(マグマ談)、もう確実に五回は聞いた台詞ですがまだ言いやがりますか(笑)。もうマグマのテーマが「ジャイアンのテーマ」(劇場版)にしか聞こえません。
 まあ、個人的に注目してた試合でもあるので、翌日に所用(IN有明)を控えたゴアがどれだけ頑張るかと思ってたんですが……予想以上に頑張った。ビリーと同じく、外れの確率が低いのは評価できますな。
 まあ、この手の試合というかインディーのヒール絡みの試合は、全客席満遍なく場外乱闘してくれて、公平に逃げ回る機会をくれるもんですが、その間に先にマグマに椅子を掴ませた点で、観客論的にはゴアの圧勝ってやつでしょ。
 リング上でも感情むき出し、二人とも雄たけび上げて攻めまくる暑苦しい展開、当然会場は盛り上がる。前の試合に欠けてたのはこれよ。で、まあ敵わないまでも良いところまで攻めてるし。ちょっとKO寸前でも立ち上がるし。
 スーパーフライとスープレックス連発食らってもなす術なしという印象はなく、得意のスプラッシュや閃光魔術で反撃、そして多分初公開の東郷ばりのダイビングセントーン。欲を言えばあと二〜三回丸め込んで、しぶとさをアピールしてくれたら文句なしに5をつけたんですが、それは次回に期待ということで。
 全部受け切られた上で、「アホか!」のラリアット一閃。で「お前ら、L.Rや!」 ハロー僕はここへいるよ〜♪ではなく。後ろの姉ちゃんが「死んだー!!」と叫んだラストライドでピン。

6:村濱VSタイガース

 まあ、後付で言うんじゃないんですが、結構悪い予感はしてたんですよ。村濱K−1に出るし。ここでタイガースが勝った方がプロレス的には面白いし。最近タイガース、強烈なプッシュ受けてるし。今のところ極端な番狂わせないし。あら、リング外のことばっかだわ。でも、確率的にはいいとこ1割あるかないかかと。
 試合始まる前の映像、ここでタイガース「村濱もNOAHや新日本のスタイルを取り入れてるようですけど、僕も新日本や全日本で勉強させてもらった結果、やっぱりこのスタイルに愛着と誇りを感じました。村濱は大阪のスタイルで倒します」 タイガース、チャンプ呼び捨て。つか、村濱のどこにNOAHのスタイルが……?
 それ以上に、今日に限れば試合前の映像で喋った人間は全員白星。喋ったから勝ったのか、勝つから喋ったのかはアレとして、これで俄然村濱陥落の可能性が高く(笑)。

で、試合開始。村濱、先週まで伸ばしてた顎鬚をそり落としてます。どうやら不評だったようで。序盤戦、いつも通り蹴りまくり極めまくりの展開。面白いように膝を取る村濱、極められてはロープに逃げるタイガース。自力の差は歴然。
 飛び技でちょこちょこ返すものの、試合時間の大半は村濱の時間で進んでいきます。前にも思ったんですが、村濱は格下を光らすなんて微塵も思ってない様子。受けてやるけど、あとは知らないよってなもんです。ちょっと川田の匂いが。
 ドロップキックやトペでの反撃。対する村濱は余裕。ニールキック一発で試合をひっくり返してバックドロップ連発、そしてジャーマン。この辺がNOAHか? なんとか足を取ってドラスクを狙うも、身体が浮いたときにカウンターで延髄を当てられる有様。なかなか思うように攻められないながらも、食い下がるタイガース。
 ミサイルキックから高角度の裏投げ、そして「うわ〜〜〜!!」と悲鳴だか気合だかわからん叫びでバックを取って、猛虎原爆。頑張るんですが、フォールにはまだ早い時間、落ち着いた村濱はブレンバスター、これはなんとか首固めで返すも……次のハイキックからのブレンバスターが村濱の勝ちパターン。タイガースはこの油断を狙っていたのか、ハイキックにカウンターで合わせた電光石火のスクールボーイ!
 場内、いつもならあっさりクリアされるはずの展開だっただけに、カウント3が叩かれたあとの爆発はマジで鼓膜に響きました。僕はまあ、心の準備がある程度できてたわけですが、それでも本当に勝つとは思っておらず。
 まさかまさかの黒星に呆然とした村濱、それ以上に呆然としているタイガース。勝ち名乗りのあと、マイクを握って第一声。
「え……あの……勝ったんすか? あの、天王山ですよね?」
 まあ、あまりにもタイガースらしいっちゃらしいマイク。しばらく回りを見回し、村濱の退場を見送ってからようやく実感がわいてきたようで。セコンドの福田と思い切りハイタッチ。
「師匠のあとを継ぐのは……このおタイガースさんや!」
 その声が涙声なのが丸わかりのマイクで締め、本日はお開き。
評価:4(ご祝儀)

総評

 満足度で言ったら普通。メインの番狂わせ、セミと3試合の出来に限って言えばなかなか。来週の決勝のチケットとってるので、王道BBS初のトーナメント全網羅がやれるかな(笑)。巡業してる団体なら絶対出来ない、これは地方唯一の利点かね。
 試合内容と外れ防止率はそこそこの域に達してるので、あとはこれを持続していけば良い。でもってミラクルと福田君をとっとと愚連隊に入れましょう。悪行三昧やって、一部熱烈なファンの度肝を抜いてください。