2003年7月6日 大阪プロレス
マザーホール大会観戦記 |
観衆:???人
さて、パソコンがない間書き溜めていた観戦記でありますが。前回の全日本とあわせると実に三週連続プロレス観戦を続ける、ある意味学生時代よりプオタになっている自分。社会人の経済力とは恐ろしいもので。ガイア、大阪、全日本とNOAHが入ってないのにノアオタを名乗るもおこがましいのですが(苦笑)、平日にビッグマッチをやるNOAHが悪いのは日を見るより明らか。私の責にあらず(開き直り)。
以前の大阪観戦の際、「デートに向く」と断言したもので実践に移すことに。マザーホールは相変わらずのご盛況。整理券当日券目当てに長蛇の列。プロレス観戦のデートコースは実は二度目。前回の結果を踏まえて(教訓その一:NOAHは初心者にはお勧めできない)なるべく当たり障りのない団体をと。第一試合 ミラクルマンVSペロ
「ちゃうねんちゃうねん。こいつ口の中に口あるねん(笑)」(チンロックをかけられて苦痛にゆがむペロの顔を見てのミラクルマンの一言)正統派テクニシャンVS色物の対決。両者ハリセンを携えて入場。大阪(それもなんば)でハリセンと来ればある程度予想はつくのですが、やっぱりやってくれました。ロープに振って大阪名物ハリセンチョップと。
しかしミラクルマンはいいですね。跳んで固めて投げて、ちゃんと最後はドライバーで沈めるジュニアの王道をそつなくこなす。でもどうしても印象が地味なのは、勿論周囲にやたら濃いキャラが揃っているのが第一なんですが。ストーリーラインに絡まずに前座や六人タッグを淡々と続けるには惜しい人材。いっそ手薄な悪党に入ってもいいんではないかい?
ペロは微妙の極み。世の中にレスラーは数あれど、彼ほど微妙なキャラクターはないのではないだろうか。佇まい、ムーブから入場曲(あれはちゃんと高井が歌っているのだろうか?)やナゾナゾまで。ま〜お子様や女性人気は高いんだけど、それでもいつか犬の仮面を脱ぎ捨てた男が、鋭い牙を向いて野生のチャレンジャーとなる姿を待望してしまう。
最終的にはペロのコスチュームを顔面にかぶせて締め上げるという荒業でヒーローの勝利。ミラクルストレッチ69号というらしいが、あれってペロにしか使えないよね。
評価:2(ということで評価も微妙)第二試合 デルフィンVSくいしん坊仮面VSトルトゥガー
「たまには真面目にプロレスやりましょうよ!(怒)」(といいつつゲッツ!)人数が奇数になってしまったときの強い味方。トリプルスレッドマッチ登場。ドラゴンジムなんかじゃ結構頻繁に行われていますが、もっとメジャー団体も取り入れていいと思うんですけどね。前にNOAHで丸藤VS金丸VSスコピでやったことありましたが、KENTA負傷というアクシデントが理由とはいえ、非常に楽しかった記憶があります。
で、この三人の中で一番光っていたのはやっぱり亀か。線が細いのは否めませんが、見るたびにそれなりに客を満足させるのは良いんじゃないかと。プロレスもコメディも体当たりで挑むのは好感が持てます。まあ、この面子でコメディやってもこてこての新喜劇風のプロレスになるのはご愛嬌か。安心とマンネリは紙一重。この水準の信頼感を保ちつつ、そこから一歩踏み出すことが、現在の課題かなと思います。これはデルフィンとくいしん坊仮面も含めてですけど。
・・・と思っていたら、コーナーに振ったデルフィンに向かって串刺し狙いのくいしん坊を、亀が絶妙のタイミングでカニバサミ。倒れた先はデルフィンの急所。串刺し式の急所ヘッドバットなんて初めて見たぞ(笑)。すかさず亀が首固めで丸め込んでカウント・・・・・・3!? ここでサプライズを持ってくるとは(笑)。
記憶にある限りでは亀は初勝利じゃないだろうかね。
評価:3(まあ、そろそろ新ネタを見せてもらいたい気もするけど)ここでワンナイトトーナメントのセレモニー。さっき醜態を演じたデルフィンが一転、社長&前王者らしく厳粛な雰囲気を醸す。
第三試合 ツバサVSガンマ
「肩痛いけどサインするよ〜」(試合後売店にて。怪我人でも営業に借り出す大阪恐るべし)で、準決勝。本来の実力なら五分かガンマが多少有利なれど、そのガンマは直前に負傷した肩をサポーターでがちがちに固めています。当然勝機は速攻しかないとばかりに、開始早々からラリアット、パワーボム、ダイビングヘッドバットと得意技を惜しみなく繰り出す展開。
ガンマも良い選手なのは間違いないんですが、いかんせん怪我が多いのが問題ですなあ。ただ、トーナメント予選が始まってからはフラックス時代のギラギラした部分が時折顔を出すのは良い傾向。ポジション的にはベビーフェイスながらも、どこかに悪の部分を窺わせる珍しいキャラになっています。強引にひき起すツバサに唾を吐きかけるピカレスクな魅力もまた彼の味でしょう。
延髄斬り、ジャーマン、意外に綺麗なバックドロップ。普段はあまりやらないドラゴンスープレックスも見せたんですが、ツバサの徹底した右肩狙いにどうしてもブリッツェンまではいけず。ウラカンラナの連発からフェイスロック→チキンウィングフェイスロック→WARスペシャル→変形のドラゴンスリーパーで完全に捕獲されて万事休す。ラストのフェイスロック多段活用(古館的表現)は圧巻でした。ただ持ち味を出し切ってではないだけにガンマにとっては悔いの残る結果ではなかったでしょうか。
評価:3(まだまだあんなものじゃない)第四試合 村濱VSマグマ
「来いやアホが!!」(村濱の蹴りに耐えてのマグマ。リクエストどおりものすごい上段回し蹴りを入れる村浜もすごいわ)前回の城ホールで社長直々にエースに指名された村濱。その城ホールでパワーを完封されたマグマ。期待にたがわず、本日のベストバウト。
マグマがゴング開始前に
「アホか!!」
のきめ台詞とともに奇襲をかけるかと思いきや、序盤はじっくりとグランドを挑んでいく意外さもさることながら、そのグランドテクニックでも十分に客のどよめきを誘うことができるという罠。素人目で見ても、二人とも相当ハイレベルのテクニックを駆使しているのが容易に見てとれます。シュート出身の村濱はともかく、マグマがトップとして長く君臨しているのは決してラフとパワーだけではないなによりの証拠。村濱はしょっちゅう他団体に参戦してますが、マグマは怪獣Zマンドラ時代からは意図的に大阪に集中しているようで。ライガーVSマグマや菊池VSマグマなんか絶対刺激的だと思うんですけどね。
そうこうするうちに勝負はスタンドに。ドロップキックやトペコン等の軽めの飛び技が出る当たりから徐々に体格の差が如実に。村濱の攻めている時間の方が圧倒的に多いのに、印象としてはじりじりとマグマに追い詰められているかのよう。得意のブレンバスター三連発も、ダブルリストロック→腕十字も、ピンフォールまでは至らず。不用意に飛び込んだ村濱を超高速のジャーマンで捕獲。だからあの巨体で爪先立ちするなって(笑)。ラストライドはなんとか70%の落差でクリアしたものの、この二発で今までのやられタイム全てをチャラにできる説得力あり。
まあ、椅子攻撃やマスク剥ぎなんかの悪いこともするんですが、マグマというキャラクターの本質はやっぱり「強すぎて反則」なんでしょうねえ。ショルダースルー一発でも迫力が違う。WWEならレズナー、全日本なら鶴田、ハンセン、ブロディあたり。闘竜門ならSUWAあたりか? だからこそ、善玉への感情移入度、勝ったときのカタルシスは強烈なものに。
村濱はニールキック、ソバットで苦境を凌いでからおもむろに攻勢に転じます。大阪初登場時を思わせる高速の打撃のラッシュは、「ああ、彼も今は童顔のいい人なんだけど、昔はああいう逝っちゃったキャラだったなあ」としんみり。形容するなら他団体相手の金本。流血させられたときの小橋。後は・・・・・・切れたときの村上とか。あまりいい形容詞が浮かばない(苦笑)。ミドルキック連発、張り手、ハイキック、膝を突いたところにさらに頭部に蹴り、張り手、さらに蹴り。あかん、切れてるわと言いつつ観客は大喜び。父さん、やっぱり大阪の人間は柄が悪いわけで(北の国から風)
ダウンさせたマグマに加賀百万石アッパーを狙い、逆にラリアットで一回転させられて万事休す。かとおもったらカウント2。やっぱりエースはここから逆転しないとね。とは言え、返されたら速攻でスーパーフライを狙うマグマは余りにも身も蓋もなくありませんか。これではほとんど決まらないけど、次こそMAXのラストライドが来るって、観客の9割は判ってますからほとんど絶望的な声援が飛びます。飛ばれる前に跳ね起きた村濱は雪崩式の体勢へ。
なかなか投げられずに苦労したものの、最後はトップロープに足を掛けての超高速ブレンバスターで見事に逆転勝利。奇しくも相棒のライガー、NOAHで当たる金丸の最後の奥の手でした。ぶっちゃけ、あまり目新しい技ではないけど、村濱のブレンバスターは「ど正調なのに超高速」というわけの判らん代物なので、奥の手としてのインパクトは十分にあり。なんでNOAHトーナメントで使わないかなあ(笑)。
エース襲名儀式というテーマ。善玉対悪玉のわかりやすい会場雰囲気。十分に出した両者の持ち味。さらにはマグマが力で捻じ伏せられるという意外性。週プロでも決勝より扱いがでかいわけだ。
評価:5(文句なし。)このあと長めの休憩。ガンマが気に入った相方が早速Tシャツとパンフを買いにいく。しっかりサインまでしてもらってました。お前、非プロレスファンやったんと違うんかい。
第五試合:大阪名物世界一決定戦 えべっさんVSタイガースマスク
「ちょっと待ってちょっと待って!! ごめんもっかいやらせて!!」(まさかの王座転落が決定した瞬間のえべっさん。「もう一度やろう」の意思確認ではない),そして多分楽しいプロレスの最高峰。純粋な強さだけではなく、客を満足(=爆笑)させる技量が必須なタイトルマッチです。ベテランのえべっさんはともかく・・・試合前に前回までのあらすじが放送されます。
「あなたが持ってるとベルトが腐ってしまいますよ。僕がちょ、挑戦します」
お前、何でそこでかむねん(笑)。いきなり一抹の不安が。
「大阪名物世界4」とコールされたタイガースに、松井レフリーがぷっと吹き出す。ものすごい格差だ。
試合自体はいつもどおり楽しいもの。まだまだギャグに慣れてないタイガースをうまくリードし、ちゃんとコメディとして成立させるえべっさん&松井レフリーは見事の一言。まったく、次から次によく思いつくもんだ。物まねもフラッシングエルボーからLOVEポーズ以外にも、「ガファーリプレース!!」「ふぉーえばー(泣)!!」と好調。ガファリはともかく、ファンクス引退式は大阪の客層からしたらほとんど知らんのと違うやろか?(笑)
とはいえ、最近躍進が著しいタイガースのこと。ドロップキックややたら高角度の裏投げなどひとつひとつの技の完成度はしっかりしてます。だんだんとえべっさんのファイトから余裕がなくなっていき、意外に多い引き出しを開けざるを得なくなってきます。後は・・・・・・試合内容のむらがなくなれば言うことないんですが。
得意の六甲降ろしは受けても、切り札のタイガースープレックスは異常に警戒するえべっさん。「ど真ん中!」の掛け声つきナックルパート(そう言えば「ど真ん中」を提唱しつつおもいきりグーで殴るなあ、WJの面々って)からシャイニングウィザード。でもって
「トルネード!!」
アピールつきの飛び技が決まらないのはプロレス界の物理法則か。カンチョーで迎撃するのはやっぱり大阪名物選手権だね(笑)。苦しい、そして尻が痛いえべっさんも見事なオリンピックスラム、さらには大黒さんつながりの地団駄ラリアット(!)で畳み掛けるも、コーナーのタイガースに松井レフリーを振ったところでジ・エンド。飛び出したタイガースが松井にミドルキック(今日は本当に受難な松井レフリー)。えべっさんによろけてもつれて偶然(笑)完璧なDDTを決めてしまいます。
これが勝負の分かれ目。すばやくバックに回ったタイガースが、観客もびっくりのデルフィンスペシャル1号を見事に決めてピンフォール。まさかまさかの敗北にえべっさん呆然。歓喜のタイガース。初めて上位陣の一角を崩しただけに、客席もスタンディングオベーションで称えます。
賞状を読んでいる間も池野めだか並に足元で駄々をこねるえべっさん。
「ちゃうねんちゃうねんて!!」「ふぉーえばー(泣)!!」「ふぉーーーーえばーーーー(号泣)!!」
やたら騒がしい(笑)。以下両者コメント。
タイガース:「今までのプロレス人生の中で、一番幸せです! これから、プロレス道に精進して、ベルトに相応しい選手になりたいとおもいますので応援よろしくお願いします! ありがとうございました!」
えべ:「えべっさんになって四年間。今迄で一番どん底です(泣)。正直、全日本やスーパージュニアに出て調子乗ってました・・・・・・これから絶対這い上がってやりますので・・・・・・みなさん見捨てんといてください(低頭)」
対照的の極み。去り際、えべっさんが一言。
えべ:「あの・・・・・・僕が今まで一位やって、負けたってことは二位ですよね?」
松井:「いや、四位」
・・・・・・ゴト。絶句したままマイクを取り落とすえべっさん。
えべ:「・・・えー、大阪プロレスには未だ悪しき談合が行われている模様です。払拭すべきため、私に清き一票をお願いします」
サスケネタが落ちかよ(苦笑)
評価:4(タイガースの成長に期待大)第六試合 バッファロー・ビリー・福田VSカルト・ゴア・ロペス
「ドライバー!!!」(バッファローのバッファロードライバー。大体カルトにこのアピールをしたときは体を入れ替えられて、高角度ペディグリーを食らう。つーか一度も見たことがない(苦笑)。その正体はただのタイガードライバーらしいのだが・・・・・・)待ってました六人タッグ。楽しい試合の後は激しい試合へと。このコントラストがたまらん。ゴングを待たずして猛然と奇襲をかけるUGM軍。これに岸和田愚連隊が応じて試合はのっけからテンション高過ぎの大場外戦へと突入します。なんせバッファローがカルトを引っ張って二階席にも乱入。アルミのゴミ箱で一撃! 飛び散る紙屑! 大日本みたいに二階からダイブしないのは、流石に真下に観客がいるからだろうが(笑)。
さて、この面子で負け役といえば末席に座る福田&ロペスですが、逆に言えば彼らが頑張るかどうかで試合の盛り上がりは大幅に変わってくる。結果を言えば二人とも果敢に上位陣に挑み、彼らから一本取ってやろう・自分で決めてやろうという意識が見えて好ましく思えました。
前回に引き続き、目を引いたのはロペス。動きも小気味良いし、アトランタドライバー以外にも、ダブルアームスウィングDDTなどオリジナリティの富んだ技もある。外人選手には珍しく、気迫が日本人に伝わりやすい。ついでに言えば、なかなかに端正な顔立ちで貴公子然としている。長い間マスクで隠してたのがもったいないぐらい。典型的な悪党集団に属しているため、UGM軍に比べると人気はいまいちですけど、もっと評価されていい選手だとおもいます。ブラックタイガース時代よりは全然良くなってる。
試合の方は、リング上に戻って目まぐるしく攻守が入れ替わる好勝負。まあ、大阪の六人タッグに限っては外れの心配は全く無いし、そういう意味ではいい意味で安心して見れる試合でした。終盤、チームワークに勝る岸和田に福田が捕まる場面も見られたのですが(ダイビングボディプレスの三重奏!!)、うまくゴアとロペスを同士討ちにさせて脱出。デメキン・ビリー・高井の三人は成長し、今はそれぞれ別の軍団の中核を担っていますが、福田、タイガース、それに亀も着実に成長しています。
最終的には、人工衛星ヘッドシザースを狙ったロペスの回転を、強引に止めたビリー。このム−ブはガンマがよく見せるのですが、前で止めてツームストンまたはグランドキャニオンにいくガンマに対してビリーは背中でとめてそのまま垂直落下のリアリティチェック。蝙蝠吊落しとか言う技だそうな。事実上これでKOながら、最後は駄目押しのファイアーバードで見事に3カウント。
試合後はゴアとロペスが揉めます。後日への伏線か。それにしても、今日の岸和田は厄日だね。
評価:4(これぞ大阪。REAL LIVEの称号を与えても良かったぐらい)第七試合 大阪プロレス選手権 村濱VSツバサ
「ツバサーー!! む・・・ツバサーー!!」(横で応援していたツバサファンらしき坊主。横で相方が「村濱ーーー!!」と絶叫していたため、つられて言い間違える)泣いても笑ってもこれが最後。というか、本当に半泣きになって絶叫する女性ファン多し。場内真っ二つのある意味異様なテンションでゴング。村濱はシュート時代、他団体含めてそれなりに華々しい結果を残していますが、ツバサはまだまだタッグ屋の印象が強い。しかし、準決勝は八分少々で体力の温存に成功したツバサがいささか有利かな。
で、準決勝でマグマに打ち勝った村濱に、敢えてツバサは打撃戦を選択。華麗な飛び技やジャベをかなぐり捨てて、感情むき出しの殴る蹴るで試合を組み立てていきます。村濱も当然受けて立ち、苛烈な張り手とミドルキックの応酬。大阪らしくないといってしまえばそれまでですが(笑)、もともと全日本のこってりスープで育った身としては、こんな展開は「燃えるシチュエーション」というやつですからねえ。トペコンやラ・ケプラーダなどの美技も散りばめつつ、基本精神はどつきあい。まあ、打撃や関節技の分野で張り合えば、村濱に勝てる選手など大阪どころか日本のジュニア全体さえそうはいないんですけどね。
加賀アッパーを掻い潜られてクロスアームジャーマン、さらには得意のウラカンラナなど、要所で不意を突いてくるプロレス技が功を奏し、村濱になかなかペースをつかませず。どうするのかと思ってたら、強引に打撃で押し切ってしまいました。やはりこと「蹴り」という分野、または短時間での爆発力は村濱の方がはるかに上。バッチンバッチンやたら痛そうな打撃音。ツバサもファルコンアローや準決勝で見せたフェイスロックのコンボを決めますが、最後のドラゴンスリーパーをロープに逃げられ、逆にアームロックを決められてからは防戦一方。
カウンターでのハイキック、たたらを踏んだ所を例の正調高速ブレンバスターで強烈に叩きつけられ、さらには再度アームロックと流石の一言の怒涛の攻め。返されたらすぐに次の一手が打てる点はやはり大舞台の経験というやつでしょうかね。結構長い間アームロックにつかまってたツバサですが、腕を極められたまま起死回生のボディスラムを敢行。これで村濱の体勢を崩したところまでは良かったものの・・・・・・体を入れ替えた村濱がいつの間にか腕拉ぎで絞り上げているという切り返しの妙。さすがにこれはエスケープ不可。無念のギブアップで、村濱二度目、プロレスラーに転職してからは初の戴冠となりました。考えてみれば、正規軍でデルフィン以外の選手がベルトを獲ったのって初めてなんですよね。
試合後は両者握手。善と悪の戦いも良いけど、こういうスポーツマンシップなのも良いよなあと思う自分は自称ノアオタ。しっかし改めて見ると、本当に村濱って小さいよなあ(苦笑)。いやマジでトロフィーよりも小さいし。そう言えばこの間NOAH中継見たけど、丸藤やKENTAが異常にでかく見えたぐらい。
「やっと獲れました。これからNOAHのトーナメントもありますが、絶対勝ちますので応援よろしくお願いします」
頼もしい一言。負けちゃったけどね。でも実際見た感じで言えば、決してメジャーには引けをとってなかったし、立場上ではヒールだったとは言え、これを機会にどんどんNOAHとも絡んでいって欲しい。もちろん村濱以外の選手も含めてですけどね。なんたって、天笠の「裏」ドリームカードはラッシャー・永厳組VSくいしんぼう仮面・えべっさんなわけだ。
しかし、この試合での私的大事件は、やはり我が相方がプロレスで初めて大声を出して応援したことだろうか。まあ、あの天邪鬼のこと。ツバサに応援が集中するのが気に食わんかっただけかも知れないけど
評価:4(名勝負とはいかなくても好勝負なのは間違いなし)総括:
前述のとおり、三週続けてプロレス会場に足を運んだわけですが、三大会の中では・・・エンターテイメントの興行とするならば、もっともまとまっていたのではなかろうかと。「外れ」が極端に少ない、あるいは及第点の試合をコンスタントに打ち出せるのは大阪の一番の強み。「お笑いだけではない」とは大阪をほめてよく使われる言葉ですが、コメディやストーリーはあくまでスパイスや調理法であり、プロレスを良質の食材として客に食わせる観点からすると、「プロレス(素材)だけじゃない」というのが正しいのでは?と常々。日本人風(ひょっとしたら関西風?)の味付けを施したWWEなんて評価。トンカツもカレーも、元々は海外の料理を日本人がうまくアレンジしたわけですしね。
ただ、「外れ」が少ないのと同時に、「大当たり」も少ないのが今後の課題でしょうか。やっぱりなんだかんだ言って、三週でベストの試合をひとつあげるとすればやっぱり武藤VS川田ですよ。四天王プロレスはやりすぎとしても、たまには客の想像を超える試合、「良い試合」ではなく「凄い試合」を提供できる自力は十分にあるはず。実際、村濱をはじめとする最前線の選手はその片鱗を十分見せてくれました。あとはタイミングと知名度か。
でもまあ、なんかいまいちな食材でも、それなりに巧みに調理して本来の味を引き出しちゃうのが大阪って団体なんですけどね(笑)。