ノアを全然見に行かないくせにノアオタを名乗る、歩く厚顔無恥天笠でございます。
酒人さん滋賀県ご旅行を機に、たまたま滋賀県に初進出してた大阪プロレスを見に行ってきました。メンバーは主賓の酒人さんのほかにはKeNGOさん、なみ。
会場の雨山体育館は、中学の折に剣道の試合でしょっちゅう使用した場所。一言で言えば
「オームの森じゃ・・・・・・」
「ばばさま、シシガミ様も出るよ!!」
的立地条件にあるため、客入りや選手のモチベーションに全然期待が持てなかったのですが・・・・・・とりあえず本編へと。
心配してた客の入りは上々。山頂の体育館前は運動会でもやってるかのよう。片田舎の体育館で、お得意さんのちびっこ合わせて千人クラスはまず成功と言ってもいいのではないでしょうか。四人で顔を見合わせて、
「よく入ってるなあ〜」
が第一声。もっと閑散とした光景を想像していたのが拍子抜け。近畿圏内じゃ、地上波放送しているからかも知れませんけどね。選手が売店に立ってグッズの手売りをしているいつもの光景も、見慣れた体育館と組み合わさると逆に新鮮に感じたり。酒人さん、Gammaの押しに負けてTシャツを購入しています。おいおい、さっきツバサにもTシャツ買わされてたじゃん(笑)。でも団体のエース級の選手に、気軽にサインや握手をねだれる売店の雰囲気はいつ見てもいいものです。村濱なんかはさすが人気ものぶりで、あちこちで写真にサインにひっぱりだこなんですが、全てに気さくに応じる姿を見ると、とてもライガーや稔と死闘を繰り広げた選手とは思えません(いや、悪い意味じゃないですよ)。ファンと選手の距離が遠い方が良い場合もあるけど、この団体はこういう姿が一番しっくり来ると思うんですよね。
正規軍の選手入場式の時は、やっぱりインフィニティやくいえべに人気が集中してたような。スターを何人も抱えてる団体はやっぱり強いわ。
試合の評価は5:これは隠れた名勝負だ!! 4:思わぬ拾い物でお得感倍増! 3:ま〜あんなものじゃない? 2:もうちょっと頑張ろうよ 1:地方だからって舐めてないですか? ということで。
第一試合 ゴアVSタイガースマスク
ゴアに「デメキーーン!!」と声援を送るのはやっぱりNGでしょうか? 気のせいか、前バージョンに比べて胸周りが一回り大きくなったように感じます。ま〜以前は東郷やらカルトやらにぼっこぼこにされてた印象が強かったからかも。修行がフェイクだったのは「おいおい」と思ったけれど、現在の悪役の手薄さ&今後のデメキンの進路を考えれば、ここらでヒールを経験しておく方が最善かな〜なんて思っちゃいます。
対するタイガースマスクは、こちらはいつもの通り。気迫は感じるんだけど、やっぱり線が細い。名づけて、大阪の志賀賢太郎。個人的には、先だってのマスカラコントラでブラックタイガーを葬り去ったタイガースープレックスを、「これが決まればマグマでも沈む!」ぐらいに仕上げて欲しい所です。技が増えるのは頑張ってる証拠。あとは時間と代名詞的な必殺技だ。今年の阪神は強いんだから(5月4日現在)
最大の見せ場は、ゴアを椅子の列に叩き込んだ瞬間。なんせほとんど最後列まで転がっていきましたからねえ(笑)。あれは投げたタイガースより受けたゴアの方を褒めるべきか。ドロップキック、裏投げ、ダイビングボディアタックと持ち技のレパートリーが尽きたところで、ゴアの猛反撃を立て続けに食らってしまいます。フライングラリアットを返して、バックを獲った所までは良かったんですが、急所蹴りからシャイニングウィザードを食らって轟沈。やっぱりまだまだ格を打破するところまでは行かないか。
これでデメキンが本当にメキシコに留学してたらマジで驚く(笑)。
評価:2
第二試合 大王カルトVSトルトゥガー
亀さんが死んじゃう!!的な試合。カルトのえらくきつい攻めを食らいながらお笑いを貫き通した亀の根性に乾杯。観客も爆笑してたし、純粋に潜在能力という意味でもその気になればえべっさんやくいんぼうと同じく十分にメインを張れる選手だと思います。ま、その時にゃさすがに亀じゃないだろうが。結論から言えば、カルトのもんの凄いリバースタイガードライバー食らって負けちゃったんですけど、お笑い「だけ」じゃない片鱗は十分うかがえましたし。若手選手の基本性能の高位安定は大阪の強みのひとつだと思います。「インディーにしてはソツがなさすぎる」と言う好事家の苦言も勿論ありですが(笑)。
ただ、ちびっこがお得意さんなのに、新宿プロレス仕様の18禁ファイトは不味いだろ(笑)。いや、俺は楽しいんだけど。掟破りの逆ハズカシ固めの最中、
「写真はやめて〜〜!!」
と叫んで写真を撮られる亀。こんな場面とチョークスラムを返すファインプレーが同居してるんだからなあ(笑)。ゴングのあと、台車に乗せられて鉄柱と衝突させられると言う荒技まで披露するサービスっぷり。あら、素人には無理だ(爆)。
評価:3
第三試合 村濱&GammaVSマグマ&ロペス
本日のベストバウト。この面子ではロペスが浮いてしまう恐れもあったのですが、マグマが一歩引いていた部分もあってか、予想外の大健闘。タイガースに敗北してからの方が動きが良いような気がするのは気のせいでしょうかね。他の三人もエースの風格を見せ付けて魅せる魅せる(笑)。特にマグマは二人同時にブレンバスターで投げ捨てるパワー、軽やかなムーンサルトなどのテクと剛柔を華麗に使い分けて、プロレス初観戦の観客の度肝を抜いてました。でもって、岸和田愚連隊お得意の反則攻撃。子供でも「こいつわるいやっちゃな〜」と思わせる明快さで、観客を正規軍に感情移入させることに成功。ぶっちゃけ、悪あっての正義という論理はこの手のエンタメじゃある意味真理です、ハイ。
とは言え、実力がないと説得力がないのは世の常。一番の見せ場は、加賀百万石アッパーから必殺ブレンバスターの殺人フルコース(死語)につなごうとした村濱に、
「BRAINBUSTER!!」
の気合一閃、本家マードック並のアピールで垂直落下をぶち込んだロペスの変貌ぶりでした。マグマのラストライドを挟んでのGamma集中攻撃。村濱のカットにだんだん余裕がなくなってきます。ブルーバードとニールキックのサンドイッチなど、連携も幾つか見せるんですが、チェンジペースとまでは行かず。毎回、岸和田の猛攻を如何に凌いで勝ちパターンにつなぐかがサタデーナイトストーリーの大きな見所なのですが・・・・・・それでも今日の締めはGamma。とどめの暗闇脳天を体を入れ替えて切り返し、バッドエンド一直線だった流れを食い止めます。村濱のトペがマグマを抑えている間に起死回生のダイビングヘッドバット! カウントの大合唱を初めて経験したお客さんも多いはず。目の醒めるような大逆転劇に満場一致のスタンディングオベーションでした。
ブリッツェンもガンマスラッシュも出なかったけど、これぞエンターテイメントプロレスの醍醐味でしょう。予定調和と笑わば笑え。試合後もしっかりと
「お前らまぐれで勝って嬉がってんと違うぞアホが!」
と正しい悪役的マイクアピールをしてくださるマグマ兄さん、あなた最高です。ロペスも格上相手によく頑張った。正規軍の二人は、大阪の二枚看板としてはいささか技を受け過ぎかとも思ったんですが、もともとシングルで本領を発揮する二人のこと。タッグとしての完成度はこれから高めていけば良い。今日のところは文句なし。
評価:5
ここで少々長めの休憩。売店では試合を終えた選手が続々と売り子に転じております。驚くべきことに、岸和田愚連隊も売店で福袋なんか売ってます(笑)。しかし悲しいかな、相変わらず大人気の正規軍に比べ、先刻の悪行三昧が響いたか、閑古鳥が鳴いている・・・・・・(泣)。子供なんか、売店の前すら通りません。ま、マグマが小さい子を抱っこして写真に応じる姿もしっくり来ないわけですけど。偉いよ、あんたら・・・・・・偉いけど・・・・・・悲しいわな(笑)。ここで館内放送が。
「真に申し訳ありませんが、本日第四試合に出場する予定だった大黒さんが、遅刻しておりましてたった今会場に到着した状態でございます。したがって、予定を変更いたしまして、セミファイナルとメインイベントを入れ替えさせていただきます・・・・・・」
考えてみれば、翌日橋本と電流爆破を控えてるんだから、金ちゃんは多忙の極みなんですよね。滋賀県石部町から川崎球場までとんぼ返り。地元民としては、感謝に耐えません。でも・・・・・・セミとあっさり入れ替えられるメインの存在軽すぎ(笑)。
第四試合 バッファロー&ツバサ&キッドVSデルフィン・ペロ・くいしんぼう仮面
どうもデルフィン軍団と正規軍は別物のようですね。あたしゃG−EGGSみたいなものかと思っておりました。ホリデーパラダイス仕様の楽しい試合。NOAHでいうと力皇や多聞クラスの旬の選手と、ファミ悪が見事に融合した感じの試合といった方がいいのかな。くいしんぼうがバッファローに腕相撲を挑んだり、シリアスに勤めようとしていた正規軍が欽ちゃんジャンプにつられてしまったり・・・・・・笑いの後にはラ・ケプラーダやスワンダイブ式ウラカンラナなどの華麗なルチャ殺法が歓声を誘う。かと思えば、絶妙のタイミングで笑いの世界に引き戻す。両極端な味が喧嘩をするわけではなく、メリハリをつけて双方を際立たせる結果になってます。トルネードタッグ制のおかげで冗長な展開になることもない。
ただひとつ難を上げるとしたら、大阪特有の「お約束」にいまいち観客が乗り切れなかったことでしょうかね。くいしんぼうのあいーんや序盤のコール合戦にちょっと反応が薄かったような気がします。予習が足りんぞ、石部町民。ま、そんなことは瑣末なこと。交互にやってくる笑いと歓声は、大阪初心者もプロレス初心者も一体になって盛り上がるには十分でした。みんな目立ってたけど、敢えて主役を挙げるならくいしんぼうとツバサ。ツバサ独特のウラカンラナと、くいしんぼうの飽くなき自爆技の連発は、この日も高確率で観客のリアクションを引き出してました。
さてさて、試合も十分が過ぎ。師匠のスウィングDDT、バッファローのラリアット、高・・・・・・じゃないペロのサソリ固めときて、遂に出ました関空トルネード。これをバッファローがカットした時は心底安堵しましたね。なぜって? そりゃまだ見てない美技があるからに決まってるじゃないですか(断言)。ビリーのファイアーバードスプラッシュがペロに決まって3カウント。ビリーとくいしんぼうが敵同士なのを見て、こりゃどちらか諦めなければならないかと思ってたんですが、両方見れたのは本当にラッキー♪
試合後はデルフィン軍団が集まってマイクアピール(というか漫談)。みちのく時代、デルフィンが浪花とこういうことしてたのを思い出します。「デルフィンらしいプロレス」を追求するために、原点に戻ってるといったところか。恒例のなぞなぞコーナーはPUMAのシャツを着た小学生男子がペロちゃん人形を強奪してましたが、あれって外れたら一体どうなるんでしょうか?(笑)
評価:4
第五試合 えべっさん&大黒さんVSミラクルマン&福田ユタカ
ということで。翌日に冬木追悼興行を控えた大黒さん登場。例のオフスプリングの名曲に乗っての登場です。横を見ると、なみとKeNGOさんがブリブラダンスを踊っている・・・・・・俺にはできん(笑)。この試合、大阪タッグフェスタ(要は最強タッグのようなもの)、つまり公式戦ということもあり、両チームとも気合ののりが違います・・・と思っていたらえべっさんも大黒さんもロープの外に。
松井レフリー:「どっちか一人入らんかい!」
結局、いつも通りといえばいつも通りでした(苦笑)。ミラクルマン・福田チームもペースを乱されたか、面白いように神様チームのギャグの渦に引き込まれていきます。
「ともだち〜〜〜!!」
の掛け声がするたび、観客大笑い&福田悶絶の展開。ただ、くいえべを知るものとしてはいつもより神様チームのギャグが押さえ気味のような気がしました。面白いのは面白いんだけど・・・・・・なんかえべっさんたら勝ちに行ってる。徐々に大黒さんから金ちゃんの面影がちらちら見え出し、気がつけば笑いではなく驚嘆の連続と。金ちゃんの机を使った金的攻撃は相当にえげつなく、えべっさんもそれに呼応したかかなり早い段階でえびす落しを繰り出します。はっきり言ってこのチーム、第一印象と違ってやたらに強いです。
ミラクルマン、福田も要所で反撃を試みるものの、真面目モードの神様にはなす術もなく、ほとんどワンサイドゲームでした。フィニッシュはこれまた圧巻。大黒様のサンダーファイアーパワーボムから、物凄い落差の爆YAMAスペシャルで、カウントが入ったあとも福田は立つことが出来ず。神様チームはポイントも崖っぷちでしたし、優勝まで首をつなげることを思えば、当然と言えば当然かも知れません。強い神様が見れたという点では、なかなか出来ない経験をしましたね〜(笑)。
ただ、個人的には伝説の自爆技「俺だけ刈れ」が見たかった(苦笑)。
評価:4
試合数五試合。メジャーに比べれば些か少ないですが、物足りないかと問われれば決してそうではない。むしろ間延びしなかった分、大満足のうちに帰路につくことが出来ました。まあ、多少の粗はご愛嬌ですが、初心者にも経験者にも楽しいという点では、我々プロレスファンが、非プロレスファンをデートなどに誘うには最適の団体だと思います。最近では関東方面での興行も増えているし、大田体育館や後楽園ホールなどでの興行は得てして評判がいい。
初観戦の酒人さん、KeNGOさんやそもそもプロレスファンでもないなみにも好感触(のよう)でしたし、純粋な面白さには折り紙をつけてもいいかと。皆様も機会があったら是非観戦してみてくださいな。
・・・・・・巡業しないけどな(苦笑)。
「飛鳥・・・・・・この街にもお前を殺した犯人はいなかったよ」
そうつぶやきながら、俺たちは缶コーヒーを口にして、なみに嫌がらせをかました。(※)
(※)なみはコーヒーアレルギーなのである。
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