ノア 2004年10月24日(日)
大阪府立体育会館
大会観戦記


投稿者:天笠さん

観衆:5200人


 久しぶりのNOAHの観戦記です。NOAH嫌いの相方は家に置いて小橋信者の弟と観戦したんですが、初生観戦の奴を見ていると、自分が旧全日本を初めて見に行った時を思い出しました。テレビの中の人物が目の前に!って感動。

 さてカードの弱さ、或いは同日神戸の新日本、苦しい興行になると思ってましたが。当然ながら、アリーナはともかくスタンドに空席が目立ちます。流石に去年の神戸ほどアレではありませんでしたが、暖まり難い会場であったのは確か。
 売店で1月シリーズの神戸ワールドのチケット先行発売してます。またやるのかよ……。



1:百田&潮崎VS菊池&トレバー・ローデス

 S席買い慣れないもので、大スポ買い込むのをうっかり忘れてましたが、永源は今日はお休みでした。嬉しいような残念なような。
 お笑い控えめなのは良いけど、この面子ならもっと教育マッチっぽくなるかと思ってたんだけど。潮崎・ローデスがあまり目立ってなかったのが残念。まあ、もうちょい場数を積んで認知度があがりゃあな。
  フィニッシュもベテランの間。丸め込み合戦をジャックナイフで菊池に凱歌。無難すぎて逆に驚きます。

評価:3

 トレバーの衣装は毎回笑わせてくれます。あの趣味はちょっと並みのセンスじゃないよ。



2:多聞&青柳VSモーガン&ウィリアムス

 噂のダグ登場ですが、今大会のワースト。
 良い感じにグダグダ感溢れる、悪い時のNOAHを象徴する一戦。あまりの噛み合わなさに場内、時折失笑が漏れます。選手だけが悪いんじゃないんだけど、とりあえずもちっと多聞が働いてくんないと。回転地獄五輪ももはや繋ぎ技。
 モーガンがヒールになって攻めて盛り上げようとするも、そうするとダグの売りの「古き良きヨーロピアンスタイル」がスポイルされちゃう。どうにも難しいものです。
 唐突にやってきたクライマックスの末、SAYONARAが決まって試合終了でしたが、この盛り下がりが許されるのは一大会二試合までと個人的には思う。

評価:1

 関係ないけど、モーガンは噂どおり異様な変貌を遂げてますね。あそこまで変わっちゃうと、ヘビーかジュニアかよりもなんかやばい薬でもやってるんじゃないかと心配になってきます。



3:力皇&井上&杉浦VS池田&ヨネ&川畑

 試合前に今大会初マイク。川畑のダークエージェント加入申し込み!
 ……普通にさらっと流されて試合開始。客ももっと後押ししてやれよ。
 雅央はへたれっぷりをアピールしつつ、最後はクイックで大逆転キャラを推し進める模様。それ、今までと路線変わってないだろう。
 あとは、力皇がなんかDAに入りそうな雰囲気がプチ濃厚。秋山&斉藤が成立する前に一時組んでたわけですが、こいつらで挑戦も割と面白いんじゃないの?
 さて俺的にいまいち評価しづらい池田・ヨネ組ですが、今日は完全に脇に回り、主役は珍しく川畑。ダイビングセントーンが成功するところを初めて見ました。雅央を果敢に攻め立てて、壮絶に丸め込まれるわけですな。
 川畑のために参加選手一丸となったような試合でしたが、それなら最後にちゃんとオチをつけてから帰るべきだと思う。

評価:3

 力皇が闇代理になったら、またまた森嶋がごねるんだろうなあ……



 休憩。場内ミュージックはエアロスミスで統一。なかなか選曲担当もわかって参りました。

4:丸藤&KENTA&鈴木VSモデスト&マルビン&SUWA

 個人的にメイン以外に一番期待してたカードですが、期待通り。客の求めるレベルが高くなってるにも関わらず、きっちりそれに応えることができるのは素晴しきかな。ちょっと動きがめまぐるし過ぎて、おっさんにはちょっと辛かったわけですが。
 相方の増量にちょっと心配しててモデストですが、きっちり働いてくれて安心。話題のSUWAはラフ中心なせいか面子の中に埋もれちゃったような気がする。
 不知火、FFF、ブサイクへの飛び膝、あとはブルーディスティニー。個性的なフィニッシュホールドは一切飛び出さず、出てきた決め技はリアリティチェックだけな抑え気味の試合でしたが、それでも動きだけであれだけ盛り上がる。
 鈴木がリアリティチェック食らって試合終了ながら、地方会場ならメイン張っても申し分ない満足度の高い試合でした。
 でも正直、NOAHジュニアに関しては勝負論の入る余地はあんまりなくなってきたような……。何年越しの雪辱!って新日Jrみたいなストーリー性は希薄なんだよな。

評価:5

 KENTAの新コスはあまりにも趣味が悪いと思う。



5:秋山&泉田&橋VSバイソン&グラジ&ロウ・キー

 なんかやる前から戦力比が偏りすぎなカードですが。泉田の格上げが比較的うまく行ってるせいか、一方的な展開にはならず。グラジが序盤からトペ敢行するなど、ビッグマッチ仕様にハッスルしてるのがわかります。
 ま、スターネスがこれですから、ネタの混じらない試合にしろってのが無理な話ですが。泉田の石頭ネタにも磨きがかかり、ロウキーが再三エルボー打っても自分が痛いだけという新ネタを披露してました。

 あとは、久々だけどバイソン。長身のグラジと並んでも見劣りしないし、またちょっと大きくなったんじゃないか?
 スターネスとバイソンの抗争をメインに置くなら、タイトル絡まない抗争もやっても良いと思うんだけどなあ。
 ヘビー級が得意技打ち合ってる間に、キーがスペースローリングハイキックからキースプラッシュで橋を撃破。予想を裏切った及第点の試合で、意外なめっけもんって感じです。

評価:4

 キーがこれからも常連外人として絡んでくれるのか、それがまことに心配です(笑)。トリッキーな動きはマルビンとキャラが被ってるけど。



6:金丸VSTAKAみちのく

 グラウンド中心のねっとりこってりの試合はまあ良いとしても、タイトルマッチとしては今ひとつ。なんかTAKAの「らしさ」が全部封印されちゃったようで。終盤にみちドラ2に何度もトライするのも、いつものTAKAじゃないように感じました。
 ああそうだ。いつもみたいに、楽しそうじゃなかったように見えたからかな。
 宇宙人ブランチャをミスしたところを、とっさに鉄柵越えケプラーダに切り替える機転は見事。

 さて金丸ですが、ジャストフェイスロック食らってロープににじり寄る場面がほとんど。垂直落下→旋回垂直で強引に終わらせた印象が強かったんですが、内容はまだまだ今後に期待するとして。
 受け上手同士の対戦だったのが、ちょっと噛みあわなかった原因かな。

評価:2

 いや、二人とも強いんですけどね(笑)。面白い試合ではなかっただけで。



7:三沢&小川VS田上&佐野

 個人的にGHC史上もっとも気に入らない王者になりつつある(笑)三沢&小川ですが、今日もまあいつもの……ってところ。田上火山の噴火具合は五分咲きといったところ。佐野が一人で頑張ってたんじゃないだろうか。

 序盤、社長が捕まってたのでようやく社長も……って思ってたんですが、いやゾンビ具合は相変わらず不滅でした。田上もそれなりに頑張ったんだけどねえ。フットスタンプもやったし。俺が田上もやった、ダイナミックボムもやった。でも社長組がやばいと思った瞬間は遂に訪れず。
 いつものファイトでそれとなしに勝っちゃう王者が凄いのか、挑戦者がアレ過ぎるのかは謎ですけど。でもGHCタッグの凡戦率が高くなりつつあるのはあんまりだよ三沢さん。

 秩父セメント失敗で勝機をなくした田上・佐野、エメフロを皮切りにした社長組の容赦ない波状攻撃に佐野が捕まり、雪崩式エメフロで試合終了。
 そのうち断崖エメフロもやりそうです。

評価:3

 でもあの落とし方なら、ブレンバスターで落とした方がきつそう。



8:小橋VS斉藤

 このメインで客が呼べるのか?って質問には否と答える他はないですが、小橋が格下相手にやった選手権試合の中じゃ間違いなくトップクラスの名勝負だと思う。
 シリーズ中、あれだけネタを提供しておきながら最後の最後の選択は真っ向勝負。足もほとんど攻めず、むしろラリアッター対策では王道の豪腕封じ。なにより、傲然と小橋に手四つを挑む斉藤。
 二人とも馬鹿だなあ(笑)。いや、良い意味でですが。斉藤がやたら楽しそうなのが印象的。

 脳天から落としあう一面もありましたが、基本は蹴り合い、どつきあいで。小橋はSTFだのナガタロック2だのフェイスロックだの披露するし、斉藤は小橋の見せ場のチョップ連打をぱくる。今までの小橋防衛の歴史見せられてるようで、こういう展開に弱いんだよなあ。

 スイクルデス、デスパニッシュと攻められながらも、デスブランドだけは決めさせず。ハーフネルソン連発、豪腕ラリアットを凌ぐ斉藤に、バーニングハンマーと見せかけておいて、雪崩式喉笛チョップ。そこから居合抜きでラリアット。これすら返す斉藤の顔面を思い切りベアナックルで殴りつけ(王者がそれやっちゃまずいだろ)、問答無用の垂直落下投下で見事。
 順当な結果は結果としても、やっぱりプロレスって楽しいよなあ。前の席の兄ちゃんが、「斉藤は極真上がりだから投げに弱い」なんてしたり顔で解説してたけど、なかなかどうして。どこが弱いんだよ(笑)。

評価:5

 リアル・ブレンバスターってもう正式名称なんですか、そうですか。



雑感:

 メインは良かった。休憩あとも良かったので基本的には満足。でも斉藤起用するなら、やっぱりもっとしっかり話作ってからやるべきだと思う。発表後にネタ振りしても、どうしても後付け設定みたいに思えちゃう。とはいえ、今日のMVPは文句なしに斉藤です。確変、まだ終わってないよな?
 タッグは最近外ればかりに思えるけど、社長が本気になれないなら、挑戦させる方が間違ってると思われ。秋山時代よ、もう一度って。

 場内は最後は流石に盛り上がってましたが、ちょっと盛り上がりが切れしまう面があった。前戦の興奮冷めやらぬ中……ってのが理想だけど、水物だからな。
 加えて私語がやたら五月蝿い観客に興を削がれた点も残念。頼むから大声で解説するな! 空気を読め! 痛々しいオリジナル応援は控えろ!と叫びたくなるほどに。
 南S席最後尾に座ってたあなた、そうあなたのことですよ(笑)。痛い応援はともかく、椅子の背もたれに腰掛けるのは幾らなんでもマナーに反するんじゃないかい? タイトルマッチ中に後ろにひっくり返ったのは楽しかったが。

 さて次回観戦は神戸になりそうですが、とりあえずカードを見るまではスルーせざるを得ないかな。