自分がディファに着いたのはもう開始寸前。入り口が見えてきたところで何やら人だかりがすると思ったら、タンクトップ姿の冬木がマスコミに囲まれて出てきたところでした。まさか本当に走ってきたんか?んなわけないか(笑)
座席は全て売り切れていたので立ち見を窓口でゲット。中に入ると仲田リングアナの対戦カード紹介の最中でした。急いでパンフを買い、2階ギャラリーへ向かいます。
<公開調印式>
予告されていた通り、タイトルマッチの調印式が最初にありました。日テレの平川アナが司会進行を務めます。
(1)GHCジュニア
GHCジュニアのタイトルマッチのテーマに乗って、最初に橋が、次に丸藤が花道から入場。リングの中にセッティングしたテーブルに着きます。ちなみに橋は座る席をまちがえていました(笑)
委員長のジョー樋口さんを真ん中に、向かって右に橋、左に丸藤。ジョーさんの前には丸藤が持ってきたベルトが燦然と輝いております。まず橋が、そして丸藤が調印書にサインし、平川アナが2人に順にコメントを求めます。
橋「技術云々はともかく、勝利への執念ってもんでは負ける気がしないんで、必ず勝ちます」
丸藤「んー…橋さんに言わせると僕はこのところ天狗になっているそうなんで、当日は天狗のお面でもかぶって行こうかなと(場内笑)。それからよその団体でごちゃごちゃ言ってるのがいるんで、ここは防衛して、ツノをへし折ってやりたいと思います(場内「おぉーっ」)
この後橋がなんか言っていましたが、丸藤は素っ気無く「頑張って下さい」の一言で済ませてしまいました。最後にテーブルに着いていた3人が前に出て、ベルトと共に記念撮影。特にもめるでもなく、つつがなくここは終わりました。
(2)GHCタッグ
両者のコメント以外は、流れはジュニアのときと一緒です。よって省略します。
スコーピオ「ノアには若くて有望な選手がたくさんいます。森嶋も力皇もその中でトップの人間です。2人のことはチャンピオンとして認めますよ。しかし、我々は必ずベルトを取り返します」
ベイダー「2人共これだけ短期間のうちに成長してチャンピオンとなったことには敬意を表するし、もちろんチャンピオンとして認めます。しかし、試合でいかに(チャンピオンとして)我々に対応できるか、試合ではそれが鍵になるでしょう」
力皇「強敵だと思いますけど、びびってもしょうがないんでね。2人で思いっきりやれば何とかなると思ってますんで。あとはやるだけですんでね」
森嶋「ここは勝って、改めてチャンピオンとして認められるよう頑張ります」
4人とも至って普通のコメント。特にW2はベルトを取ってからというもの、神妙な発言が目に付きますね。そのへんがノーフィアーと違うところです。
(3)GHCヘビー
これも流れは(1)(2)と一緒。以下2人のコメント。
小川「相手は相当自信あるみたいなんで、コンディションさえうまく持っていけたら面白い試合になると思うんで、頑張ります」
秋山「なんか当日はツノの生えたのやら野人やら(場内笑)、たくさん来るみたいなんでね。試合数も多く組まれると思いますし、あんまり長くやってだらけるとアレなんで、5分以内に(場内「おぉーっ」)…と、思ったんですけど、大先輩の初の挑戦なんで、5分伸ばして10分以内に、終わらせたいと思います」
このあと小川が何か言い返しましたが内容は忘れました。
最後にリングを出るとき、秋山はなんと自分でロープを開け、小川に「どうぞ」とゼスチャー。
小川は秋山をひと睨みしましたが、結局素直にロープをくぐって退場していきました。
<小橋欠場の挨拶>
次は小橋がリングに上がってきました。やっぱりステップを登るのが少しきつそうです。
小橋がリング中央に立ち、先にリング隅に陣取っていた難波リングアナが欠場のお知らせとお詫びの挨拶を読み上げます。
小橋本人は特に何も話さず、四方に一礼して戻っていきました。本人の声が聞きたかった気もしますが、本人があえてしゃべらないことを希望したのかもしれないし、何とも言えないところですね。
<第1試合>百田 VS 永源
百田が第一試合に出てきたのはいいのですが、相手はなんと永源。最初に聴く入場テーマが仕事人のテーマっちゅうのはかなり違和感があります(笑)。
で、いつものようにTシャツを客席に投げ入れたのはいいんですが、永源はせっかく2階のギャラリーまで投げ入れたのに、なんと罰当たりなお客さんが、受け取ったTシャツをリングに投げ返した!(笑)。初めて見たよそんな人。永源さん怒ってるし(笑)
さていったいどんな試合になるのかしらんと思っていたら、なんのこっちゃないシングル版ファミ悪でした。しょっぱなから永源さん、ジャイアントスイング18回。唾は何回飛んだか忘れた(笑)。いつもと違ったのは百田が永源をA席近くまで連行して唾飛ばしをやったこと。そこまで来るとは思ってなかったようで殆どの人が新聞紙を用意してませんでした。ご愁傷様(笑)
最後は百田の首固めががっちり決まって3カウント。永源は最後までTシャツの件が気になっていたようで、試合後そっちに向かって何か叫んでおりました(笑)
<第2試合>ラッシャー・雅央・鼓太郎 VS 池田・ヨネ・輝鎮
永源と百田が第1試合に出た中、ラッシャーだけがこの位置に。大丈夫か?(笑)
と思ったら、こっちはファミ悪色はほとんど無し。さすがにラッシャーだけはいつも通りの動きでしたが、後は元気のいい前座試合という感じになりました。
特に鼓太郎の頑張りが光りました。NOAHの若手はみなそうですが、やられてもやられても自分で一矢報いない限り、自分からタッチを求めには行きません。鼓太郎も一番キャリアが浅いゆえどうしても捕まるんですが、スピードをなんとか生かして必死に反撃する様はなかなか好感が持てます。トップロープからライダーキックかましたり、一回り体の大きいヨネをかなり急角度のジャーマンで投げ切ったり。最後はそのヨネにキン肉バスターで沈められてしまいますが、退場していく鼓太郎にラッシャーも「鈴木、よく頑張った」とマイクで一言褒めていました。
余談ですが、池田、入場時のアフロとグラサンはやめてしまったようです。飽きたのかな?個人的にはもうちょい引っ張って欲しかったんだけど(笑)
<第3試合>スリンガー VS スティーブ
序盤はごくごく基本的なレスリングの攻防。スティーブとレイ・ゴディに関しては、しばらくはこのスリンガーに教育してもらうといいかもしれませんね。先生役にぴったりな人だと思う。
この試合も、現にそんな感じの教育マッチになりました。ただ気になったのは、スリンガーの動きが後半良くなかったこと。スタミナに不安があるのか、体調が悪いのか…相手のレベルの割に、息切れが早かったのが気がかりです。
それでも試合自体はさすがにスリンガーが取りました。フィニッシュは噂のチャタヌガ・チュチュ。これどんな技かというと、デスバレーみたいな体勢で相手を持ち上げて、そこから相手をきりもみ式に頭から落としていくという感じなんですが…これで想像つきますでしょうか?まあ、結構な荒技ではあります。
ここで休憩。ロビーで凄い行列ができていたので何かと思ったら、小橋がTシャツに順々にサインをしていたのでした。Tシャツを買った人に先着で整理券が配られていたようです。
とりあえず僕は近くまで行って、顔だけ拝んで戻りました(笑)。サイン欲しかったけど、券もなかったですからね。
休憩が終わって再開。といっても実はまだ6試合もあるんだな。先は長い。この文章も長い。
<第4試合>佐野・KENTA VS 彰俊・橋
ジュニア挑戦者の橋、調印式直後でもあるので何かしらのアピールが欲しいところ。
ところが真っ先に目に付いたのはKENTA。入場時から様子が違いました。まずテーマ曲がまた変わりました(タイトルは「For one's life」…パンフより)。そしてコザックのジャンピング・リングインをやりませんでした。普通にロープをくぐって…なんと橋に向かって視殺戦を挑むではありませんか!どよめく場内。KENTAもいよいよジュニア本格参戦へアピールか?
試合もそのKENTAと橋の意地の張り合いがメインに。後半KENTAは勝負を賭け、十八番のファルコンアローまで橋にお見舞いしますが、残念ながらカウント2で佐野がカット。ペースを取り戻した橋がゴリラーマンズスープレックス→リバースDDTと攻め、大の字になったKENTAに最後はダイビングヘッドバット。これは当たりが浅かったですが、既にダメージの大きかったKENTAは結局ここで3カウントを聞いたのでした。
試合後、今度は彰俊が佐野につっかけ睨み合いに。橋が間に入って事なきを得ましたが、力がありながら脇役に納まっている印象のあるこの2人の抗争も見てみたい気がします。
<第5試合>田上・泉田・菊地 VS モデスト・モーガン・スミス
声援を聞いていて気がついたことが1つ。大概のレスラーが呼び捨てなのになぜかモーガンだけ「モーガンさーん」とさん付けされるのはなぜ?東京特有の現象なんでしょうか。
それはいいとして試合。珍しく田上組がゴング前に奇襲をかけてモデモーを場外に蹴散らしますが、残ったスミスを3人がかりで攻めようとした途端場外のモデモーが菊地・泉田の足を引っ張って場外に引きずり落とし、これであっさり形成逆転。田上も場外に落とした外国人勢がリングを占拠します。リング上でモーガンを高々とリフトアップし、場外の菊地と泉田に投げつけるスミス。それを横で拍手するモデスト(笑)。
その後もトリッキーなムーブで相手を翻弄したのがモデスト。翻弄されたのは主に泉田。
例えば、コーナーに泉田を振って突進するモデスト。泉田はお約束で足を前に出して止めようとしますが、モデストはそれを潜り抜けてそのままリング下へ。そこから泉田の両足を引っ張って、股間をコーナーポストにぶつけます。泉田、しばらく動けません(笑)
しかし最後はモーガンが捕まり、泉田の喉輪式STO→隕石→ラリアットで轟沈。これで決着がつきました。
<第6試合>秋山・金丸 VS 多聞・志賀
実は今日一番注目していた試合。離脱後初めてスターネスと相対する志賀がポイントです。
その志賀は、噂通りレモン色のタイツで入場してきました。前は銀色のガウンを着てましたが、ガウンはやめたようですね。志賀はコールの時にも白と黄色の紙テープが飛んできましたから、タイツを変えたという情報はかなり浸透していたようです。
そして試合。いきなり秋山と志賀が先発です。ロックアップからの力比べから入る静かな展開でしたが、ロープブレイク時の緊張感がいつになく凄かったです。2回目のブレイクで志賀が秋山にエルボーをかましましたが、すぐ離れてしまったのが残念。ここでもっとバチバチやれば良かったのにと思ったのは僕だけではないでしょう。NOAHのトップどころだと、そこから火の出るような打撃戦でつかみを取るのが定番ですからね。
その後も試合は志賀と秋山・金丸の絡みが中心。秋山は志賀との打撃戦に応じるなど、志賀のペースに付き合いつつも要所で厳しい攻撃を仕掛けます。花道まで志賀を連れて行ってパイルドライバーを食らわしたときは、志賀は客席に転がり落ちてしばらく戦闘不能になっていました。金丸は金丸で志賀を意識しているようで、急所蹴り→ハリウッドスタープレス→ムーンサルトプレスの波状攻撃を仕掛けます。
しかし攻められても折れない意地を感じるのが今の志賀。秋山に場外に落とされた後も、降りてきた秋山を逆に鉄柵に叩きつけると、多聞がリング上で金丸を捕まえたところへトップロープからダイビングボディプレス!カウント2で金丸が返すとすぐさま腕ひしぎへ移行。これを金丸がロープに逃げるとスイングDDT→再び腕ひしぎ。戻った秋山がこれをカットすると、多聞が秋山を分断してコーナーに釘付けにします。その間に志賀が、垂直落下式DDT気味に頭から金丸をマットに突き刺し、これでフィニッシュ。志賀が自ら勝利を手にしました。
試合後、多聞は志賀を花道に引っ張り上げると、お先にとばかり1人で花道を帰って行きました。残った志賀の手にはマイク。
「秋山さん、1度僕とシングルでやって下さい。お願いします!」
声の出しすぎかガラガラ声でしたが、志賀は初のマイクだったのでは?全部敬語なのがこの人らしいです(笑)
個人的な感想ですが、多聞と志賀は志賀の頑張り次第では意外といいコンビになりそうな気がします。今度この2人でVSノーフィアーがありますが、これが試金石になるかもしれませんね。バーニングと別枠でこのタッグを続けるのもありかもしれない。
<第7試合>森嶋 VS スコーピオ
GHCタッグ前哨戦の第2弾。まずは森嶋とスコーピオのシングルです。
いつもと特に変わらない様子で踊りながら入場してきたスコーピオ。さすがに試合中はお笑い抜きで臨みますが、目の色変えて突っかかるほどではありません。まあ、これがこの人の持ち味なんでしょうね。
かなり早い時間帯でのスコーピオのダイビングギロチン→ムーンサルトプレスをしのぐと、森嶋はコーナーへの串刺しラリアットを連発。さあこれからというところで、スコーピオが森嶋に飛びついて回転エビ固め。カウントが入ります。
1!2!3!……エッ? (;゜凵K)ノ マジ?
目が点になった場内をよそに、3カウントをかっさらって花道に逃げるスコーピオ(笑)
信じられんといった顔で見つめる森嶋に、スコーピオは笑顔で頭をちょんちょんと指差し、踊りだします。してやられた森嶋は、呆然としたまま帰って行きました。
<第8試合>力皇 VS ベイダー
今度は力皇とベイダー。
ベイダー相手に、力皇は小細工なしの真っ向勝負を挑みます。一度はぶちかましでベイダーを倒しますが、相変わらず強烈なベイダーハンマーで主導権はベイダーへ。やはり打撃戦だとベイダーに分があります。
そして試合は場外戦へ。鉄柵を越えて客席へなだれ込むと、ベイダーは椅子で力皇を殴打。そこへスコーピオまで加勢し、リングへは誰も戻らないままゴングが打ち鳴らされました。
この時点でベイダーの反則負けは決まったのですが、デモンストレーションはこれで終わりません。ようやくリングに戻ったものの2人がかりで力皇を痛めつけるベイダー・スコーピオ。そこへ森嶋が裸足で力皇を救出に入ってきて、ゴングが乱打されるのも無視してリング上は乱闘に。しかし森嶋の裸足って…よっぽど慌てて入ってきたんでしょうか。
結局これを制したのはベイダーとスコーピオ。勝ち誇ってマイクで何やら叫ぶベイダーの傍らで、無残に大の字となった森嶋と力皇。特にチョークスラムとスコーピオのアシスト付ビッグクランチを1人で食らった森嶋は自力で起き上がれず、セコンドに背負われて帰って行きました。
おそらく、ベイスコの2人は最初からこれを狙ってたんでしょうね。
<第9試合(メイン)>三沢・小川・丸藤 VS 大森・高山・杉浦
ふう、ようやっとメインだ。もしかして今までで一番長い観戦記じゃなかろうか。
この試合では小川に注目していたんですが、いつもと特に変わったところはありませんでしたね。高山を次々と丸め込んでおっ?とは思わせたものの、時間帯が早くて決まり手にはなりませんでしたし。この人はタイトルマッチ前でもマイペースを貫く、ということなんでしょうかね。らしい気もするけど、もうちょい目立とうとしてもいいと思うんですが。
試合のほうはそれなりに熱くなりましたが、結果的に丸藤の捕まる時間が長かったような気がします。ノーフィアーには苛め同然に扱われる丸藤。杉浦相手でも今ではかなりきつそう。今日はジュニアの枠でタイトルマッチの前哨戦を組んでやってもよかったように思うんですが…。どうなんでしょう。
しかし最後は、その丸藤がラ・マヒストラルで杉浦から取りました。カウント3つめが微妙でしたが、勝ちは勝ちです。橋が前の試合で勝ってますから、面目は保ったという感じでしょう。
この日はどの試合もそこそこ平均して楽しめたような気がします。GHCタッグの前哨戦が消化不良ではありましたが…仕方ないですかね。4.6にその分期待をかけておきましょう。
ただ、第一試合はやっぱり若手の試合が見たいですね。ファミ悪は過渡期だからいろいろ試してみるのもいいとは思うんですけど、やっぱり最初の試合でやるものではないと思う。あれは肩の力を抜いて見るものであって、最初から脱力しては音と光で盛り上げる意味があまりない気がします。
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