ノア 2002.2.17
小橋復帰戦 日本武道館大会観戦記

投稿者:彼方さん

観衆:16500人


さて、ついにやってきました2.17。
ここで公約(笑)した通り仕事を放り出して、行って来ました武道館!
以下、観戦記・彼方編でございます。毎度のごとく拙文で、しかも細かい技のやりとりは全然憶えていなかったりするのですが、それでよろしければお付き合い下さいませ。

行った事のある方はご存知だと思いますが、武道館の最寄り駅は地下鉄の九段下という駅です。
僕は営団地下鉄東西線でやってきました。車内はそれなりに人がいたんですが…九段下に着いた途端、お客さんが大量下車。
まじっすか。
このお客さん…もしかして皆武道館へ?

予感は当たりました。このお客さん、目指す出口が皆一緒です(笑)。そう、武道館に一番近い出口へ…。
まじっすか。
みんな仲間なんか…(笑)

あとは言うまでもないと思いますが、とにかく人、人、人開始時間ぎりぎりなのにすごい数です。
武道館に着くと大混雑状態で、2階席北側の自分の席までなかなかたどり着けません。着いたときには、仲田リングアナのカード紹介は既に終わっていました。
会場は中央のリングに向かい、赤と青の花道が延びています。選手入場口はさながら外国の古城の入り口みたいなセットになっていて、周りに火が灯せるようになっていました。
席に着いて間もなく照明が落ち、NOAHのテーマ曲が緑のカクテル光線とともに流れてきました。さあ、いよいよ始まりです!

<第一試合>KENTA・鼓太郎 VS ヨネ・ゴディ
いつも通りタッグでも選手は1人ずつ入場。鼓太郎の入場テーマを聴くと、なんかスーパーモンキーズが出てきそうな気がするのは僕だけでしょうか。え?知らない?それは失礼。
そして今回は、選手のコールは全員入場してから行っていました。一番人気はやはりKENTAでしたね。
で、試合はヨネ・ゴディの奇襲からスタート。ゴディの試合は初めて見ましたが、叔父スリンガーの影響かキックを多用しますね。彼なりの色が出るのはまだこれからかな。対して鼓太郎を見るのは3回目ですが、見るたびに良くなってますね。本当に楽しみです。
締めたのはKENTAで、ゴディをファルコンアローで下しました。KENTAはやはり空中殺法に頼り過ぎないない組み立てを模索してるみたいですね。今回も目に付いたのはスワンダイブ式のミサイルキックくらいでした。

<第2試合>ラッシャー・百田・館長 VS 永源・泉田・輝鎮
これについてはもはや説明の必要なしですな(笑)。いつもの面子によるいつものネタでした。
永源のジャイアントスイング23回(!)、唾は何回だっけ?ラッシャーが2回ほど餌食になったのは憶えてます(笑)
最後は館長の後ろ廻し蹴りが輝鎮に決まって終了。

<第3試合>池田・杉浦 VS モデスト・モーガン
モデストは入場時から例のスマイルを四方八方に大サービス。イライラしている人は、あれを意識的に真似するとイライラが多少抜けるかもしれません。周囲に奇異の目で見られる覚悟が必要ですが。
対して池田。相変わらずグラサンとアフロヅラです。ボディーチェック前にガウンとグラサンは取りますが、ヅラだけは外しません(笑)。当然ながら山本レフェリーに速攻で剥ぎ取られました(笑)。
しかし実際に試合で目立ったのは杉浦でした。モデストのいつものムーブをそのまま真似したかと思えば、池田がタッチを要請しても親指立てて

ニカッ☆( ̄▽ ̄)d

再びタッチを要請しても、

ドウモ!(__)m

池田にタッチしようとしません(笑)
最後もジャーマンから変形のバックドロップでモーガンを仕留め、勝利を手にしました。
試合後は池田と杉浦が握手して抱擁。今日はずいぶん素直だなと思ったら、帰りの花道で池田が杉浦を蹴落としてました(笑)。やっぱりただじゃすまないこの2人、面白いから当分は仲良く喧嘩してて欲しいものです。

<第4試合>小川・佐野 VS スコーピオ・スリンガー
スコーピオは踊りながら入場。これだけならいつも通りなのですが、なんとスリンガーも合わせてムーンウォークをやってました。妙に上手いんだこれが(笑)
しかし試合自体は…あんまり記憶にないな。最後は小川がスリンガーを押さえ込んだ上に、佐野のソバットを食らったスコーピオが折り重なってしまい、2人に圧し掛かられたスリンガーがフォールを返せず3カウント(-_-;)。あんたら、いいのかそれで。

ここで一旦休憩。前回の武道館はノンストップで非常に疲れた記憶があるので、休憩入れたのは正解でしょう。この時点で16時20分くらいでした。

<第5試合>田上・多聞・雅央 VS 彰俊・志賀・橋
15分くらい休んで興行再開。先にスターネスが入場しましたが、一番声援が多かったのは実は志賀。いつも思うことですが、何気に会場人気高いんですよ、志賀って。そして相手側ですが、田上には結構な規模の田上コールが。NOAHで初めて聴いた気がする。
そして試合。予想通り橋が出づっぱり。多聞にヘッドバット連発しますが、頭突きなら多聞は先輩、橋に付き合って解禁するとやっぱり橋はかないません。最近ここでは評価の高い橋ですが、今日はいまひとつでしたかね。
代わりに今日目に付いたのは、なんと言っても志賀です。志賀です。ええ志賀ですとも。…しつこい?
実際今日の志賀は一味違いました。普段なら弱弱しいエルボーやラリアットが今日はずいぶん気持ちが入ってたように見えました。脇固めで田上から、腕ひしぎで多聞からロープエスケープを奪い、スイングDDTからはいつもの強引な脇固めではなく、すぱっと三角締めに移行。受けた多聞がずるずると沈んでいったときは落ちたか?と思ったくらいです。雅央がこれをカットしたときはブーイングが起きましたよ。
最後は橋が雅央のアルゼンチンに捕まってしまったんですが、話はここからでした。試合後彰俊と何やら話していた志賀、ようやく起き上がった橋と握手、そして抱擁。彰俊にも同じように挨拶して、1人先にリングを去ったのです。
残された彰俊と橋は後を追わず、反対側へ退場…。ついに心を決めたのでしょう。志賀、新たな旅立ちの時です。

さて続きをば。

<第6試合>菊地・金丸 VS ライガー・井上
第5試合が終わった直後から、場内ものものしい雰囲気に。当然です。これから始まる試合は新日本ジュニアとの交流戦…もとい対抗戦なのですから。
まず井上入場。それなりの拍手とブーイング。
そしてライガー入場。「怒りの獣神」が流れ出した途端、意外にも場内一斉に手拍子。
しかしリングインした瞬間…場内大ブーイング
そうだそうだ、それでこそ対抗戦。
そしてNOAHジュニア入場。まずは金丸。凄い大歓声金丸にここまで歓声が飛んでるのは初めて見た。リングインするやライガーとにらみ合う金丸。既に戦闘モードのライガー、金丸にマントを投げつけ!真似して井上もシャツを金丸に投げつけ!
早速小競り合いのなか、今度は菊地入場。これまた大歓声。リングインしていつものようにロープに走り、戻ってライガーをひとにらみ。ここでまた大歓声。
既にヒートアップ気味の雰囲気の中、試合は新日ジュニアの奇襲からスタート。菊地を捕まえ、そのまま主導権を握ります。それにしてもライガー、自分の役割がわかっていると見えていかにも憎々しげな立ち振るまい。ライガーが何かすればすぐさま大ブーイング、ピンチの菊地には大菊地コール、菊地が反撃すれば大歓声。ここまでベビーフェースとヒールがはっきり分かれれば、そりゃ燃えないほうがおかしい。僕もすっかりNOAH側に肩入れして見てました。
試合の方は、何とか菊地が金丸に繋いでも状況はあまり変わらず。NOAHはなかなか活路が見出せません。…しかし!そこは持久戦に強い全日系、相手の技を受けまくりながらも徐々に盛り返します。金丸がライガーに急所蹴りを見舞い、菊地は腕ひしぎでライガーの左腕を攻めます。ライガーは何とかロープに逃げて右の掌打で菊地を振り切り井上にタッチ。この井上が出てきた金丸とやりあい、グランド卍固め、そして十八番、トライアングルランサー!。
しかし井上の頑張りもここまで。カットに間に合った菊地は井上に火の玉ボム!すかさず金丸、ダイビングボディプレス!続けてムーンサルトプレス→垂直落下式ブレーンバスターと繋ぎ、金丸が井上からカウント3!菊地に場外で抑えられたライガーは井上を救助できず。緒戦はNOAHジュニアの勝利!観客は拳を突き上げ大歓声。
試合後、勝ち誇る金丸に収まらない田中とライガーが突っかかり、両者ヘビーの若手も交えて大乱闘。新日には帰れコール、NOAHにはまた大歓声。こりゃ、この対抗戦、ここでやめるわけにはいかなくなりましたな。次は誰だ?

<第7試合>丸藤 VS フービー(GHCジュニア選手権)
NOAHのタイトルマッチは、それぞれに専用のテーマ曲があります。そして曲が終わると、えらい大音量の火薬が爆発します。今回も曲が終わった途端

BOMB!

…心臓に悪いっすよ(^^;
さてこの試合、前の試合でヒートしすぎたのか、場内ちょっとお疲れ気味の中で始まってしまいました。それでもこの2人なら、そんな気分も吹っ飛ばしてくれるはず…だったんですが…。
序盤、意外にも静かな立ち上がり。
・・・・・・
5分経過、まだ静かです。
・・・・・・
10分経過…お〜い?
どしたの2人とも?トーナメントで見せてくれた、あの名勝負を再現してくれるんじゃなかったの?
いや…確かに1つ1つの技は凄かったんですよ。フービーは相変わらず我が目を疑うような信じられない切り返しを見せるし、丸藤は丸藤でフービーをコーナーに逆さづりして、なんと1つ横のコーナーから串刺し低空ミサイルキック放つし。
でも、今回は繋がらなかったんだな。前回はこの攻防がノンストップで続いたのに、今回はぶつぶつ寸断されてしまって…前のが凄すぎたんですかね?
試合の方は不知火2発で丸藤がフービーの挑戦を退けました。25分近いロングマッチで丸藤はかなりしんどそうでしたが、フービーは試合後ノーサイドと見せかけて乱闘を仕掛けてました。多分フービーも内容に納得行ってないんでしょうね。いずれ機を見て再戦が見たい2人でした。

<セミファイナル>大森・高山 VS 森嶋・力皇(GHCタッグ選手権)
この試合もタイトルマッチということで、例によってテーマ曲の後にまた

BOMB!

…だから心臓に悪いって(^^;

さて両者入場。ここから試合開始までは両者とも静かなもの。それが逆にタイトルマッチならではの緊張感を感じました。いつもならどっちかがゴング前に突っかけるのが普通になってますからね。
さて開始。序盤で力皇が高山のニーリフトで場外グロッキー状態になってしまい、森嶋がローンバトルを強いられます。ノーフィアーの波状攻撃にダメージの大きい森嶋。ようやく復帰した力皇が介入しても、すぐ蹴散らされます。大森に至っては「おい、起きねえよこいつ」と相手を指差し、起き上がるのをわざわざ待つ始末。余裕です。
しかしノーフィアーにとって、この余裕が結果的に仇となりました。力皇が高山、大森に連続して投げ捨てジャーマンを決めたあたりから流れが変わり(これがエグかった。大森なんか技が流れたのか、落ちるときに首が曲がってたし。危険だぞ力皇)、大森に照準を絞ったW2はダブルインパクトも成功。救助に入った高山には森嶋がバックドロップ!場外に落ちた高山を尻目に、力皇はラリアット、そしてパワーボム!
カウント1、2、3!!3つ入った!!!
まさかまさかのノーフィアー敗北。新王者誕生に沸く場内。ベルトを手にしたW2はさすがに感激の面持ち。しかしこんなに早く獲るとは思わんかったよ。おめでとう。ちょっと見直したぞ、W2。

<メインイベント スペシャルマッチ>秋山・永田 VS 三沢・小橋
さて…ついにやってきましたこの時が!
待ちきれない観客からは早くも小橋コール。そこへ場内放送。紙テープの投げ入れは演出の都合上禁止らしい。

そして…照明が落ちました。そこへNOAHでは初のナレーションが…!
流れてきたのは…小橋建太入場の前口上!去年7月27日での小橋のマイクも流れました。
そして大歓声の中、新バージョンの「GRAND SWORD」が流れ始めます!
しかし、大・大・大小橋コールで曲すらかき消されます!
知らない人が見たらくらくらするであろううねりの中…現れました!
小橋建太入場!!!
そして小橋だけでなく、三沢、永田、そして秋山にも前口上が。NOAHでは非常に新鮮な光景。まさにスペシャルマッチなんですね。

小橋は黒のタイツに黒のフード付ガウン姿。フードを取ったら髪は黒に戻していました。
上半身はすんごい体なんですが、それに比べるとちょっと下半身が細いかな。多少は仕方ないのか。

さて試合。最初は三沢と永田が先発しますが、一通りレスリングムーブを見せたら永田は秋山に、そして三沢は小橋にタッチ。出てきた小橋に当然大歓声。秋山と首四つに組み合い、コーナーに秋山を詰めた小橋は逆水平!
バチン!
めっちゃ重そう。やっぱり逆水平やらせたら、小橋の右に出るものはいませんな。

その後いろんな攻防があったんですが、やっぱり印象に残ってるのは小橋が1つ1つ確かめるように出していった技の数々ですね。
逆水平、マシンガン逆水平、ローリング袈裟切り、ソバット、長滞空ブレーンバスター、キチンシンク2回→河津落とし、フロントネックチャンスリードロップ、スリーパースープレックス、ハーフネルソンスープレックス…。新技ダイヤモンドヘッドは永田のローキックに阻止されてしまいましたが、小橋おなじみの技はほとんど出てたような気がします。永田も小橋の技の重さには舌を巻いたんじゃないかな。正直のところ。
しかし、それでも勝ちまでは譲らないのが秋山・永田。要所で小橋の膝を攻めていた2人は、小橋に照準を絞ります。小橋のラリアットをなんと!カウント1で秋山が返すと、2人は三沢と小橋をうまく分断。最後は永田が場外で三沢とやりあううちに秋山が、足に来ていた小橋を捕まえて垂直落下式エクスプロイダー→リストクラッチエクスプロイダー!小橋は動けぬまま3カウントを聞き、ここに復帰戦は終わったのでした。

起き上がれない小橋に、また大・大小橋コール。ようやく起き上がった小橋、三沢と握手を交わしたあと、覚束ない足取りでリング中央に向かい、四方に一礼。よく帰ってきた、本当によくぞ帰ってきたよ、小橋さん…。
そして小橋が退場していきますが、観客は最後まで帰りません。視界から小橋の姿が消えるまで見送るつもりのようです。もちろん僕もその1人でした。
セコンドの肩を借りながら退場していく小橋。出入り口の前で一旦立ち止まり、振り返って会場内を見渡していたのが印象的でした。


ついに小橋が帰ってきました。そして小橋の周りも、既にいろんな動きが出てきています。
力皇がW2で結果を出しました。菊地は対新日ジュニアで意地を見せました。志賀は志賀でスターネスを卒業しそうです。そして秋山はこれからもチャンピオンとして、小橋の前に立ちはだかることでしょう。
「小橋さんが帰ってくることで、NOAHは完璧になります」
こう言ったのは秋山です。完璧になるかはまだわかりませんが、もっと面白くなることは確実でしょう。楽しみで仕方ない!これからもNOAHに僕は注目していきます。