当日券常連は30分前会場入りが鉄則。調子こいてるとろくなポジションがとれません。コンビニで食料調達もそこそこに、膳所駅からダッシュ!! ところが……
はいってない。ちっともはいってないよ(爆)。五割も入ってないんじゃなかろうか。御陰で二階席最前列に座れましたぜ。考えりゃここらのプロレスファンは来る三大メジャー帝都決戦のために溜め込んでるはず。そうに違いない決定。そう言えばなんでノアの会場にはホイットニーが流れてるんでしょうね?
音響設備が古いため音割れしまくり。仲田アナ苦労してます。Dream onはもはや超音波。そんなこんなで試合開始。
第一試合 百田VS鈴木
百田センセのプロレス教室。当然ファミ悪のコメディモードは封印。フライングメイヤーとヘッドシザース、王魂で言う全日攻防からスタート。首の取り合いを切り返してリストの攻防へ。プロレスのムーブを丁寧に教え込んでいく百田センセ。鼓太郎も若さで勝負。憶さずに張り手を叩き込んでいくのは今後に期待できます。良い音してました。新人が逆エビの洗礼を受けるのはお約束ですね。
ドロップキックの連続からスラム、やっぱりフォームが串刺し式なのはなんででしょ? フィッシャーマンは綺麗なブリッジですし、ミサイルキックも迫力がある。大事に育てていって欲しい人材です。その全てを正面から受け止める百田。最後のダイビングボディアタックを受けたあと、おもむろに攻撃に転じます。ネックブリーカードロップからパイルドライバー、そして愛情のバックドロップ。鼓太郎、試合後も立てず。
終始、気持ちが前に出てたのは良し。今は毎日が勉強ですから、叩き潰されても全然OK。ただ、怪我だけには注意して欲しいですが。先生バージョンの百田はなんか風格が漂っててなかなか乙ですね。
第二試合 ラッシャー・館長・ヨネVS永源・川端・橋
本日の永源。唾、三列目まで。ジャイアントスウィングはなし。
いつものファミ悪……じゃなかったんだな、これが。コミカル色は控えめで、永源とラッシャーが絡んだ時のみ。ヨネが気合十分のギロチンドロップで会場を沸かせたかと思うと、それに対抗してか橋の強烈過ぎるエルボー、串刺ニールキック。これに川端・館長も呼応した大熱戦となりました。VS若手に限ると、この二人は本当に良い仕事をする。
館長の中段正拳突きからミドルキックの連打、川端の大迫力のブレンバスター、パワースラム。少ない客の中、よくぞあれだけやってくれたと思います。
川端のダイビングセントーンをかわしたヨネ、ボディスラムで叩きつけておいて、
「いきますよみなさん!」
おなじみの掛け声の後のダイビングギロチン! グロッキーとなった川端が館長に捕獲されます。ホイップされた先に待ち構えていたラッシングラリアット。よろよろと後退するところへ、走りこんできた館長の延髄斬り炸裂! 肝心なところで永源飛び込めず(笑)。
ファミ悪であんなに熱くなったの初めてです。ひょっとして、ファミ悪の今後はこんな形に変わっていくのかも知れません。
第三試合 KENTA・井上VS金丸・志賀
スターネス離脱騒動(?)で物議を醸す志賀。何らかのアクションがあるかと思いきや何もありませんでした。初っ端にコケンタにブランチャの先手を取られます。志賀〜!
ただ、技術的なものでは志賀が何枚も上手、金丸との早いタッチワークで雅央を翻弄しつつ、コケンタに照準を絞ります。山本レフリーのブラインドを付くのも上手い。今更ながら、こういうラフや狡さは秋山と行動を共にした成果でしょう。このコンビも長いですが、もう少しすると見ることが出来なくなるのですね……なんか寂しい。予断ですが、ハヤブサの一件以来、金丸のブファドゥーラを見る度にヒヤリとしてしまう。
対するコケンタは孤立しがち、雅央との連携もうまくいかず。気持ちだけでは越えられない壁もある。ウラカンラナやミサイルキックで決定打を放つことは出来ず、頼みの雅央も場外で志賀に封殺される展開。噂のファルコンアローを期待したのですが、そうそう事はうまく運ばない。そろそろ結果を出して欲しいものなんですがね。
ムーンサルトは雅央のカットが成功、すぐさま志賀が場外に強制送還。必至で立ち上がるコケンタに、金丸のダイビングニーアタックin鳩尾。二階席まで鈍い音が響きます。カバーされるも何とかカウント2、しかしとどめのブレンバスターの畳み掛けは返すことが出来ず。
全体的に志賀・金丸の阿吽の呼吸と、コケンタ・雅央のちぐはぐさの違いが如実に出た試合でした。雅央……
休憩十分。ちょっと長くなりました。アリーナで喫煙してるあほんだら、一歩前に出ろ。
この頃になると客席も7割程度埋まり、どうやらプロレス会場らしくなってきました。それまでも結構沸いてたんですが、1000人程度じゃ限りがある。
第四試合 丸藤・菊地VSゲレーラ・スティーブ
スーパースタースティーブ、まだまだ名前負けしてますね。キャリアを考えると仕方ないですが、まだまだ前座固定で鍛えるべき選手だと思います。未来のスーパースターなんだから、じっくりゆっくり焦らずに。
さて、武道館で激突する二人に注目が集まります。チャンプをリング内に呼び込むフービーに応える丸藤、震えるぞハート序盤からヒート。抑えていても感情が出てしまうフービー、ヘッドシザースホイップからブランチャ、鉄柵攻撃とラフとテクを織り交ぜたファイト。丸藤はマイペースに勝負どころを見極めて、ダブルタックルを狙ったスティーブをソバット、タイミングをずらしてフービーにスーパーキック。互いが自分のスタイルを貫き、相手にペースを譲りません。
ただ、追う側のフービーの方が僅かに気持ちが上か。丸藤・菊地組もテク・ラフ・パワーの三拍子に徐々に圧倒されていきます。圧巻は、丸藤に仕掛けたブレンバスター。投げた後もクラッチを切らずに力任せに三連発、しかも最後は垂直落下。かと思えば信じられない角度からDDT、ウラカンラナを決めてくる。これがラテンの血か?
しかし劣勢と言えど、チャンプを崩すに至らず。丸藤スペシャル(笑)と名高い超高度のミサイルキックを皮切りに、要所要所で確実に勢いを止めてくるのは王者の風格ですね。フービーも菊地に照準を変更し、パワーボム〜スティーブのダイビングヘッドバッドで勝負をかけるものの、セカンドロープとサードロープの間からダイブした丸藤のスーパーカットに阻まれ、場外戦に引きずり込まれます。リング上に残されたスティーブを、菊池がジャーマンと火の玉ボムで料理している間、ひたすら場外で殴りあう二人でした。
試合後も丸藤に突っかかるフービー、もはやノアではお馴染みの光景です。
第五試合 田上・泉田VSスコーピオ・スリンガー
恒例のブレイクダンスを失敗するスコーピオ。珍しいこともあるもんだと思ってたら、やっぱり凶兆でした。
ロープブレイク間際に乳首を弄られた泉田の怒りが爆発。なんてこったい。序盤からラリアット、喉輪落としと大技を連発する泉田。それに追随して田上も正面から叩き潰しに行きます。五分も経たないうちに三発の喉輪落しがヒット。ペースを渡さない限り、J・ブルドッグスの爆発力は凄まじいものがあります。ほとんど何も出来ないまま、スリンガーがグロッキーに……。
スコーピオも防戦するんですが、リッチが動けない以上どうしても深追い気味にならざるを得ず、田上にあっさりと場外に蹴り落とされることに。厄日ですね、今日は。
結局四発目の喉輪落しから隕石炸裂にてリッチが轟沈し、ノドワオトシーズが圧勝という形でゴングとなりました。こう言っちゃなんですが、ベイダーが抜けた穴はやはりでかい。スミスもシュミットもいないし、ジュニアに近い二人で勝ち抜いていくにはやはり無理がある。あと一人でも大物外人がゲットできないものか。
試合後、息も絶え絶えになりながらも客席に礼を欠かさないスコーピオにプロ根性を感じました。
第六試合 ノーフィアーVS多聞・杉浦
やはりこの二人が出ると違う。でかいベルトも似合い過ぎです。存在だけで場内を沸かすことが出来る選手って、つくづく貴重だと思う。
今日はいつも組んでる杉浦が敵方ですが、お構いなしに攻める攻める。序盤から鉄柵外に拉致監禁。リングで大森が多聞を抑えている間、高山のおっかない攻撃が杉浦にぼこぼこ突き刺さるんですが、そこで一歩も引かない杉浦も凄い。組んで良し、闘って良しとはこの事。杉浦ダウンのあと、ようやく大森を振り切った多聞が救出に入ります。高山に頭突き一閃、杉浦を強引にリングに引き摺り戻す。嗚呼、スパルタ。
どうも多聞はなるべく杉浦に任せ、極力フォローに徹しようという構え。それに杉浦が応え、幾度となく熟練の合体技に捕まりかけるも、致命的なダメージを負う前にするりと逃げてしまいます。ノーフィアードロップもバックドロップ+ネックブリーカーも連続で叩き込んでこそ。
中央で鉢合せを狙ったノーフィアーに、多聞:大森を振り返す。杉浦:高山に振られた勢いを利用して大森にスピアー!……という絶妙のカウンターで反撃すると、脅威の背筋で高山を反り投げ! 更にクラッチを切らずに二連発! 業を煮やした高山、杉浦の首根っこを引っ掴み、殺人的なニーリフト。体重が軽いとは言え、くの字に曲がったまま高山の肩あたりまで跳ね上がる杉浦。敢えて攻撃を「線」につなげずに、ド級の「点」で粉砕しようとするのは杉浦に対する敬意でしょうか。さらに落差二メートルのジャーマン。返せと言うほうが無茶ってものです。
時間は短めでしたが、中々に密度の濃い試合でした。多聞が裏方に徹していたため、杉浦が一人で目立ちまくってましたが、アマレス繋がりとは言え意外と新鮮に映りますね。無所属派をうまく使えれば、マッチメイクにももっと幅が出るのにとはいつも思う。多聞がフォールされている時、
「多聞さ、いけるいけるいけるいけるいけるいける……」
って雅央の掛け声がないのは違和感あるけど。
第七試合 秋山・斎藤VSモデスト・モーガン
なぜか秋山にお子様からの声援集中。あんなえげつない攻めが好きってか(笑)。
外人タッグ屋はおちょくり無しの真面目モード。ドーモもサムアップも一切無し。標的は勿論秋山の右肩です。セオリーとは言え、このまま古傷になるのがちょっと心配。
ただ、もはや成熟期に達したと言っていいスターネスに勝つにはまだ足りない。足のとり方ひとつとっても、様々なアプローチで攻めて、同じ技は二度と使わないんですね。客を飽きさせることなく、なおかつ一箇所を長時間攻め続けられる。外人組もフィッシャーマンネックブリーカー、倒立フランケンで攻めるんですが、花を持たされている印象は拭えません。両者の必殺技を完全に封じ込め、機を見て一気に逆撃するチャンプと攻・防の切り替えを知る副将。まさに役者が違う。ベイダーみたいに、一気に片方を戦闘不能にしてしまうならいざ知らず。
斎藤の裏落しを腰投げで切り返し、秋山にWの河津落しからのWグラウンド卍をかけたところまで。ジャンピングニーでモデストが叩き落されてから、残されたモーガン一人で流れを覆すことは出来ません。串刺ジャンピングニーからノーザンライトスープレックス。カウント2で返されるやすぐさまバックドロップ、空中で斎藤がキャッチしてパワーボムに、これもカウント2。引き起こし、満を侍してのエクスプロイダー。これはモデストのカットが間に合いましたが、斎藤が素早く抑えにまわります。再度引き起こして、悠々と、そして些か急角度でのエクスプロイダー。チャンプをの強さを見せつけての完勝でした。
横綱過ぎてつまんな〜い、なんて言うのは贅沢な悩みですかね(笑)。この二人がノーフィアーとタイトルを賭けた試合をする姿が見たい!
そうそう、お子様軍団がリングの傍でプロレスごっこしてましたが、マット無しの部分で旋回式カナディアンバックブリーカーなんて荒技を披露しだしたときは、正直焦りました(笑)。
第八試合 W2+池田の大ちゃんVS社長・小川・佐野
本日のベストバウト。ノーフィアーに挑戦表明した事により、W2は確実に一皮剥けました。気迫はもとより、メインイベンターとしての責任の自覚が見えてきましたね。試合運びはまだまだ勢い任せなんですが、勝ちに対する執念は良い! まあ、負けるときはえらくあっさり負けるんですけど(笑)。加えて、赤丸急上昇の大ちゃん。最近W2とよく組んでますけれども、上下関係のなさが性に合ってるんですかね。トリオザラリアッターとでも呼称しましょう。
社長組は第一秘書と第二秘書を連れてのメインですが、丸藤が抜けたのは大きいです。悪い意味じゃなくてね。管理人様も仰られてましたが、ジュニアのチャンプが負け役になるのはちょっと問題あり。試合結果の予想がつかない、良いマッチメイクだと思います。社長が獲られる事はまずないけどね。
さて、大ちゃんはいつも通り、アフロとグラサンの侍魂スタイルで登場。W2、佐野、小川と続いて社長の時だけ大三沢コール。スパルタンXはやっぱ不滅です。これを超えるとなると、生半可な事じゃないよ秋山。
試合の方はラリアッターズは打撃を中心に組み立てていきます。とにかく打撃では絶対に引きません。森嶋は社長とエルボーのぶち込み合いをやって、なおかつ倒れない。力皇はMr.Tさんご推薦のぶちかましで、小川のテクを圧殺。大ちゃんは佐野に空中戦を仕掛ける。なんか、強くなったな〜って感慨深いものが。
それに対して社長組はグラウンドで対抗。佐野の監獄固め、小川のトゥーホールド、社長のレッグロック、これが全て力皇の右膝に集中するのだから凄い。
時間が経つにつれ、社長組に優勢な場面が多くなってきます。やはりキャリアは越えがたい壁ですね。ラリアッターズはスタイルが被っているせいか、役割分担がいまいち。なんでW2はカットを二人で行く? 徐々に大ちゃんが捕まる時間が長くなりますが、チャンジザペースのラリアットが効果的に流れを変えて、社長組も攻めあぐねている様子。気がつけば、社長以外の五人、いつ取られてもおかしくない状況にまで持ち込みます。
十五分過ぎ、ついにピンチ到来。佐野の投げ捨てジャーマンが大ちゃんを捕らえる。続く小川のバックドロップ、その間にW2は蹴散らされて、コーナーの大ちゃんに3連続の串刺攻撃。ところが最後の社長にカウンターの大ちゃんボンバー炸裂、虚を突いて小川にも放ち、佐野には久しぶりのレッグラリアット。満面の笑みをこめてイナズマ!! 小川に力皇がラリアット、そのままベアハッグに捕らえてブレンバスター、垂直になった小川にコーナーから体当たりかます大ちゃん。その間に森嶋が佐野にラリアット……またまたしっちゃかめっちゃか(笑)。
20分過ぎ、逆巻く混沌の中、ようやく社長がW2をリング状から追放することに成功。佐野が抑えている間にダブルアームの体勢、そこから正調タイガードライバー! すぐに社長が力皇を抑え、佐野に森嶋を抑えるよう支持。ここぞと言う場面ではやはりベテランのほうが一日の長あり。小川が大ちゃんをバックドロップホールドに固めてカウント、ラリアッターズは無情のゴングを聞いたのでした……。
目まぐるしく状況が入れ替わって、見ごたえのある試合でした。多分細かいところでは色々間違ってるはずですが、ゴングで見ても突っ込まないように。W2はノーフィアーと当たると、叩き潰すか叩き潰されるかどっちかなんですが、別のチームと当たってみると勢いと若さを強く感じます。特にWAVEは老獪さが売りのチームだし。いずれトップ連中にも勝てる日が来るはず。VSノーフィアーオンリーでやるのも結構だが、社長・小川や秋山・斎藤組を目標にして見ても面白い。大ちゃんも自己主張して欲しいと改めて感じましたね。あれだけなんでもやれるんだし。
雑感:
客が少ない! 大津という場所柄仕方ないかも知れませんが……時期的なものもあるしね。でも少ない客の中、選手はみんな良いファイトを見せてくれました。会場の盛り上がりも人数にしては中々のものだし、それはやはり選手の努力の賜物。大舞台を前に、地方でも手を抜かずにくれた選手一同に心から感謝します。隣の初めてプロレスを見たらしいお姉ちゃんが凄く喜んでたのが印象的でした。
若手が頑張ってたのがまずひとつ。これは毎回ですけどね。そう言えば、鼓太郎とレイ・ゴディは交互に出てるんですよね。知らんかったわ。ふたつめが中堅が頑張ってたこと。これはやはりでかいです。トップと若手が頑張ってても、中堅の印象が薄かったら興行も中だるみしがちになりますしね。
|