第一試合 橋VS鈴木
純潔NOAHレスラー第一号、関西にお目見え。使える技もアームロック、ドロップキック、ヘッドロックやボディスラムといった基本技ばかり。せいぜい大技と言えば、ダイビングボディーアタックとフィッシャーマンスープレックスぐらい。まるでファイプロGで若元センセに苛められるプレイヤーキャラのようです。みんなここからはじまったんだな。
それだけに、先輩である橋の技量が注目される試合。序盤の腕の取り合いからビンタとエルボーの打撃戦、ブレンバスターの力比べ、そして拷問技。いささか単調な展開になるのは仕方ないですね。
ちょっと気になったのが、鈴木のドロップキックが今では珍しい正面跳び式だったことかな。大森や丸藤のドロップキックを見慣れていると、そこはかとなく違和感を感じます。駱駝固めと逆エビ固めの連続は耐えたものの、ボディスラムからダイビングヘッドバットでピン。
第二試合 永源・川端・菊地VS木村・百田・ヨネ
いつもの試合です。永源のジャイアントスウィング、二十二回なり。ファミ悪に限定すると川端はなかなか良い動きをしますね。コミカルもパワーファイトもこなせる貴重なキャラ。タッグ戦線に行ってしまった泉田の代役を見事に務めています。
ヨネの方はここで定着するわけはないでしょうが。最後は筋肉を狙ったところにキシンのスレッジハンマー、そして菊地の火の玉ボムで勝ち星を謙譲したものの、来シリーズあたりは本格的にジュニアに打って出ても良いのでは。
第三試合 金丸・志賀VSゲレーラ・マット
常にリング周りの雑用をこなしているマーフィー君。なかなか芽が出ませんが身体能力はかなり良い物を持っているだけに、いつか本ストーリーに絡んできて欲しいですね。ルックスもかなり良いんだし・・・・・・ノアでは貴重よ?
フービーは実は初めて見たんですけど、客を乗せる事に関してはラテン系のセンスを感じます。ごめんな、京都の客はノリが悪くて。大阪やったらガンガン騒ぐんやけどな。金丸に跳んできた紙テープをネクタイに結んで挑発します。そう言えば負けてたんだよな〜決定戦で。
序盤はヘッドシザースの連発からアームロック、レッグシザースを基本に。当然マットが掴まるんですけどね(苦笑)。連携の熟練は一枚も二枚も上手なスターネス。要所要所でフービーをリング外に叩き落しますが、下積の意地かマットも粘る。
流れを一発で変えるのはやはりフービーの巧さ。フェイスクラッシャー、DDTで状態を五分に戻します。こういう選手は常に抱えておきたい逸材だ。
最後はムーンサルトをカットされたあとの、かなりやばい角度のブレンバスターでマットが沈んで終り。最後に四人で握手してたのが奇妙に感じました・・・・・・なんかキャラじゃないんだよなあ。
第四試合 佐野・小川VSリッチ・モーガン
社長とのきな臭い噂が流れる小川。なんらかの進展があるかとおもいきや、なんもありませんでした(笑)。明後日の大阪で何かあるんでしょうけどね。どうもこのタッグで定着しそうな事から考えると、三沢―佐野ラインもそろそろ終りか?
試合内容はもうひとつ。ロメロも失敗に終わったし、両方テクニシャンコンビでキャラが被っていることもあったのかも。お定まりのムーブを一通り披露したあと、佐野がノーザンでモーガンを沈めて終了。リッチやモーガンはともかく、佐野と小川にモチベーションが足りなかったような印象を受けました。
第五試合 井上・本田VSシュミット・スミス
前から思ってたんですが、シュミットって長身の割に身体の厚みが足りませんね。ぎらぎらした部分を表に出していければ・・・・・・と思います。そして岩石の牛、またの名を歩くタイヤチューブ、シュミットの入場。この人の上半身はでか過ぎます。ポストベイダーはスミスに決定か? ガンバッテ〜!!もマスターしたことだし。
そのスミスに、あっさりフルネルソンを切られた井上、お返しとばかりに両手を上げて羽交い締めしろとアピール。だが切れずにロープブレイク・・・・・・カコワルイヨ。本田さんも挑戦するが切れず。恥も外聞も捨てた二人、今度は二人でフルネルソンを掛けますが、あっさりと切られてしまいます。驚くところか笑うところか分りません。
力比べに完敗したアジアコンビ、照準をシュミットの腕に絞って集中攻撃を掛けます。アームロックからハンマーロック、スイッチしてから腕拉ぎ固め。しかしシュミットもバックドロップ、刺す様なドロップキックで切り抜けてスミスと交替。あのぶっとい腕でのラリアットは脅威。スープレックスも見事にこなします。守勢に回った時の脆さを克服すれば、この二人は急成長間違いなしです。
再度スイッチしたシュミットを多聞がデッドエンドの体勢に獲ります。ここはスミスがカットするも雅央に分断され、エアプレンスピンからストマッククラッシャー、水車落しから伝家の宝刀肩固め。雅央に場外戦に持ち込まれたスミスはカット不可能。これでゴング。
第六試合 秋山・斎藤VSスコーピオ・モデスト
ただでさえベイダー欠場で厳しい外人軍。片や主将のテーピングが痛々しい秋山軍。どうなることかと思ってたら。
序盤こそ遊びの要素がありましたが、外人軍の攻撃はめちゃめちゃ厳しいものでした。痛めている秋山の肩を狙って、リング内ではグラウンドと打撃で、リング外ではイス、鉄柵、本部席の机で徹底した非情の攻め。その姿は普段の秋山を彷彿とさせます。ベイダーの穴を埋めるんだ!という強い意識が見えてきました。特に、外人軍の副将スコーピオの心中いかばかりか。
ただ、GHCチャンプを沈めるにはまだ程遠い。新しい合体技、倒立フランケンとダイビングギロチンの複合技も耐えた彰俊が壁になって獅子奮迅、スコーピオを場外に落としてモデストにニールキック、裏落し。慌てて入ってきたスコーピオに秋山がエクスプロイダー! これで勝負は決しました。最後は彰俊の新技、片腕を極めた変形バックドロップでモデストが轟沈。
終わってみれば、タッグ王座に絡んでないのが不思議なぐらいの横綱プロレスでした。
第七試合 三沢・丸藤VS田上・泉田
最近社長の試合にいまいちカタルシスを感じないのは僕だけでしょうか? 入場時は沸くんだけど、試合で出す技がエルボーだけってのはどうかと。正直なところ、セミでやるほどの試合だろうか?
相手のブルドックスに勢いで負けてます。丸藤も相変わらず魅せる部分は一級品ですが、いかんせん軽すぎる。当然、試合展開はブルドックス中心に、出ずっぱりの丸藤に容赦ない攻め。特に、落差二メートルはあろうかというアトミックホイップ二連発(!)は反則でしょう(笑)。泉田も高山を意識してか、普段見せないニーリフトで丸藤を宙に浮かせます。
丸藤もスーパーキックから不知火で勝負を掛けるも、田上が余裕綽々のカット。社長、見てるだけ。出てきたところを田上が捕獲、そのまま喉輪落し。その間に泉田がパワーボム。これはクリアしましたが、次の攻撃に続かない。田上と泉田のツープラトン攻撃、初公開?の3Dクラッシュ炸裂!! でもタイミングずれてる!! 危険度でいうとこっちの方が上なのだろうか? とどめとばかりに田上の投げ捨てパワーボム、大の字になった丸藤に泉田の隕石!! 両手を広げる田植えの壁の前に、社長入る事が出来ず・・・・・・
社長、激務は分るけどもうちょっとやる気出してくれよ。
第八試合 大森・高山・杉浦VS力皇・森島・池田
本日のベストバウト。ノーフィアーはベルトを捲いての入場。池田は今シリーズからのアフロとグラサン。侍魂を意識してるのか?
試合はここで非難轟々のW2が予想外の頑張りを見せます。大森との顔面の蹴り合いを制した森島。高山との打撃戦を制した力皇。お前ら一体誰だ?(笑)。ノーフィアー組の穴、杉浦に集中して序盤は優勢に進めます。しかし殊にタッグマッチとなると、あらゆるテクニックでノーフィアーが上。ぼんくら西永のブラインドをついて、倒れた力皇にエルボードロップの乱打。森島にはダブルタックル、入ってきた池田にバックドロップwithネックブリーカー。
これ以後、ノーフィアーvsW2、池田vs杉浦で試合が進みます。池田と大森の乱闘も挟んで、リング上は六人入り乱れて一触即発。スピアーとジャーマン、水者落しで攻める杉浦、その隙をついて「死ね、エロ!」の叫びとともにデスバレー。誰もが決まったかと思ったときに、高山のカットと言うには重すぎるストンピング。その高山に大ちゃんボンバーオンザトップロープ! 場内はしっちゃかめっちゃか(笑)。書いてる僕も事態の推移が早すぎてよく分りません。
その後のノーフィアーとW2の乱闘の最中、遂に大森が腕を廻します。「アックスボンバーいくぞ!」 狙いは力皇。今度こそ終りかと息を飲む観客。しかし力皇はとっさにダッキング! 体勢を崩した大森を小股に挟み、小橋直伝ハイアングル投げ捨てパワーボム! ほんまに誰やあんた!? グロッキーの大森を肩車した直後、降って来た森島のラリアット! 後頭部ではなく前頭部から落下する大森。ここでダブルインパクトが出るとは・・・・・・。
戦闘不能の大森を黙殺し、二人は残った高山を封じに行きます。リング上に舞い戻ってきた池田&杉浦は無人のリングで決着をつける事に。「筋肉ー!!」の雄叫びをあげてマルマティカの体勢の池田。そのバックでW2に鉄柵攻撃を食らう高山。半年前までは信じられないショットです(笑)。股裂き首折り背骨折りを複合した、四十八の殺人技のひとつを食らった杉浦。もはや立ち上がる事あたわざるなり。
試合後、高山を好き放題に叩きのめした挙句、W2は本部席に置いてあったGHCのベルトを手に挑発。逆上した高山を鉄柵にぶち当ててKOしたあと、さっさと控え室に引き上げてしまいました。マイクを期待したんですが、そこまで頭が回らなかったようで。なんにせよ、GHCタッグ選手権者が、まだ若手の域を出ない二人にボコボコにされたのは事実。記録上では味噌はついてませんが、奇しくもノーフィアーが当時最強と呼ばれた川田・田上組を破った、あの試合とオーバーラップした人も多いのではないでしょうか。
テレビ放送が今から待ち遠しいですね。
総論:
客入りはほぼ満員。1500人の公称もまあ妥当な数値でしょう。というのも今回の会場のKBSホールはキャパがディファ並で、しかもリングが中央に設置できないせいで、立ち見が一面に寄ってしまうのです。ステンドグラスの真下でプロレスを見るのも凄まじい違和感を感じるのですが、おかげで人数が把握しずらいことと言ったら。立ち身席は黒山の人だかりで見るのも一苦労。
大会全体の点数とすれば少々辛口で65点。会場の難を差し引いても、やる気がある選手とない選手の差が激しすぎる。ともすれば一方的な展開になりがちで、良く言えば安心して、悪く言えばマンネリの嵐となる。熟考を。
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