客の入りは8〜9割くらいか、かなり立ち見が多いのも大阪らしいですな(笑)。
第一試合 永源&泉田vs百田&ラッシャー
いきなりファミ悪。不安が的中した形に。個人的に、あれは第二試合に入れるのが一番だと思うんですけどね。どう考えてもテンションを高めるタイプの試合じゃないし。会場が暖まって、初めて楽しめる余裕が生まれるわけで。
試合の方は良くも悪くもいつもの試合。菊地がいないだけで微妙に違和感を感じるのはなぜでしょうか。客もいまいち乗り切れてないように思いました。
最後にラッシャーのマイク。関西に来るのは今年度中は最後との事。来年もよろしくお願いします。
第二試合 B・J・ホイットマーvs大ちゃん
開始早々つっかける大ちゃん。マウントポジションからパンチの嵐、ギロチンチョークをカウントいっぱいまで粘ってから場外戦。立ち見の僕には何がなんやら。
ホイットマーは初めて見たんですが、まだまだ新人臭さが抜けないとはいえ、なかなか良い選手ですね。ドロップキックも切れがあるし、フィッシャーマンスープレックスは特筆すべき奇麗さだし、ルックスも良いと来たもんだ。
とは言え、大ちゃんのバチバチファイトに対抗するにはまだまだ経験が必要らしく、適当に受けられたあとの大ちゃんボンバー、腕十字のあとに、ストラングルチキンウィングアームロック、通称池田ロックであえなくタップ。この間5分強。
なんか妙な試合でした。というよりつまんなかった……大ちゃんの方に相手を光らす気が無かったようで。これはひょっとして初めての観戦失敗かと覚悟を決める僕。
ところが……
第三試合 佐野&KENTAvsリーダー&館長
そ〜〜なんです!(アサヤン風) この試合が素晴らしかった。なにが良かったかと言えばKENTAの頑張り。コケンタがらみの試合で、いまだかつて外れが無いですね、僕は。
大技も繋ぎ技も満足なフィニッシュホールドも無い、そんなKENTAの武器と言えばただひとつ! 熱いハートですよ! どれだけ倒されてもふらふらになりながら立ち上がって、なんとか一矢報いようとするKENTAの根性に、第三試合にして早くも2000人の重低音ストンピング。最後は館長の飛び後ろ回し蹴りに沈みましたが、その前にジャンピングパイル、かなり良い角度のニールキック、ジャンピングパワーボムを返しての敗北だけに、会場の温度が二、三度上がったような感覚でした。
マジな話、小橋建太の後を継げるのは小林健太しかいないと思う。彼にとっては、きっと毎日が三冠戦なんでしょうね。
そうそう、コケンタ入場時に今大会最初で最後の紙テープ。やっぱ、ああいうキャラがもてるのねえ。
ここで休憩。しかも5分。煙草を半分吸ったところで再開。ひょっとして、休憩の煙幕対策ですか? ジュース購入と二者択一じゃん。
第四試合 スターネスの兵隊たちvsW2&スギ
カード見て一発で解るように、橋と杉浦が集中攻撃に会う展開に。しっかしモリシーの腹は見事にたるんでますなあ。普通に立ってる時はいいんだけど、ちょっと身体を曲げるとジャバランジャバランジャッバッラ♪ってくらいの蛇腹。
とは言え、この試合もなかなか満足。橋と杉浦がほとんど試合を作ってましたが、これがまた噛み合う事。一番目立つべきW2が霞と消える奮闘ぶり。
特に橋。相手の攻撃の8割を一手に引き受け、ブリティッシュフォール(!)、変形フィッシャーマンで切り抜けつつ、志賀と金丸に後を託す形に持って行く。ボロボロになりつつも自軍コーナーに辿り着いてタッチ、その後に颯爽と飛び出す志賀のカッコいいことと言ったら(笑)。
ラスト、力皇の合掌捻り、倒れこみラリアット、それにパワーボムの三連コンボをいずれも返す橋でしたが、とどめのブルーサンダー(覚えてます?)までは流石に返せずジ・エンド。でも一番の殊勲は橋でしょう。
ひょっとしたら、NOAHの未来はヘビーよりジュニアの方が明るいのかも知れない。
第五試合 ZERO-ONEからのお二人vs田上&菊地
25日愛知の前哨戦。当然序盤から激しいメンチの切り合いに。でも正直、思っていたほど激しい試合にはなりませんでした。理由は菊地。攻め込む高岩に対して、それを全部受け止めることでアピールしようとしてたんですな。無論、返すエルボーは普段の菊地からは想像の出来ない激しいものでしたが、どっちが強そうかと言えば文句なく高岩でした。菊地の印象残らないよ。火の球ボムも出なかったし。個人的に、ゼロ戦クラッシャー解禁してくれるものだと思ってましたけど。
それよりもむしろ、田上と星川の蹴り合いの方が面白かった。あの田上が! あの田上がですよ!? 上段回し蹴りなんかするんですぜ! 星川もしっかりスーパー流星キック決めるし。
結局、リング外で高岩と菊地が小競りあってる間に、星川が喉輪落としにつかまって終了。ゴング後にしきりに高岩が挑発するも、結局菊地は応じず。なんだかなあ。
第六試合 ノーフィアーvsモデスト&モーガン
いよいよ真打登場。やっぱりなんだかんだ言ってもこの二人が出ると、会場の空気が変わりますわ。多分テレビでもやるから見てくださいまし。後ろの壁際で見てるのが僕です(爆)。
さてさて、巷では今回が最後かも知れない外人のお二人さん。相変わらず「相手をおちょくる」事にかけては天下一品。あのノーフィアーに中指つきたてるわ、唾は吐き掛けるわ。それを本気になって追い回す大森&高山。
なんか、外人軍団の中でも特にこの二人に関しては「技のおもちゃ箱」って言う表現がぴったりですね。「技のデパート」は古館だったかな。おもちゃ箱でも外国製の珍しいおもちゃと言った風情で、なんか妙にオリジナリティのある技ばかり。見てる分には楽しいですけどね。
とは言っても相手は初代(笑)GHCタッグ王者。連携では他選手の追随を許しません。あっさり分断に成功すると、モーガンに狙いを定めての波状攻撃。やっぱり、タッグベルトはこの二人が一番相応しい。そう思った一戦でした。
高山がモデスト(さっきおちょくられたのを根に持っていたようで)を抑えて……と言う割には異常に厳しい攻めで悶絶させている間(ニーリフトとキックなんですが)、大森がモーガン(唾の吐きかけあいやってました。永源かあんたら)にフライングニールキック、トラースキック、フルネルソンバスターといつものフルコース。返すモーガンに悔しがる大森。またまた〜決めるつもりは無かったくせに(笑)。観衆全ての予想通り、腕をぶん回して立ち上がる大森にテンション最強の会場。
かくして、大阪の夜空に響き渡った「ンンァアックスボンバァァァ!!!」。
試合後、ゲートの裏からなにやら怒鳴り声。府立体育館は狭いもので、ゲートの裏の廊下が短いんですね。だもんでインタビューが筒抜けで。テレビで御馴染みの流暢な罵声とカミカミの罵声。顔を見合わせる聴衆に聞こえた「俺たち! ノーフィアー!!」
その瞬間、皆さん申しあわせたように一斉の拍手。まさか、生であの台詞が聞けるとはね。インタの内容はよく聞こえなかったけど、大体察しがつくからまあいいか(笑)。
第七試合 AA砲vsアジア砲
実質のメイン。理由は後述します。
カード発表を聞いたときはなんの目新しさも無いカードだと思ったんですが、よく考えたら今やタイトルかかってても可笑しくないんですよね。
この間の秋山の初防衛戦より、多聞のグラウンド技術の凄さが知らしめられましたが、今度も多聞が凄かった。秋山がなにしてても、いつのまにか多聞がバックをとってたり、上になってたりするんですよね。本当に強いわ、この人。
秋山軍が多聞の膝に集中砲火、動きを止めておいて雅央を狙う展開になりましたが、それでも隙をついてのタモンズシューター、とんでもない角度のデッドエンドを決めてくるところは流石。あとは雅央が凄みを見せてくれればとんでもないチームになると思うんだが。
斎藤がスイクルデスで雅央を仕留めたものの、そんなことを漠然と考えておりました。人間変われば変わるものだね。多聞を本気にさせた秋山も凄いんだけど。
第八試合 WAVEvs古参外人軍
この試合、はっきり言ってメインにもかかわらず無きに等しかった。一応、札幌の前哨戦と言う形になるんでしょうけどね。
ベルトを持参して現れた外人軍、それを十分に見せつけたあとにゴング。試合は三沢とベイダーで始まります。期待が高まる客席。
リッチと丸藤のテクニック合戦、ベイダーと三沢の打撃戦、小川をおちょくるスコーピオと、ある意味静かな立ち上がり。
場外戦にもつれ込んだあと、スコーピオが鉄柵にふられ、ランニングエルボーで客席に叩き出された時、ベイダーがおかしくなりました。なんかもう怒り爆発って感じで。お子様なんか泣いてたし。
小川をリングに戻してからラリアット、そしていきなりスカイハイチョークスラム! これで完全にグロッキーになった小川、あえなくスコーピオのムーンサルトでピンフォール。なんだこりゃ!?まだ5分過ぎたところだぞ?
試合後も狂乱は終わらず。三沢にラリアット、倒れた社長の上にベルトを並べ、その上からビッグバンクラッシュ。止めに入った小川に三冠戦級のビッグクランチと。
呆然とする観客とリングに横たわる三人を知り目に、目いっぱい勝ち誇って帰っていった三人。これは……なんなんでしょう? 恐いベイダーが帰ってきたと見ていいのか? それにしても、あまりに身も蓋もない試合。話題作りだけで終わっちゃったかのようで。
と、毒気を抜かれて帰途についた大阪のファンでありました。
総括
最初はどうなるかと思ってましたけど、終わってみればなかなか面白かった。特にジュニアの若手の頑張りがね。やっぱり元気を貰ったような気になりますよ。この水準が地方全体で維持できりゃもっと良いんですけどねえ。
若手に限れば、KENTAと橋は今日のMVPと言ってもよろしい。逆にW2はもっとしっかりせい。力皇はともかくモリシー! あの面子なら目立って当然でしょうが。なんでカット防止要員になっちゃうかなあ。ただ一つ救いがあるとすれば、W2の放ったラリアットが力皇の最後の一発だけだったこと。これはいい傾向ですよ。もっとも出すほどリングに出てなかったとも言えるんですが。
それと、タイトル戦の前哨戦が二試合ありましたけど、これはどちらも頂けなかった。まあ、ああいう終り方があるから本戦が生きてくるとも言えるんだけど(極めて新日的な発想ですが)、それにしてももうちょっとなんとかならないものか。特にメインは、ベイダーの暴走を差し引いても、興行の締めにはちょっと厳しい。今日はたまたまだと信じたいんですけどね。
最後に周辺部分について。売店でポートレート買った人にベイダーがサインという企画があったんですが、こういうのは地方でもどしどしやって欲しいですよ。若手選手でも実際に頑張ってるレスラーからサインしてもらうのは嬉しいものです。
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