2005年12月24日 ハッスル・ハウス クリスマススペシャル
後楽園ホール大会観戦記 |
観衆:2280人
恒例となりつつある年末2連戦の第一戦となります。2005年最大のイベント、
ハッスルマニアの成功により波に乗るハッスル。その影響か、チケットは
入手し辛くなったり、ヤフオクで定価以上で売買されるなどその人気には
拍車がかかっている模様。この勢いのままに年末を良い形で締めくくって欲しい所です。さて、この時期に時間を作るというのはかなり難しい事であります。
自分はこの2連戦の為に調整をしたら周囲から殺人魚雷コンビのピーク時並の
ブーイングを浴びる始末。プロレス観戦の為に他人からの評価が下がるとはこれ如何に?
とは言え、何とか退かぬ!媚びぬ!顧みぬ!の精神で切り抜けてきた次第です。会場入り。自分の席は南側B列の中央と中々の良席。マニアの面白さに魅入られて
自分に付いてきた物共は放置しておいて、会場内を見渡してみると立ち見客も大勢存在し、
満員直前と言った感じでした。そうこうしている間に会場は暗転、オープニング開始。
『HARD GUY’S NIGHT フォーー!!』
スクリーンではデビル雅美が会場の観客に来場感謝を述べ協賛を紹介。
協賛の会社は結構増えてきた感じです。続いてGM草間が登場。
会場中から「ハゲ!」コールが鳴り響きます。完璧に定着してきたようですね。
相変わらずの歯切れの悪い喋りの草間、その最中に突如現れたのは
ハッスルマニア成功の大きな一因ともなったヒロコ&健想&笠原。ヒロコはアメリカだったら射殺ものだと草間の喋りは批判。いきなり
会場の客の心を掴み好スタートを切ります。続けてスクリーンでは
草間とヒロコ&健想の契約更新のシーンが流れます。ヒロコ達の悪巧みで
契約更新とGM交替の書類をすり返られた草間。GMの権限を失ってしまい、
代りに来年からはヒロコがハッスルGMとして活躍するようです。退陣させられた草間と利用されていた笠原。リング場に残ったヒロコは
「明るい未来が見えました!(会場爆笑)」と夫の迷言をアレンジして開演宣言。
第1フォー
ハッスル仮面レッド、ブルー、イエロー○対サタン・ザ・サンタ2005、ア・トーナ・カイ●、カ・トーナ・アイ試合前のスクリーン、キャバ嬢の話で盛り上がる安生&島田に突っ込む高田総統。
しかし総統はそれを利用して「元気があれば何でもできる!」何処かで聞いた事がある台詞を吐き出し、
クリスマス限定モンスターの紹介をした後に1年振りとなる「1!2!3(サン)!ター!+
アーシャ!」でしっかり会場を温めます。良い感じの流れで第一フォーが開始。お馴染みのハッスル仮面とサンタクロース&トナカイを模したモンスターの対決。
相変わらず一番人気はイエロー。その他レスラーが飛んだり跳ねたり走ったりで頑張ってみても
イエローの一投一飛にどうにも叶わず、観客の声援は全てイエローがさらっていく展開。終盤、劣勢となるハッスル軍。しかしイエローの旋回式ヘッドシザースホイップ、619で大反撃。
最後は会場からの大手拍子付きのダイビング超肉弾プレスで勝負あり。
最初の試合から観客も非常にノリ良し。良好な幕開けとなりました。
第2フォー
Erica●、マーガレット対ジャガーY、○ドクロンZアリシンZからパワーアップを果たしたドクロンZ。ファイトスタイルは変わらずでしたが
コスチュームがスケルトン仕様(?)で中々に露出が多くなっておりました。
暇でモテナイプロレスファンへのクリスマスプレゼントとなり得たかも知れませんね。そんなドクロンZとエリカが先発し、張り手の応酬で幕開け。
ドクロンZは椅子を利用したラフファイト、エリカ&マーガレットは
体重を活かしたパワーファイト、ジャガーYは猫の特性を盛り込んだ面白ファイトで
試合を盛上げます。終盤に到るまで五分五分の展開。しかしエリカ&マーガレットの合体誤爆を誘うと、ドクロンの椅子攻撃→
ジャーマンSPでもってエリカが3カウントを奪われて試合終了。
ハッスル女子部は窮まってきたので、もうそろそろ新メンバーを投入した方が
良いですね。それこそ女性芸能人を投入すれば新風巻き起こせるやも知れません。
第3フォー
坂田、崔○対●藤井、金村ハッスル軍での扱いに不満を抱く崔は、何処にも属さない坂田と組んで
ハッスル軍への復讐を遂げようと息巻きます。それを迎え撃つのは藤井と金村。
藤井は裏切り者の崔に「当たれば百発百中エルボー(AHE)」で制裁を加える事を宣言。試合序盤は崔と藤井のエルボー合戦。会場からは互いの攻撃が当たる度に
「アへ!」「ジャン!」とコール。崔は金村の凶器攻撃、二人掛かりの
サッカーボールキックと厳しい攻めを受けてやや劣勢に立たされます。
更には金村による長机の側面を急所を打ち付けられるなどハッスル軍の制裁をモロ浴び状態。度重なる反則攻撃に関わらずレフェリーに制止される坂田に対し、
金村は「来いや!」と挑発。坂田が無理矢理に入ろうとするとビビった金村は
「レフェリー、そいつはホンマに恐いから絶対に入れるな!」と懇願。
その状況から難を逃れた崔は坂田とタッチ。対峙する坂田と金村。坂田の構えを見て
「よっしゃー、俺の格闘スタイルを見せたる!」と同じような構えをとります。
不格好なローリングソバットを見せる金村、アッサリと避けた坂田はローキック一閃。
容易にダウンを奪われる金村に会場大爆笑。金村は椅子攻撃で反撃に出ようとしますが
逆に椅子で攻撃されたりと踏んだり蹴ったり。キャメルクラッチ→アームロックを
極められた際には「助けてー!」と大絶叫。金村劣勢故に観客から「キンちゃんピンチ!」と
声援が飛ぶと、金村もロープに振られながら「大ピンチー....。」と応答。あんまりな坂田の一方的な攻撃に金村から「もう勘弁してくれー!!」と
ある意味ギブアップ宣言まで飛び出しますが尚も試合は続行。次々と飛び出す
金村の言葉のプロレスに会場には常に笑い声が鳴り響きます。そんな盛り上がりを見せた試合も終盤。試合を決めにかかるハッスル軍。
標的とした崔に金村がダイビングセントーン、そして藤井が試合前に宣言していた
ダイビングエルボードロップ「AHE」で追撃体勢に入るものの、やはり不発。
成功率0%の必殺技を避けられると、崔のリストクラッチ式ブルーサンダーにあっさり撃沈。
ラフファイトあり、お笑いありと良い非常に試合でした。
第4フォー
健想●、ヒロコ対○AKIRA、ミスター鬼瓦ハッスルマニアで注目を浴び、遂にハッスルGMの地位にまで登り詰めたヒロコ。
そのヒロコの後ろからは警帽を被った健想が悠々と入場。
リング上でヒロコは「これだけは言わせて下さい!交通安全!
駐車違反はいけません!!」と先日、駐車違反で話題となってしまった
怨敵の恥部をマイクでもって舐め回します。よくぞ突っ込みましたね。会場も大爆笑!試合開始。ヒロコは解説席に移動、この試合は健想と鬼瓦軍団の
ハンディキャップマッチとなります。と言えども2対1
のハンディを全く物ともしない健想。ピンチらしいピンチを見せません。
しかし、一瞬の隙を突いたAKIRAが空中元彌チョップを披露。
ハッスルマニアの再現か?と思われましたが、健想はライガーボムで
空中元彌チョップ破りを敢行。敗色濃厚に思われた鬼瓦軍団でしたが
ロープに走った健想をリング下にいた鬼瓦が足を引っぱる→AKIRAがラ・マヒストラル、
と見事な連携プレーで健想まさかの敗北。そしてリング上に駆け上がるヒロコ。アッサリ負けた旦那に「塩っぱい!」と罵倒連発のヒロコは、続けて
解説席の元グラビアアイドルの青木裕子の仕事振りにも「塩っぱい!」と批判。
明日は水着か全裸(?)で来るように命じる始末。青木はこのトスを活かせるのでしょうか?
セミフォー
田中、黒田●対○川田、耕平この前日のZERO1後楽園大会でシングルマッチで戦った川田と耕平。
心に響いたのか、耕平をハッスルでのパートナーにする事を川田は決心。
第3フォーと言い、内容が安定した上質なプロレスを提供しようとする意向が
ハッスルにも働いているように見えるマッチメークだと言えますね。試合は激しいハッスル的なお笑いが全く入り込む余地のない内容。
4選手ともにそれぞれの持ち味を活かした技を繰り出し合う試合に
観客も純粋にレスラーを応援しようとする声援をこだまさせます。田中のスパーフライ、黒田の哲っちゃんカッター、耕平の裏なげと
大技が飛び交う中、試合を決めたのはやはり川田。ラリアットでダウンさせた
黒田に容赦ない顔面ローキックで3カウントを奪って好試合を締めくくりました。試合後、耕平を褒める川田。それに応えようとマイクで喋る耕平ですが
声が潰れていて全く何を言っているのか聞き取れません。会場からは総突っ込み。
即座に川田は「気持ちは分かるが、何を言っていいるのか全然分からないぞ」とマイク。
続けて耕平なので「K’」としてモンスター軍のレスラーとして任命します。その最中、リングサイドに現れる石狩。明日のハウス、川田とのシングルマッチを要求。
更に川田に「明日は残ってる歯を全部抜いてモンスター“歯抜K”にしてやる!」と挑発。
調子にのる石狩に佐藤がマイク、がやはり何を言っている分からず。
逆に冴え渡る石狩は「ニホンゴ、ツウジマスカ?」とマイクで圧倒して逃走。
良い感じで明日の師弟マッチのお膳立てができたと思います。そして川田。よく「ハッスルの川田は..。」という意見を見聞するものの
まともなレスラーがハッスルに増えて対戦相手となってきているお陰か、何となくその言葉が
過去の物になりつつあるような..、そう言った試合をしていたと思いますね。
メーンフォー
大谷、HG○対アン・ジョー、●KOSHIKARI試合前スクリーン、元気良くいつも通りの腰振りを見せるHGですが、
どうやら腰を痛めている様子。この腰の調子が試合にどう影響するかが
メインフォーの出来映えを大きく左右する鍵となりそうです。しっかり定番となってしまったHGの入場曲。この曲が鳴り響くと同時に
会場からは大歓声。それまでもしっかりと盛り上がっていたのですが
明らかにHGの入場時には別次元の盛り上がり方へと移行してしまいます。対HG用の新モンスターはKOSHIKARI 。その名の通り腰への
攻撃を得意としているレスラー、この試合のキーマンとなりうる選手でしょう。その先発はKOSHIKARIとHGの腰を気遣った大谷。
しかし、しばらくすると試合は早速アンジョー対HGへ。組み合う両者、
そしてアンジョーの腕を取りつつ腰をクネらせるHG。たったこれだけの
仕草で会場からは大歓声。グラウンドではアンジョーを腰振り付きの
上四方固めで凌駕するなど相変わらずのキレの良さを発揮。交替した大谷はアンジョーへ顔面ウォッシュへ。会場からは大手拍子!
2度、3度と顔面ウォッシュを決めると、観客からはHGを求める声援。
その声援に応えてHGもあのハッスルマニアで披露し、放送できないと各テレビ局の
頭を抱えさせた魔奥義「PW」でアンジョーを追いつめます。観客からの声援で
助走付きのPWを決めるHG、大谷との人気者コンビは後楽園ホールという空間から
静けさや穏やかさを完全に排除してしまうほどの名コンビとなってしまいましたね。ここまでは優勢だったハッスル軍。しかしモンスター軍の反撃が開始。
遂にKOSHIKARIの攻撃がHGを捕え始めます。
アルゼンチン、風車式バックブリーカー、弓矢固め、ダイビングエルボードロップと
様々な技を駆使して自称「腰を奪われては何の取り柄もない」HGを追いつめる。この痛々しい度重なる腰への攻撃に会場中からも悲鳴が絶え間なく起こります。
腰を痛めていようがいまいが関係ないと言えるほどにHGの腰にはダメージが蓄積。
しかし、会場からの大「HG!」コールに応えてロープを掴みながら達上がるHG.
声援が増せば増すほど、エネルギーメーターが充電されるのを
表現するかの如く腰を激しく振るHG、反撃の狼煙なったのはコブラツイスト+
股間を鷲掴みにするHG流コブラ。ここから形成逆転に思えましたが
KOSHIKARIもHGの腰へダイビングボディプレスで勝負に出る。続けてKOSHIKARIはコーナーに登って試合を決めに掛かりますが
大谷がこれを阻止、トップロープに座りこむ形になったKOSHIKARIを
雪崩式フランケンシュタイナーで叩き付ける。勝機を見出した
HGはツームストン・パイルドライバーの体勢移行、そして腰を振って
KOSHIKARIの頭部&脳を激しく揺らしまくる、マニアで不発となっていた
オリジナル"ゲイ"バリットホールド「69ドライバー」を敢行。
前回同様、会場がまたもや一体化しての3カウントコール!HG組勝利でメインが終了。
試合後いつもの入場曲を鳴り響かせて高田総統がパープルカラーのサンタクロース姿で登場。
どうやらクリスマスにわざわざ後楽園ホールに集まった我々への
囁かなクリスマスプレゼントのようです。何気なく可愛い。
そんな総統にHGは、総統の男の中の男をプレゼントとして「バッチコーイ!」と要求。早速の下ネタに呆れる総統は年末で忙しいHGを痩せたのでは?と気遣ったり、
HGが来年生き残っているのかどうかを嘲笑う程の余裕を見せる総統。
HGも上手に切り返しますが、今回のマイク合戦は総統の方に分があるように感じました。続けて川田がHG、そして小川をレスラーとして認めないと発言すると
観客席から小川が登場。年末の男祭り参戦の為、来場すらしないと思われていたのですが
ハッスルの1年を締めくくる為に来場したようです。会場からは大歓声。
その声援は吉田戦へ臨む小川の勝利を後押しするものばかりだったのが印象的。小川と対峙する総統はプライド参戦についての話題を振ります。
小川がプロレス代表としてプライドに出場すると言った事について納得がいかないらしく、
素直に「金のためです!」と「今年もいっぱいもらいました」と本音を語る事を強要。会場からも同意の声が多数上がりましたが、大谷がすかさずハッスルの為に
プライドに上がる小川の真意を代弁しフォローをします。
それに対抗して川田が最近ますます江頭化してきた大谷にイライラするな、と釘を刺します。
小川はそれらの雑音を振り払うかのようにプロレス代表としてハッスルを
もっと広めると宣言。今日の小川はいつにも増して格好が良い!秀逸なマイク合戦を一通り終えると退場する高田モンスター軍。
その後、HGが小川のセコンドに付きたいと駄々をこねますが小川があっさり却下。
最後はハッスルマニア同様に小川、大谷、HGのハッスル軍トップ3による
絞めのハッスルポーズで興行終了となりました。
感想観客は超満員。最初から熱気に溢れていました。思えばハッスルも
よくぞここまでお客さんから信頼されるようになったもんだ。
メインでしっかり盛り上がって締めくくれる、というのは本当に清々しいものです。
今大会は凸凹ではなく、尻上がりに盛り上がっていったので尚更に良く感じました。マニアと続いて今大会を見て自分は「できる人間が参加したプロレス」というのも
大いにありだなぁ、と実感しました。従来のプロレスのような
「プロレスラーによるプロレス」には当然これからも頑張って欲しいのですが
HGや元彌のような観客をしっかり魅了できる力の持ち主が加わった
プロレスというのも案外一過性のものでなくなるのでは?と思いました。