2005年11月3日 ハッスルマニア
横浜アリーナ大会観戦記 |
観衆:14573人
ハッスルがもうすぐ2年となる訳ですが、その集大成となる
大会だと言う事なので観戦に行って参りました。今宵の舞台は横浜アリーナ。
ヤフオクを覗いてみるとチケットは定価以上で落札されていたりと
今までにない人気ぶり。ヤフオクでは購入できなかったので
頼みの綱は当日券。ハウスで売っていたのだから、その時に購入しておけば良かった..。横浜アリーナに付くと入場口には大勢の行列。急いで当日券売り場に
向かうと3000円のA席しか売っていない様子。取りあえずチケットを
購入できたので一安心。しかし入場口の行列の進み具合が非常に悪い。横浜アリーナはセンター席、アリーナ、2階スタンド席となっているのですが
それらの入り口がたった1ヶ所にしかない、なんとも非効率的な会場です。
今年2月にMISIAのLIVEに来た時も同様に物凄く待たされました。
観戦しやすいものの、遠いし入場に時間が掛かるし、自分はあまり好きではない会場。
もしこの会場にご来訪の際はご用心召されよ、という事で。不満を抱きながらもようやく入場。二階スタンド席へ。
会場を見ると、巨大な入場ゲートなどを設けている為、一部を潰しておりましたが
全体の80%を開放している状態。中には試合が始まっていないのに
「フォー!」とか叫んでいる人達がいたりと期待度の高さが伺えました。恐らく入場に手間取っていたからでしょう、開始時間を過ぎても開演されない。
予想以上の観客数に対応し切れていなかったのでしょうかね?そしてようやく開演。これまでのハッスルの名場面をスクリーンでプレイバック。
そして草間が挨拶。暗転した状態からパッと照明を当てられるのですが、何故か頭部しか照らされていない。
一挙に観客からは大「ハゲ!」コール。草間はヤリ直しを要求。
そのパターンを2度ほど繰り返しながら、今大会の意気込みを語るのですが、
野次のせいか、緊張のせいか台詞を忘れたり噛んだりとダメダメぶりを発揮して挨拶終了。草間の挨拶が終わると、小川率いるハッスル軍が花道から登場。
オープニングハッスル
ドリフの「エンヤーコーラよっと!」のテーマと共にリングイン。
小川は四方に「オィース!」と挨拶。観客の反応もまずまずと言った所。
起立させた観客の手拍子の中、踊りながらオープニングスタート。
観客席の通路にもダンサーが多数出現。楽しい空間を演出します。
そしてオープニングハッスルへ!今大会はGyaoで無料配信されるとの事なので軽く行きます。
ジミー・ヤン○、カズ・ハヤシ対●飯伏幸太、石森太二オープニングマッチにしては非常に豪華なカード。4選手共々華麗な空中殺法を駆使して
第3ハッスル
観客をどよめかせます。最初の試合としては観客の反応も悪くないように見受けました。
最後はヤンがトップコーナーからのヤンタイムで飯伏から3カウントを奪って試合終了。
最後は少々あっさり気味でしたが、高度な攻防が展開されていて彼等の持ち味は充分発揮できていたでしょう。
鈴木 健想 with 鈴木浩子●対○和泉 元彌 with セッチー鬼瓦軍団今大会、目玉となる2試合の内の1試合が遂に開幕。観客の興奮度も一挙に高まります。
まずはケンゾー&ヒロコの入場。そしてジュディ・オング「魅せられて」(女は海〜♪ってアレです)で
セッチー鬼瓦軍団が入場。その中にはAKIRAや謎の覆面レスラー、元彌姉、その他大勢が揃って姿を現す。(会場笑)リングサイドに陣取った軍団を見たケンゾーがマイクで元彌がいない事を指摘すると、
すかさずヒロコも元彌を罵倒。セッチーはそんなヒロコの白塗りを揶揄、スッピンの良さを説きますが
観客からの「オマエが言うな〜!」という野次に会場爆笑。続けてセッチー、
「かけもちはしてもダブルブッキングはしません。」と反論。正に狂言の世界の住人ならではの発言。痺れを切らしたケンゾーは「何人でも良いからかかって来い!」と挑発。
その言葉を待っていましたと言わんばかりに、セッチーはAKIRAと覆面レスラーを差し向けます。
が、しかしケンゾーは物ともせず2人を弾き飛ばす。すると会場にはヘリコプターのプロペラ音が!!
辺りを見回す観客。一点のスポットライトが照らす先にはゴンドラに乗った和泉元彌。
花道の上をゆっくりと降りて行くゴンドラ。そのゴンドラ上で開場前からずっと天井で待っていた事を
告げる元彌に大歓声を浴びせる観客。ゴンドラから花道に降りると狂言の口調で何やら台詞を言いながらリングイン。ド派手な衣装を着た元彌はリングに入ると共にケンゾーの周りを回って張り手を見舞う。
しかし全く動じぬケンゾー、睨合った後に掴み掛かろうとしますが元彌はまるで闘牛士の如く
華麗な舞いでケンゾーをかわす。続けて元彌は長い振り袖を振り回しながら打撃を繰り出すものの
意に介さないケンゾーに捕まえられ、コーナーマットに思いきり叩きつけられるハメに。
その様に開場からは「ああ〜!」という声が起きます。元彌の感じている痛みが観客にもしっかり伝わっている様子。ケンゾーはもう一度コーナーマットに叩きつけると、強烈な張り手を元彌へ。
あまりの衝撃にコーナーで腰を落とす元彌、鬼瓦軍団が介入するもケンゾーは尽くなぎ払う。
ケンゾーが更にロープから跳ね返ってきた元彌を風車式のバックブリーカー、そして体重を乗せた
ジャンピング二ードロップを元彌の胸元に落とすと、思わず悲鳴を起こしてしまう観客も。
手加減無しのプロレスラーの猛攻に元彌も、そして会場の観客も「プロレス」の痛みを存分に味わいます。抱え上げられた元彌の窮地に鬼瓦軍団が乱入、難を逃れた元彌はケンゾーにお返しの二ードロップ、
セコンドの乱入に腹を立てたのかヒロコも乱入。AKIRA達にパウダー攻撃を喰らわせる。
元彌を羽交い締めにするケンゾー、ヒロコがパウダーを投げかけると、それがケンゾーに誤爆。
狼狽えるヒロコの前に立つ元彌、大きく衣装を広げる格好で後ろにいるヒロコを覆い隠すと
視界を取り戻したケンゾーが元彌に突進→元彌ヒラリと避けてケンゾーのタックルが今度はヒロコに誤爆。セカンドコーナーへ飛び乗った元彌、いよいよ「空中元彌チョップ」のお目見えかと観客も待ち望む。
元彌を見失っていたケンゾーが元彌に気付いた瞬間、元彌はケンゾーの肩に飛び乗る、
いわゆるウラカン・ラナを打つ直前の体勢に。一瞬「!」「?」と呆気に取られる観客。
しかしその次の瞬間、その体勢のまま脳天唐竹割を繰り出す元彌に思考が止まっていた観客からは一気に大歓声!
空中元彌チョップを4発程喰らったケンゾーはそのままダウン。すかさず元彌はフォールの体勢へ。
横浜アリーナが一体となった3カウントのコール!元彌はプロレスデビュー戦を白星で飾る結果となりました。自分の感想としては良い試合でした。素人とプロレスラーの対決だった訳ですが、
第4ハッスル
改めてプロレスって「痛い」ものなんだなぁと、素人の元彌に教えてもらう事になるとは..。
その素人である元彌が体験するリアルな痛みが観客に伝わったからこそ
観客は素直に元彌の応援をできた、つまりはリング上のプロレスに引き込まれたのでは?と
言った感想を持ちました。おそらく会場のお客さん達は存分に楽しめた事だと思います。
ハッスル仮面レッド、ブルー、○ライオセイザー対ザ・ネオ・デビル・ピエロ1号、2号、ジャスティライザーグレン×ハッスルハウスvol.9から因縁が勃発したヒーロー対決がここに実現。
セミハッスル
試合内容はJrの6メンタッグマッチ、言わば飛んだり跳ねたりの試合が展開されます。
しかし、既にオープニング&第一ハッスルで同様に飛んだり跳ねたりの試合をしてしまっていたので
観客も何処か飽きてしまっていた様子。歓声もあまり沸き起こりませんでした。
ヒーロー対決をJrの試合にするのならば、オープニングハッスルは削るべきでしたね。
肝心の両ヒーロー共に動きが今一つで、せっかくの素材を活かしきれなかったように見えました。
最後は映画の宣伝をしてヒーロー退場。強いて挙げるなら今大会のワーストバウト。
×金村キンタロー、田中将斗対安田忠夫、天龍源一郎○ハッスルに新設されたタッグベルトの王座決定戦。金村組は猫ひろしと共に入場。
観客にとっては予定外のサプライズだったかも知れませんが、この企画が仇となった感じ。
試合は通常のハッスルの試合ではなく真剣なプロレスの攻防が主軸となります。
しかし猫ひろしを連れ込んだ為に観客の気持ちが真面目なプロレスに付いていきません。
試合中に猫ひろしを意識した野次が飛ぶなど、何となく試合に集中できていなかった印象。金村、田中の凶器を駆使したラフファイトもそれなりに観客に響きますがどうにも断続的。
会場の隅にまでプロレスの迫力を伝え切れていたのは天龍の逆水平だけだったように思えます。
この大きい会場では、残念ながら金村と田中のプロレスは行き届いていなかったと言わざるを得ない。
最後は天龍が53歳で金村を倒して試合終了。安田は次のハッスルでベルトをオークションに掛けると宣言。メインハッスル
○HG、小川直也、大谷晋二郎対インリン様×、川田利明、アン・ジョー司令長官そして遂に待望のメインイベント。観客の高揚もトップギア。
試合前にはHGのデビューまでの経緯をスクリーンで紹介。試合を面白く味わうには充分な味付けとなっていました。
選手はハッスル軍、モンスター軍の交互に入場。大谷、安生、小川、川田と順に入場すると
歓声が一際大きくなります。ゴールドフィンガーが鳴り響くと大歓声!全員が待ちに待ったHGが登場。
席から立ち上がる人、「フゥー!」と奇声を奏でる人など、その歓迎ぶりは比類なく熱い!
そして最後に紅のコスチュームを身にまとったインリン様が入場。ようやくリング上に役者が揃う。試合開始、直後に1対1となるインリン様とHG。すると14573人の一丸となった大「HG!!」コールが発生。
インリン様は強化された鞭でHGを打つもののHGは動じる事なく、むしろ快感を得ているかのように
腰を振りインリン様を挑発。その度に会場からは歓声&笑いが巻き起こる。
HGはリングインしてきた安生に対してプロレスの基本ムーブである、
安生をロープに振る→横になったHGを安生が飛び越える→返ってきた安生をHGがジャンプで避ける→
ドロップキック!を見事にこなしてしまう。この1つ1つのアクションをクリアする毎に観客からの歓声は
「おお!」「おお!!」「おおおお!!!」と拡大化。決めのポーズは当然腰振りポーズ。会場拍手喝采!安生のチョップにも腰振りで応えるHG。そんなHGの前に立ったのは本物中の本物、川田利明。
このプロレスラーvs芸人という異種格闘技戦が放つ芳香が何とも言えず、
辺り一帯に広がり誰をも魅了していたように思えます。HGはエルボーを繰り出すも川田は動じず。
逆にチョップを喰らうと今度は腰を振る事すらできず、ここで試合を大谷に任せます。大谷と川田の打撃合戦。大谷はニールキックからお得意の顔面ウォッシュへ。
そんなハッスル軍の攻勢を防ごうとしたインリン様がカットイン。そのカットインしてきた
インリン様をHGがコーナーへ投げ飛ばすと、HGの禁断の超必殺技『PW』がインリン様に炸裂!
PWとはコーナーダウン状態の対戦相手(インリン様)の顔面部に男の下腹部を反動付きで押し当て、
凶悪とも言えるダメージ(主に精神的に?)を与える、絶対に良い子はマネしちゃいけない技です。(会場は大歓声)助走突きのPWを喰らって窮地に立たされたインリン様。川田のカットで息を吹き返すと
HGにスタナー、M字ロックで反撃。並の女性ならPWを喰らった直後にこんな反撃は絶対不可能。大した人ですよ。
試合権利は小川と川田に。因縁を引きずったままの両者ですが、ある程度の打撃合戦を繰り広げ、
プロレスラーの同士の戦いを観客に披露。ただこの試合では若干印象薄でしたかね。そしてまたも試合権利はHGと安生へ。HGを攻め込む安生。コーナーでへばるHGへ突進、
しかしHGは下半身を浮かして股間で安生をキャッチ!会場の大歓声を浴びながら
腰振り三角締めを極めると、そのままヘッドシザースホイップ!あまりに流麗な動きに会場も沸きに沸きます!代って出てきた小川にモンスター軍の猛攻が始まります。安生&川田の重い攻撃を喰らった後に
満を持して登場したインリン様がM字固め。小川、カウント2で返しますが
そのままM十字固めに極められる。会場からは小川コール。小川何とかエスケープで難を逃れる。試合は終盤、小川が川田を、大谷が安生をカット。リングに残るはHGとインリン様。
試合後
インリン様は鞭打で応戦するもののHGに効果はなし。逆にHGがインリン様の身体を抱え上げると
会場からは大歓声。しかし一瞬の隙を突いてインリン様が丸め込む。
あわやと誰もが思った瞬間、HGは絶妙のタイミングで逆転の三角締めへ。
上下腰振り付きの三角締めに、みるみる意識を失っていくインリン様、その様子を見たHGが
三角締めを解いて素早くM字「フォー」ル!会場の全員が1つになってカウント3を数え、試合終了!
解散を賭けた試合に勝ったハッスル軍に対して「はしゃぐな!」と高田総統の声が響き渡ります。
気絶したままのインリン様のこれまでの功績を労う総統。川田にインリン様を運ばせるように指示。
インリン様を運び終えると総統のマイクの矛先はHGへ。ここからHGと総統のマイク合戦が始まりますが
HGのマイクの内容が中々下ネタ混じりの為、ここでは省略。自分も綴っていて嫌になりそうなのでw
しかし両者の掛合いは非常に秀逸で会場から爆笑を引き出していたのは確かです。HG下ネタ混じりのマイクに押され気味だった総統は劣勢のまま退場。
感想
試合、マイク共に完全勝利を納めたハッスル軍は観客を起立させると、HGを中心に
ハッスル、ハッスル!フォー!でハッスルマニアを締める事に成功。これにて興行終了です!
会場はほぼ満員。二階スタンド席は半分程の埋まり具合でしたが、開放予定でなかった事を
考えると満員中の満員だったと言っても過言ではない。そして注目のメインのおかげで、観客をしっかり満足させて
帰らせる事ができた。突っ込み所はまだまだ散在していたものの大成功と言って良い出来映えだったかな、と。
ハッスルの面白さを見せつけるどころか、プロレスの可能性の限りなさを見せつけるに至ったのは見事。
強いて言うなら元彌、HGの注目度が高すぎた為に他の試合に観客の気持ちが向かなかったのは、
このやり方を継続して行く場合での今後の課題となりうるでしょうかね。
芸能人をリングに上げるという、言わば禁じ手をおよそ1年費やして若干にでも受け入れやすくし、
新しいスタイルを築き上げた訳ですが、その知恵と努力が実を結んだ大会だったと思います。
今後のハッスルの躍進に期待を抱きつつ、この観戦記の幕を降ろさせて頂きます。