2005年9月11日 ビッグマウス
後楽園ホール大会観戦記 |
観衆:2086人
今宵はビッグマウス旗揚げ戦を観戦に行きました。チケットの売れ行きは好調らしく
当日券は立ち見席しか販売しない状態。雨が降る中、億劫ではありましたが後楽園ホールへ。
会場に行ってみると開場1時間前から長蛇の列。後楽園ホールは建物の5階にあるのですが
その5階に通じる階段にズラッと人が並んでいる状態。どうやら立ち見客が良い場所を陣取ろうと
並んでいるようです。自分も遅ればせながら列に並びました。大した人気です。会場に入ってバルコニーに向かってみますが既に自分の入り込む余地はなく仕方なしに南側の最後列へ。
試合開始が近付く連れて、その自分の後ろにも立ち見の列ができる状況、最終的には立ち見が
3列ぐらいになるぐらいでした。バルコニーもギッシリ。ここまで来ると入れ過ぎだろう、と。開始時間になるとスクリーンで旗揚げ戦までの経緯を映像で流します。
そして白い幟が立つとプロデューサーである上井が入場。会場からも上井コールが起こります。
上井が丁寧に四方へ頭を下げ、ビッグマウスのマスコットガールを紹介し終えると、遂に試合開始。
第1試合
藤原△対△木戸UWFレジェンドと銘打たれたベテラン同士の試合。まずは藤原が入場。聞き慣れた入場曲に
観客も沸きます。そして復帰戦となる木戸の入場。久しぶりのファイトに観客は尚更に興奮。
レフェリーは柴田勝久。「オヤジさん、久しぶりー!」という声援もあり
古き良き頃を懐しむ人達が多い事を実感できました。試合は昔ながらのじっくりとした間接の取り合いを軸に一瞬の隙を突く、正にベテランならではの攻防。
アキレス腱固め、脇固め、アームロック、逆さ抑え込みと往年の技を繰り出す木戸。
一本足頭突き、腕ひしぎで対抗する藤原。飛んだり跳ねたり派手な技を出さずとも
1つ1つの技で観客を沸かせたり、どよめかせる所は流石と言えます。
結果は15分時間切れ引き分け。しかしリングアナが誤って「15分経過」と言ってしまった為に
観客が訳も分からない内に試合が中断された形で終わってしまったのは残念。
第2試合
池田○対●臼田バトラーツ対決。臼田が膝蹴りで奇襲、続けて左右ハイキック連打。
池田がいきなりダウンを奪われますが、今度は逆に池田がハイキックを見舞う。
互いに打撃でダウンを奪っていきますが、ビッグマウスの特徴なのか10カウントを数え始めるのが
非常に速いです。そういう点ではUWFの側面を潜ませているのかも知れませんね。臼田も頑張りますが、池田は大ちゃんボンバー、デスバレーボム、垂直落下BBと大技を畳みかけ
臼田から3カウントを奪取。ビックマウスは「殺伐さ」を売りにして行く団体のようなのですが
その意志に沿った試合を展開できていたと思います。良い試合でした。
第3試合
石井○対●伊藤長州の愛弟子対前田の愛弟子と言った所でしょうか?伊藤の方はよく知らない選手なんですか
UWFのを思わせるファイトスタイルの長身の選手。試合開始から
伊藤はミドルキック、石井は逆水平で打撃合戦。両者共重い打撃を持っている為
激しいぶつかり合いに観客も「おおっ!」という言葉を漏らして驚きを隠す事ができません。試合中盤に至っても打撃合戦が主軸。石井はエルボー、ラリアット、張り手を、
伊藤はハイキックで応戦。互いに力の限り攻めて受ける故に終盤になると2人ともフラフラ。
やや優勢に立つ石井、強烈なエルボー、バックドロップ、ジャーマンを放ちますが、
伊藤はダメージを負いながらも即座に立ち上がる。決め手が中々出ない状況でしたが
石井の助走付きのラリアット→逆エビ固めでようやく伊藤がギブアップ。
この試合もビッグマウスならではの激しい試合内容でした。ここまでは良い感じですよ。
第4試合
長州、宇和野●バック・クォーターメイン、○スティーブ・マディソンリキプロ勢対外人選手。これまた外人選手はよく存じておりません。
それなりに期待してはいたのですが、正直言って評価のしようがないです。
技の失敗や動きのぎこちなさがモロに頻発していました。長州以外がショボ過ぎて
観客からは溜め息や失笑が多々出ます。一言で言えばダメダメな試合。
ドタバタした挙げ句、宇和野がラリアットに沈み「ええーー!」という観客の野次と共に試合終了。休憩明け
南側の客席一帯を覆う幕が広げられます。南側の観客は幕を広げるのを
手伝うも、自分を含めその幕に何が描かれているのかは分からない状態。
そうこうしている内に前田入場の気配を察知した観客が騒ぎ出すと、
その幕が邪魔になってサッさと観客の手によって丸められてしまいましたw
結局、訳の分からない演出の効果はほとんどなし。前田の登場を待ちわびる会場。そしてテーマ曲キャプチュードにノッて前田登場。会場、物凄い前田コールです。
前田は雨の中、詰めかけたファンへのお礼、更に現在のプロレスの惨状を嘆く内容の挨拶に
「何とかしてくれーー!!」と叫ぶ観客も。その挨拶を終えると、今後のBMの中心人物の紹介へ。
前田に呼びだされたのは船木誠勝!船木はプロレスのリングに自身が再び立つか否かを
観客に問うと、観客からは大歓声。その声援を受けた船木は何やら覚悟を決めた様子。
BMへの全面協力を宣言すると、夢と希望を与える、総合格闘家に勝つ
プロレスラーを誕生させる事をファンと約束し挨拶を終了。
第5試合
エンセン井上○対●ジェラルド・ゴルドーエンセンの対戦相手は明かされておらず、観客も誰一人知らなかったようですが、
聞き慣れない入場テーマの前奏部分が終わり現れた選手はジェラルド・ゴルドー。
会場から一斉に「おおおーーー!」という驚きの声が沸き起こります。試合はゴルドーの奇襲により開始。エンセンがレフェリーチェックを受けている間に
ハイキックを見舞うと、エンセンは場外エスケープ。
四方に押忍ポーズで挨拶をするゴルドーに会場からは拍手!
反撃に出るエンセンはマウントパンチ、対するゴルドーはサミング攻撃で対抗。
観客からは「サミング!サミング!」と反則技を要求する声が上がる。しかし、エンセンが腕ひしぎに入った所、ロープエスケープしたにも関わらず、
保永が見極められず、そのまま試合終了。少々消化不良でした感じ。
保永はゴルドーに殴られてそそくさと退場。まあXらしい大物選手だったので
この試合はこんな感じで終わっても良かったかも知れません。盛り上がりは良好。
第6試合
アレク●対○石川正直に言って「何故、この試合がセミ?」という印象。
おそらく観客の大部分がそう思ってた事でしょう。前の試合の盛り上がりを
一切引き継ぐ事なく、静けさを保つ観客。 本当に静かです。試合序盤は両選手共グラウンドをじっくりと展開。
張り手、ナックルアロー、ヘッドバットと繰り出し合う両者。
それなりの動きは見せていますが、どうにも会場は静寂なムード。試合中盤、アレクはジャイアント・スイングへ。勢いよく回しますが、
超満員の後楽園ホールで、回転数を数える観客は恐らく10人程度..。
更にアレクは急角度のジャーマンを放ち、ここでようやく観客から歓声が!
しかし最後は石川がスリーパーでアレクをKO。試合順の影響か、試合内容のせいなのか
どちらにせよ、これ程静かなセミファイナルは珍しい。静かさでは自身屈指の試合。
第7試合
柴田●対○村上セミの静けさとは一変して入場時から観客にも熱が入ります。
この試合のレフェリーは山崎一夫、所々にUWF色を見せる大会ですね。試合開始、と同時に柴田が飛び膝蹴り、が村上はこれを避ける。
村上はコーナー間際で柴田をジャンプ踏みつけ。柴田は場外にエスケープ。
リングに戻った柴田はキレのあるニールキック、しかし村上も逆エビで反撃。試合中盤、打撃で攻勢に転じる柴田。コーナーダウン状態の村上の顔面へ
ドロップキック3連発。遠慮のない攻撃に観客からも後押しの大声援。場外に逃げた村上はマウスピースを投げ捨てると、リング上では
柴田とミドルキックの繰り出し合います。若干優勢に出た柴田、
ロープに寄りかかっている村上に膝蹴り→PKで勝負に出るも試合は決まらず。
再度PKにきた柴田の足を取った村上はドラゴンスクリュー→PKへ。
これを柴田は返せず、旗揚げ戦メインイベントは村上が締めました。スリリングで良い試合だったと思います。向かい合う両選手からは
BMが掲げる「殺伐さ」がしっかり醸し出されていました。
観客の一生懸命な声援が、それを物語っていたと思われます。
感想観客は超満員。男率、年齢層共に高かったと見受けました。
玉石混合と言える興行でしたが、掲げた信念は何とか見せられたのでは。さて、「総合格闘家に勝てるレスラー」を育てる、という目標も賛否両論でしょうが、
どのプロレス団体を見ても現在ソレを目標として掲げている団体はありませんし、
他所が手を出し(せ)ていない商品を作り出そうとするのは悪くはないかな、と。
まあ、正解か不正解かは数年後、明らかになると思いますので長い目で見てあげましょう。